長男が赤ちゃんだった頃、たしか月齢が4ヶ月くらいの時だったが、ベビーベッドに寝かせていたら、突然手足をばたつかせてキャッキャッと笑い始めた事があった。
何を見て笑っているのだろうと、長男の視線の先を見たのだけど何も変わったことはなく、こちらを向かせようと名前を呼びながら長男の目の前に顔を出してみたり手を振ってみたりした。
ところがいつもならこちらを見るのに、その時はまるでダメで、見えない何かに夢中になって笑っていた。
長男の視線は私を通り越して天井の一点をじっと見つめたまま、まるで誰かにあやされているかのように実に楽しそうに笑っていたのが不思議だった。
この時は、私の亡くなった母が初孫に会いに来てくれたのかもしれないと勝手に解釈したのだけど、後で調べてみると、このように誰もいない方を見て笑うことは、赤ちゃんにはよくあることだそうだ。
生後3〜4ヵ月くらいまでの赤ちゃんは、大人には見えていない細かな変化が見えるらしい。
生後3か月から4か月の乳児にだけ見えるが、5か月以降になると見えなくなる特別な世界があることが中央大と日本女子大、東京大の共同研究でわかった。世界で初めての発見だという。
米科学誌「カレント・バイオロジー」(電子版)の2015年12月3日号に発表された。
大人は物を見る角度や照明が多少変わっても、細かな変化を無視する能力が備わっているが、生後3〜4ヶ月くらいまでの赤ちゃんは、見えるものすべてを認識するため、大人が脳内で捨て去っているような微妙な部屋の変化、例えば部屋の明るさとか影とかに反応して笑ったとも考えられるそうだ。
ただ下の二人の子はそういう事が無かったので、すべての赤ちゃんがそうするというわけではないと思うが、、、
もう29年も前のことで記憶も薄れていたが、先日の長男の結婚式でまた思い出すことになった。
それは長男の結婚式で、最後に長男が挨拶をした時のことだった。
突然、私の左隣に誰かが立った。
「誰か」というと人物を想像するが、人の形ではなくて光のかたまりという感じで、私たち家族と一緒に新郎新婦を見ているように思えた。
すると、しばらく一緒に長男の挨拶を聴いていたその光から、長男夫婦を祝福するかのような温かい想いが伝わってきた。
その想いを感じ取った時に、それが29年前に長男を見に来てくれたものと同じだと理解した。
なぜそうだと思ったのかと言われても自分では分からない。
ただ当時、それが亡き母だと思ったのは、私の思い違いだったという事もわかった。
ぜんぜん別の人、私も長男も知らない人。これまでずっと長男を見てくれていたのだろうか。
そしてもしかしたら誰もが生まれてくる時に、ガイドさんのような役割の人が付いてくるのだろうか?
赤ちゃんだった頃には見えていたのに、大きくなるにつれて見えなくなっていったのだろうか。
う~ん、よくわからない(汗)
ただ赤ちゃんが誰もいない方を向いて笑うのは、見えない誰かにあやされているとは限らず、先にも書いたが、大人には見えていない明かりや影などに反応している場合もあるということなので、若いお母さんは決して怖がらなくても大丈夫だと思う。
結婚式場の窓から見えた風景。
森の中にあるとても素敵な場所だった。