毎年夏休みが明けた9月には、子どもの自殺が増えます。
子ども自殺の問題は、学校教育関係者も深刻に受け止めています。
ただ、そのなかでもLGBTQの子どもの悩みは深いものがあります。
調査によれば、LGBTQなどの性的少数者に該当する10代の人の約半数がこの1年間に自殺を考えたといいます。
自殺未遂をした人は1割越えで、自傷行為にいたっては4割になります。
当事者にとって、学校や家庭が居心地のよい場所でないことが大きな理由のようです。
学校では、生徒がLGBTQを笑いのネタにしていたり、ひどい例では教師が偏見に満ちた発言をしたりして理解してくれないという感想をもつ場合もあります。
教職員が悩みの相談相手にならないという思いは、多くの当事者生徒が感じるところで、残念に思います。
家庭では、親に安心して自分の性に関する悩みを話せない人はじつに9割います。親がLGBTQについて否定的な言葉を言ったり行動をしたというケースも多くあるからです。
文科省は理解を深める取り組みを学校に求める通知をだしており、LGBTQに関する周りの認知は10年ほど前と比較すると上がりました。
でも、認知のわりには理解が進んでいるとはけっして言えない状況に当事者は置かれています。
いちばん必要なのは、自分の性について相談できる体制づくりです。
信頼でき、安心して相談できる人が一人でもいるだけで悩みを抱えた子どもは救われることもあるのです。
性的少数者(性的マイノリティ)の生徒の悩みは、思春期の一過性のときもありますが、人びとが一般に考えるよりも、当事者の実数は多いのです。
まわりの人びとの理解と相談体制の充実が望まれます。