Miaou:猫と一緒にフランス語

長い道のりを猫と共に行きつ戻りつ

スパニッシュアパートメント<L'auberge espagnole>

2005-07-13 23:27:58 | 映画
とても面白い映画だった。スパニッシュ・アパートメント
監督は「猫が行方不明」のセドリック・クラピッシュ監督。

就職活動を前にした主人公グザビエは、「将来のキャリアのために」と父親やその友人の高級官僚から勧められるままに、バルセロナへ留学したはいいけれど、住む場所がない。
最初は、空港でたまたま知り合った、フランス人神経科医夫婦のアパルトマンに世話になっていたけれど、長居もできず、やっとの思いで見つけたのが「スパニッシュアパートメント」
そこには、ヨーロッパ7カ国からの学生が共同生活をしていた。
この「スパニッシュアパートメント」での生活がユーモラスに描かれている。

このDVDをかしてくれた、フランスン語の先生が「C'est le film très européen.」と一言コメントしてくれたけれど、ごもっとも、そうでした。

印象に残った場面が2つ。

1つは、同居人の1人であるイギリス人の女性の弟が訪ねてきた晩、みなで食事してる。弟はスペインでの移動中に電車の中で隣り合わせたスペイン人の話し口調をおどけてまねする。ついでにフランス人も真似もしてみせる。彼の中でのステレオタイプの印象を皆にご披露したってわけ。皆、それを白々しい顔で聞いている。気まずい雰囲気をやっと察した弟は「でも、スペイン人は誇り高い国民だ」と、今までの自分の失言をカバーしようと試みた。しかし、アパートの同居人の1人であるスペイン人の女性が「あなたは何人のスペイン人を知ってるの?その人1人だけでしょ?一般化していわないでよ!」と怒って席を立ってしまった。

わたしにもありがちなことだ。
「フランス人って、ホントプライド高いから~~」なんて平気で言ったりする。
もっと個々人を見るべきだね。そういう心構えを自分も持つし、相手にも持ってもらいたいね。

もう1つ。
ドイツ人の男性が自分の部屋で試験勉強をしている。そこへ、またイギリス弟がやってきて、遊ぼうと誘う。誘いに乗らないドイツ人に対して「ドイツ人は几帳面だ、電車も飛行機も時間通りに走る。これは、昔ヒトラーがしっかり統制していたからだ」と暴言を吐く。当然ドイツ人は、”もう我慢できない”と部屋を出てしまう。しかし、弟の暴言を聞いている最中に彼は、金属製の目盛りがくっきり打ってある定規で参考書に線を引いていたのだ。

これもステレオタイプの表現だね。
でも、わたしも個人的経験から「ドイツ人は時間に正確」という印象を持っている。
判断の根拠はたった2人のドイツ人ですが・・・・(汗)

最後はみんなが打解けて、グザビエは、1年間の留学を終えて帰国するのだ。

先生が、「いかにもヨーロッパ的映画」と仰ったのが分かるね。
途中、ちょっとだけ出てきた、アメリカ人がすご~~くバカっぽく描かれていたし・・・。
おっと、これも、フランス人の監督が(ひいてはヨーロッパの人々が)アメリカに対して持っているステレオタイプに私が影響されている、ということなのでしょうか。

でもでも、ホント、面白い映画だった。2時間あっという間。
☆☆☆☆ et demi あげよう。

そうそう、この映画の続編が、今年の「フランス映画祭・横浜」に出品された。
「La poupée russe」だ。
私は観なかったが、観ればよかったよ~~~ぉ。