言語空間+備忘録

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私が司法修習生の給費制に反対する理由

2011-10-26 | 日記
 司法修習生に給費(給与)を支給すべきか否かについて、(私の)意見を明確にしろ、という指摘を受けました。いい機会だと思いますので、私の意見を簡潔に述べます。


 私が給費制(給与支給制)に反対する最大の理由は、なんといっても、やはり
なぜ、民間の事業者(自営業者)である弁護士を、国のお金で養成しなければならないのか
という疑問を感じていることです。

 司法修習生は「実質的には」学生ですが、修習生のうち、裁判官や検察官になる人々については、給与を支給することに問題はないと思います。これらの人々に対する支給は、たとえば防衛医大が授業料を徴収せず、給与を支給していることと同様に、「認められる」と思います。

 ここで私のいう「認められる」とは、給与支給等を行う必要はないが、給与支給を行ってもよい(認めてもよい) 、という意味です。



 しかしながら、弁護士になる人々については、給与を支給することに「どうしても疑問を感じてしまう」のです。

 弁護士の活動には公益性があり、(修習生に)給与を支給することに問題はない、といった考えかたも「あり得る」とは思います。実際に、「金儲け」ではなく、「公益」を第一に考えて活動している弁護士さんもいらっしゃることと思います。

 しかし、残念なことに、その逆の弁護士さんもいらっしゃるのです。「金儲け」または「自分の収入」に関心がいってしまう弁護士さんです。弁護士が金儲けしてはならない、であるとか、弁護士が自分の収入を気にしてはならない、とまでは言いません。けれども、たとえば「あそこの弁理士は~~億稼いでいる。俺ももっとがんばらなければ」といった考えかたをされる弁護士さんもいらっしゃるわけです。私に対して、このように言った弁護士さんが現にいるのです。

 「おかしい」と思いませんか? 国費で養成してもらっておきながら、しかも国から給与を受け取りつつ勉強させてもらっておきながら、上記のようなことを言った弁護士さんがいるのです。単位は「億」ですよ! 億!

 私の気持ちとしては、「こんなにたくさん収入はいらない。自分がゆとりをもって生活できるレベルの収入は得た。もう十分だ。これからは、国民のため、社会のために、お金にならない仕事をたくさんしよう」と思ってほしいわけです。



 弁護士も自営業である以上、「金儲け」をするな、とまでは言いません。しかし、自営業者である弁護士を、なぜ、国のお金で養成しなければならないのか、なぜ、弁護士になろうとしている司法修習生に、給与まで支払わなければならないのか、という疑問は、どうしても感じるのです。



 私は、司法修習生に対する給費制(給与支給制)維持を主張されている弁護士さんや、司法修習生の主張(根拠)を「私なりに」考えてみましたが、それらは「根拠にならない」というか「根拠として弱い」と(私は)思います。私がなぜ「根拠にならない」または「根拠として弱い」と考えるのかは、文末に記載している関連記事をお読みください。



 なお、私は最初、このブログで給費制維持を主張していました。いままで支給されていたものが「なくなる」と、修習生が「かわいそう」だと思ったからです。私は「なにがなんでも給費制反対・貸与制移行」だと考えているわけではありません。異論・反論も歓迎しています。なにかあれば、ぜひコメント欄に書き込んでください。もちろん批判も歓迎します。

 ただし、私の「意見を変えさせよう」であるとか、「意見を変えないならブログの読者にブログ主の意見は『おかしい』と思わせよう」といった意図にもとづくコメント、すなわち「「特殊な目的」を伴うコメント」はお断りします。これは利害関係をもつ人はコメントするな、ということではありません。あまりに執拗に、延々と「特殊な目的」でコメントを書き続けることはやめてください、ということです。

 なお、当ブログは「コメントの事後承認方式」を採用しています。「特殊な目的」を伴うコメントは削除します。



■関連記事
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