箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

新型コロナウイルスと児童虐待

2020年11月10日 08時13分00秒 | 教育・子育てあれこれ
保育所、幼稚園、学校には毎日たくさんの子が通ってきます。

その子どもたちは、家庭生活を背景に背負い、登園(所)・登校してきます。

保育士や教員は、子どもと接するとき、たとえば顔や手にあざがあるのを見つけます。

そして、家庭での虐待の兆候や可能性を推し量り、親御さんに家庭の様子を尋ねるとかして、子育ての相談を受けるのです。

このようにして、深刻な虐待になる前に、未然に防止できたりします。

子どもの命にかかわるようなハイリスクの場合には、児童相談所等の関係機関に通告するように、法律で定められています。

しかしながら、今回の新型コロナウイルス感染防止のために、多くの学校園所が休みになりました。

その影響がはっきりと出たのが6月で、児童虐待は急増しました。

2カ月に及ぶ学校等の休みは、虐待の兆候を外部から見えなくしてしまいました。

加えて、新型コロナは、親の孤立化も進行させたのでした。

虐待を生むのは、親の孤立化です。

つまり、親の孤立化が、「新型コロナウイルス→虐待」という流れを加速させたのでした。

さらにもう一つの問題を新型コロナウイルスは引き起こしました。

一時、乳幼児検診が一斉にできなくなりました。

この乳幼児検診で、親は子育ての悩みを相談したりできますが、それもできなくなったのでした。

また、保育所に子育ての一部を担ってもらえてたのが、親がすべて引き受けなければならなくなったのでした。

保育士が一部を引き受けてくれることで、虐待につながってなかったのが、親が心身ともに疲れてしまい、虐待のリスクが高まったのでした。


子どもにとっての2歳までの間は、「母性」で包まれる時期で、愛着形成の大切な時間であり、大人の半年や1年とは比較にならないほど重要です。

この点を十分に踏まえて、子育ての課題への対策を打たなければなりません。