3年生は大きな行事を終え、いよいよ本格的に受験に向かうシーズンになってきました。
もちろん、学年全体としては、しっかりと授業に向かっていますし、学級集団としても学年集団としても、着実に成長しています。
しかし、まだ14歳、15歳の子どもです。
「もうあとは、受験のための学習だけになった」。
迫ってくる受験に対して、生徒にもよりますが、多かれ少なかれ不安を感じています。
中学受験をしていない子にとっては、生まれて初めての経験となります。
動揺して不安に思う子がいて当然です。
それとともに、最近休み時間に保健室を訪れる3年生の生徒が増えています。
病気、ケガ、体調不良の子に加え、心の落ち着く場所を求め、保健室に集まってきます。
ときには、3年生が多くいる保健室に学年の教職員が、授業開始前に、「追い出し」に出向くこともあります。
「授業です。すぐ教室に戻りなさい」で戻る生徒がほとんどですが、なかなか気持ちを切り替えてすぐに戻れない子もいます。
私は、保健室にやってくる生徒の心理状態は、受験が迫ってきて、不安で揺れる気持ちの現れだと、教職員に説いています。
「教室に行きなさい」は、もちろん言わなければならないです。
しかし、不安な気持ちでいる子には、教師がまず「その心情に寄り添い、生徒からの話を聴いたって」と言います。
自分の不安や揺れる気持ちを聴いてくれる人がいる。
「〜しなさい」だけでは動きにくい子から、傍らで思いを聴いて、その気持ちを理解してくれる人がいることで、生徒は「やっばり、がんばろう」と行動を起こします。
子どもの心に灯をともす教師。それが生徒指導の真価です。
生徒指導は、なにも、非行や問題行動を取り締まり、「学校が荒れていない」という秩序を保つための指導ではないのです。
生徒を怒鳴りつけ、ちゃんとさせるのは、生徒指導の本道ではありません。
「不安で押しつぶされそうになり、前向きになりにくい生徒から、話を聴いて、生徒を支える、そして生徒をやる気を起こさせる指導をしていきましょう」
これは、教師として、さほど簡単ではないスキルですが、それができる教師になる。
三中教職員に、今週も、その話をしました。