ミーロの日記

日々の出来事をつれづれなるままに書き綴っています。

食べる!?

2016-03-11 15:46:47 | 介護
父がまた入院することになった。

ペースメーカーを入れてすこし元気を取り戻したかのようだったが、また調子が悪くなり一日中眠っているような状態になってしまった。

検査をして頂いたところ、なんと血糖値が400を超えているとか。

血糖値は正常時で高くて100くらい、糖尿病でも200を超えるとかなり高い方なのだそうだが、父の血糖値はそれを遥かに超えていた。

また貧血もひどく、ペースメーカーを入れた心臓には問題なかったが、弱っている原因は高い血糖値と貧血ではないかとお医者さんはおっしゃった。

そこで血糖値と貧血の治療のために入院することになった。

さっそく入院手続きのために病院へ行き、医師から父の詳しい状況とこれからの治療についてのお話を聞いた。

血糖値は持病の糖尿病のせいで上がっているそうで、今後は必要ならばインシュリンも使って血糖値のコントロールをしていくとのことだった。

また貧血については、かなり状況が進んでいるため輸血をすることになった。

そして最後に医師から、父が万が一の時になった場合、心臓マッサージや電気ショックなどの延命処置をするか?ということを聞かれた。

心臓マッサージも電気ショックも、父の場合は家族が病院に駆け付けるまで命を少しでも長らえておく為の処置になるということだった。

身体がのけぞるような電気ショックは受けさせる気はなかった。

母の最期に電気ショックをしてもらったが、あれはなんだか母がとても可哀相だった。
(電気ショックが有効な方も、もちろんいるのでしょうが・・・)

また心臓マッサージは私も習いにいたことがあるが、患者の胸が沈むくらい強い力で押し続けるため、高齢者であれば肋骨を折ることも珍しくないそうだ。

家族が来るのを待つためだけに父に苦しい思いはさせたくなかった。

だから、電気ショックや心臓マッサージなどの治療はしないということを医師に伝えた。
これは妹も同じ意見だった。

できれば父には苦しむことなく眠るように逝ってほしい。

ペースメーカーを入れる直前、脈拍が30ほどに下がって危険な状態になったとき、父はまるで眠っているかのように穏やかだった。

医師もおっしゃっていたが、ペースメーカーを入れなければ、あのまま亡くなっていただろうと思う。

もしかしたらあれが父の寿命だったのだろうか。

すこしだけ伸ばしてもらった寿命ならば、残りは父の好きなことに使ってあげたい。

「残りの人生はお父さんの好きだったことをしてあげたいね」と妹とも話をしたが、はて父の好きなことと言ったら?と考えた。

昔は囲碁など好きだったが、今は誘ってもやろうとしないと高齢者住宅の職員さんが教えてくれた。

ところが「御飯ですよ」と声をかけるとパッと目を開け、自ら箸を持って介助なしに一人でほとんどの食事を完食するのだそうだ。

「食べることが好きなんですね~」と職員さんに言われたことを思い出した。

血糖値が高いので今までのように甘いものはあまり食べさせられないのではないかと思い、医師に相談したら「血糖値は薬でコントロールしますから、退院したら甘いものを食べさせていいです」とのことだった。

薬を使って血糖値を抑えながらも甘いものを食べるなんて、とても矛盾しているが、父は高齢なので治すというより延命させる治療になっている。

病室に戻ると父はベッドの中でウトウトしていた。

ベッドの頭の部分が上がっていて、このまま眠るには高いように思えたので、父の耳元で「(頭)さげる?」と大きな声で聞いたところ、父のつぶっていた目がパッと開き「たべる!」と答えた。

もう笑うしかなかった。

「さげる」と「たべる」を聞き間違うなんて、まだまだ父は大丈夫だと思った。







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