マドレーヌ寺院にやってきたナタリー。
来日したときは、仕事のことなど何も聞かなかったのだが、この日の話によると、彼女は美容関係の仕事をしていたということだ。
このような華やかに見える、いわゆる日本人がイメージするフランス人マダムの友人は、私にはほとんどいない。
彼女が私と一緒にパリを歩いて回ってくれた場所を見てもわかる。
マドレーヌから歩いて、高級ブランドで一杯のヴァンドーム広場、パレ・ロワイヤルも他の友人たちと何度も来ているが、白黒のポールや回廊を歩くだけだった。
彼女は、三つ星のレストランを教えてくれたり、シャネルのブティックまで中に入らせてもらえた。
有名な螺旋階段があるという。
彼女は気後れなく入って店員さんに挨拶をしているが、旅行者の私1人ではとても入れそうにもないブティックだ。
何も買わないのに、彼女はおいてある雑誌までもらってくれたりした。
他のフランス人友人とは明らかに違う。
だいたい友人の中でブランド物を持っている人は、大抵ロンシャンとかフランスではポピュラーなブランドくらいなのだ。しかももちろん日本で買うよりも安い。
それ以外の人はロンシャンも持たない。
いつもとは違う街歩きになったが、それはそれでせっかくなので、楽しませていただくことにした。
ギャラリーヴィヴィエンヌほか、おしゃれなアーケード?型の商店街まで行った。ここもエスカレーター始め、何人かの友人と歩いたことがある。この辺りは日本人の観光客を見ることもある人気の場所のようだ。
そして、帰る前に少しクラシックなカフェでお茶をし、彼女の運転で郊外の彼女の家に向かった。車も高級なドイツ車だった。私の友人の多くはフランス車で、これは愛国心なのか、フランス政府が自国の車会社を守るような何かがあるのかもしれない。
最近は、時々、「トヨタ」に乗っている友人もいる。
高級なドイツ車に乗っていたのは、ドイツに近いアルザスの友人2組と(訪問記)もう一組の訪問記、ドゥさん(実はこの後彼の家を訪問したとき、やはり貴族の家系だったことが判明、その訪問記)くらいだったことからも、少しいつもの友人たちとは勝手が違う感じだった。
行き先はサンジェルマンアンレーと思っていたら、そうではなくオルリー空港を通ってもっと南の方であった。一時間くらい走ったか。やっと、到着した。
彼女は美容関係の仕事を辞めた後、その後アンティークのお店もしていたらしく、家の中はアンティークでいっぱいだった。
ご主人のフィリップが待っていてくれた。