箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

行動が変わると意識が変わる

2020年11月26日 08時13分00秒 | 教育・子育てあれこれ

最近、国内で外国人が増え、接する機会が増えています。

それを背景に、乗り物のアナウンスが日本語とともに、英語などの外国語でも放送されることが増えてきました。

そのアナウンスについて、

飛行機に乗ると、CAの機内アナウンスはおきまりの「Ladies and gentleman・・・」から始まりました。

でも、今年の秋から日本航空JALでは、性別を前提としない「Good morning ,everyone」に変更しました。

また、国内では、家庭をもち妻である人が、家族外の人と話しているとき、自分のパートナーのことを「うちの主人が」という慣習は今でも残っています。

その会話には、男が一家の主(あるじ)であるという固定観念に基づく言葉としての「主人」が使われます。

一方で、「主人」のかわりに「夫」を使う人も最近ふえてきました。

また、「うちの嫁さんは」という「嫁」は書いて字のごとく、「女は家にいるもの」という固定観念に由来しています。

でも、心得た人は、「うちの妻」とか「わたしのつれあい」と言います。

このような変更は、とるにたらない小さなことかもしれません。

でも、おなじみの言い回しを変更することは、性のあり方をきめつけたコミュニケーションの方法を見直すきっかけになります。

人びとが言動や言葉を変え続けると、意識が変わることにつながります。

つまり、行動の定式化は、意識の変容になるです。

学校でも、教師が児童生徒のことを、名前を呼び捨てにするのは問題外だとしても、「くん」「さん」と呼び分けすることを見直す動きがあります。

また、スカートにするかズボンにするかで、制服を選択できるようにする学校も出てきています。

きめつけや偏見は、じつは、どこにでもあり、私たちの日常生活のなかに組み込まれていて、知らず知らずのうちに使ってしまいます。

でも、それにより、傷つく当事者がいます。

そこから抜け出すためには、何げなく使っている言葉や従っている習慣を意識的に変えてみる、小さな行動や工夫を積み重ねることが効果的だと思います。

学校の中で、教職員が行動を変えないと、児童生徒は固定化したものの見方、考え方しかできないままなのです。