ミーロの日記

日々の出来事をつれづれなるままに書き綴っています。

ごはんの匂い

2021-08-14 18:25:10 | 日記

今朝7時過ぎに、干しておいた洗濯物を片付けようと、和室に入った途端、ふわっとご飯を炊く匂いがした。

いい匂いだなぁ。

この部屋で嗅ぐご飯の香りが、とても懐かしくて思わず鼻をくんくんさせた。

義母が生きていた頃、義母は毎朝お釜でご飯を炊いていた。

その香りが、いつも義父母たちの部屋の隣にある和室にまで漂っていた。

そんなご飯を炊く匂いが和室でしなくなってから、もうずいぶん経つ。

義父が亡くなって一人になっても、仏壇に供えるために義母は毎朝ご飯を炊いていた。

しかしそれも施設に入所するまでだから、ご飯の匂いしなくなって三年くらいだろうか。

義父母と暮らしていた時は思ってもいなかったが、義父母が居なくなってみると、やはり懐かしさがこみ上げる。

ところで、どこからこの匂いが漂ってきたのだろう。

家中の窓は全部閉めているし、仮に開いていたとしても、ご近所の家のご飯を炊く匂いが漂ってくることは、今まで一度も無い。

また今日は土曜日で、いつもお弁当を持っていく長女と次女が休みの為、我が家はご飯を炊いていなかった。

だから家の中でご飯を炊く匂いがするのは、とても不思議だった。

ちょうど起きたばかりの夫が寝室で身支度をする音が聞こえたので、夫にもこの香りを確かめてもらおうと呼びに行った。

「和室でご飯を炊く匂いがするんだけど、確かめてくれる?」

そう言うと、夫はすぐに和室へ行って鼻をくんくんさせた。

「べつに匂いはしないけど」と夫。

そんな筈はないと、私も一緒に鼻をくんくんさせたが、つい今までしていたご飯を炊く匂いがまったく消えている。

「変だなぁ。今までしていたのに」と言うと、夫は隣の部屋、つまり義母が生前いつもご飯を炊いていた場所まで行って匂いをかんだが、やはり匂いはしなかった。

こうして匂いの元を辿りながら、義母が来ているのかなと思っていた。

今はもう義父母の部屋は、夫の部屋としてすっかり模様替えして、義母がいつもご飯を炊いていたガス台も無いが、義父母が生前と同じように、朝ごはんの支度をしている様子が目に浮かんだ。

私たちの目には見えないが、義父母たちが暮らしていた部屋が重なって存在しているように思えた。

ところで調べてみると、このように何も匂いの元がないのに香りがしてくることを芳香現象というのだとか。

私は前にも一度経験している。

それは今からもう30年以上前で、母が亡くなってしばらく経った頃のこと。

夜一人で母のことを考えていたら、急に周囲にお線香の香りが立ち始めた。

とても良い香りだった。

その時も今回と同じく匂いの元を探したが、窓は開いておらず、部屋の中には一本のお線香も無かった。

でも、母がそばに来ているんだと嬉しかった記憶がある。

なんとも不思議ではあるけれど、義父母がお盆でちゃんと帰ってきているんだと思うとやはり嬉しい。

ゆっくり楽しんでいってほしいと思う。

 

 


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