朝は、マルチーヌの妹さんが作ったクグロフだった。
マルチーヌの家に来るときは、ここ数年、必ずいただくことができる。
そういえば、マルチーヌの苗字は、ドイツ系で、確かお父さんがアルザスだと言っていたと思う。
マルチーヌはがんを患ったことも影響してか、食べ物はBIOにこだわっている。
緑茶にレモンを絞って蜂蜜やも入れて毎朝飲んでいると言った。
ナッツ類も沢山とっているようだ。
実は、この朝くらいくらいから、私の体調は良くなかった。
のどが痛く、頭も重かった。疲れが出てきているのかもしれない。またシャンパーニュの寒さか、パリの埃っぽさのせいだろうか。
でもとにかく出発しなければいけない。
中型のキャリーを以て行くので、ここから、パリ・モンパルナス駅まで、メトロの乗換えが楽な方法をマルチーヌが教えてくれた。
モンパルナスタワーだ。
12時35分発だったが、余裕をもって出てきた。この駅では、出発の3分前にゲートが閉まって、プラットホームに停まっている列車を見ながら、乗れなかった苦い思い出があるからだ。
(しかもその時、一緒に行くために待ってくれていたアンリモルガンさんにも、やむを得ず列車変更させてしまったのだった。)
図書館夫妻は、パリ在住だが、一足先に行って、冬の間放っていた畑などを耕したり、部屋の準備などもしてくれているということだった。
2014年だったか、パリの家にお伺いしたとき、「ベルサイユ宮殿の噴水ショーを見たことがないなら一緒に行こう」とお誘いがあったのだが、日程が帰国直前日だったので、時間に余裕がなく断念せざるを得なかった事がある。
良い提案だったので今でも惜しかったと思っている。
その時から、待っていてくれている夫妻だった。
いつも列車の中で昼食を済ませることにしている。その方が時間の節約にもなるし、夕食へのお腹の調節もかねて、サンドイッチにしたり、時には食べないで飲み物だけということもある。
そして、トゥールへ到着。定刻通り、13時48分に着いた。
体調不良も忘れるくらいの二人の笑顔が待っていた。