真佐美 ジュン

昭和40年代、手塚治虫先生との思い出「http://mcsammy.fc2web.com」の制作メモ&「日々の日誌」

千夜一夜物語 マスコミの取り上げその1

2006年11月29日 16時38分21秒 | 虫プロ千夜一夜物語
「千夜一夜物語」はマスコミにも取り上げられました。

キネマ旬報  6月15日
「ルポルタージュ『千夜一夜物語』の映画的冒険 岡本博 黒井和夫
 手塚氏の話は壮大であった。彼は言った。「これからのアニメはマンガではなくなる。ミュージカルのような、綜合的なものになる」彼の夢は際限なく広がるようであった。
日劇のような大劇場の舞台そのものをアニメーション化することについて、楽しそうに話すのである。しこでは、ダンサーたちと舞台いっぱいに描かれて動くアニメーションとが、混然と一体化されて一つの夢のような未来のアニメーションの姿は、必ずしもただの空想ではないところに、魅力が会った。
 本格的に製作がスタートしたのが昨年の十月。そしてプリント完成につづく上映スタートは六月十四日ときまっている。
かくして、現在の虫プロのスタジオと日本ヘラルド映画の周辺には、「千夜一夜物語」追いこみ作業のラッシュが始まっているのである。
 あの、東京オリンピックをギリギリで成立させ、今またEXPO’70をギリギリで目前にスタートさせようとしている、日本独特の、猛烈なラスト・スパートに賭ける、モノ作りシステムの一種ファナティックな熱気が、ここでもムンムンと、胎動をはじめているのである。

サンデー毎日 6月15日
「ある日のプライバシー!・いいアイディアはキリキリ舞いのなかから」
 朝も、昼も、夜もない人がここにいた。二十三時間ぐらいぶっ続けで働きまわると、さすがにくたびれるので二時間ぐらい眠り、目ざめると、それが午後であったり、朝であったり、そしてまた仕事にとりかかるという具合。「ま、いまは異常事態というわけですが、どちらかといえばキリキリ舞いしてるほうがいいアイディアがわくほうで・・・・・」
 異常事態というのは、〝動く浮世絵〟と銘打って製作中の大人のマンガ「千夜一夜物語」の追い込み。6月11日のプレミア・ショー、14日の一般公開を前に、虫プロは夜を日についでの決戦である。だのに、制作責任者には、そのほかの雑誌の連載マンガ十数誌がある。キリキリ舞いはそれに輪をかける事になる。

この文章を読んで、スタッフはうらやましく思った、23時間仕事をすれば2時間も眠れた人が居たんだ、目覚めるとそれが午後であったり、朝であったり、そんな長く寝ていたらスケジュールが間に合わなかったよ。
 多分記事を書いた人は取材はしたけれど、実態は掴んでいなかったんだと思う、これでも大袈裟ではないか、と思って書いたんだと思うが、現実はもっと地獄。

アサヒ芸能 6月26日
「不思議な博士・手塚治虫の千日千夜ーー世界初のアニメラマを製作した超モーレツ漫画家」 レポーター田中小実昌(作家)
 これだけではない。手塚さんには、虫プロ以外の、マンガ家個人としての仕事がある。週刊誌2本、月間8本、ほかに単発で今月は2本。これが、どれだけの仕事の量と質かは、ちょっと想像もつかないが、モーレツみたいな程度でないことはたしかだ。
手塚治虫の発言 (台湾に行った時のお話 18禁?で省略)

実際にはどのようなものを書いておられたのか調べてみました。
月日は発売された月日ですので、実際には前の月や前の週に書き上げております。
 2月  地球を呑む  ビッグコミック 小学館 連載
 2月   ブルンガ1世   冒険王 秋田書店 連載
 2月   ガムガムパンチ   小学一年生 小学館 連載
 2月   火の鳥 ヤマト編最終回  COM 虫プロ商事 連載
 2月   バンパイヤ  第2部   少年ブック 集英社 連載
 2月   フォアカード      話の特集 話の特集社
 2月   異法人   漫画讀本 文藝春秋
 2月02日 日  鬼丸大将   週刊少年キング 少年画報社
 2月05日 水  上を下へのジレッタ   漫画サンデー 実業之日本社
 2月09日 日  鬼丸大将   週刊少年キング 少年画報社
 2月12日 水  上を下へのジレッタ   漫画サンデー 実業之日本社
 2月16日 日  鬼丸大将   週刊少年キング 少年画報社
 2月19日 水  上を下へのジレッタ   漫画サンデー 実業之日本社
 2月23日 日  鬼丸大将   週刊少年キング 少年画報社
 2月26日 水  上を下へのジレッタ   漫画サンデー 実業之日本社
 2月27日   大学を幼稚園にするである!!少年ジャンプ 集英社
 2月28日   鉄腕アトム アトム今昔物  産経新聞 サンケイ新聞社終了
3月     地球を呑む   ビッグコミック 小学館 連載
 3月     ブルンガ1世     連載終了  冒険王 秋田書店 連載
 3月     ガムガムパンチ   小学一年生 小学館 連載
 3月     バンパイヤ  第2部  少年ブック 集英社 連載
 3月     フォアカード         話の特集 話の特集社 連載
 3月     鉄腕アトム   アトムの初恋  ビッグコミック 小学館 読切
 3月     火の鳥 宇宙編   7月まで  COM 虫プロ商事 連載
 3月02日 日  鬼丸大将  週刊少年キング 少年画報社 連載
 3月05日 水  上を下へのジレッタ  漫画サンデー 実業之日本社 連載
 3月09日 日  鬼丸大将  週刊少年キング 少年画報社 連載
 3月10日 月  空気の底 4 グランド・メサの決闘  プレイコミック 秋田書店
 3月12日 水  上を下へのジレッタ  漫画サンデー 実業之日本社 連載
 3月16日 日  鬼丸大将  週刊少年キング 少年画報社 連載
 3月19日 水  上を下へのジレッタ  漫画サンデー 実業之日本社 連載
 3月23日 日  鬼丸大将  週刊少年キング 少年画報社 連載
 3月26日 水  上を下へのジレッタ  漫画サンデー 実業之日本社 連載
 3月30日 日  鬼丸大将   週刊少年キング 少年画報社 連載
 3月30日 日  0次元の丘  週刊少年サンデー 小学館
 4月     地球を呑む   ビッグコミック 小学館 連載
 4月     ガムガムパンチ  小学二年生 小学館 連載
 4月     バンパイヤ  第2部    最終回  少年ブック 集英社 連載
 4月     フォアカード       話の特集 話の特集社 連載
 4月     火の鳥 宇宙編  COM 虫プロ商事 連載
 4月     ぽっかち    9月まで  小学一年生 小学館 連載
 4月02日 水  上を下へのジレッタ  漫画サンデー 実業之日本社 連載
 4月06日 日  鬼丸大将  週刊少年キング 少年画報社 連載
 4月09日 水  上を下へのジレッタ  漫画サンデー 実業之日本社 連載
 4月13日 日  鬼丸大将  週刊少年キング 少年画報社 連載
 4月16日 水  上を下へのジレッタ  漫画サンデー 実業之日本社 連載
 4月20日 日  鬼丸大将  週刊少年キング 少年画報社 連載
 4月23日 水  上を下へのジレッタ  漫画サンデー 実業之日本社 連載
 4月27日 日  鬼丸大将  週刊少年キング 少年画報社 連載
 4月30日 水  上を下へのジレッタ  漫画サンデー 実業之日本社 連載
 5月     地球を呑む  ビッグコミック 小学館 連載
 5月     ガムガムパンチ  小学二年生 小学館 連載
 5月     フォアカード      話の特集 話の特集社 連載
 5月     火の鳥 宇宙編  COM 虫プロ商事 連載
 5月     ぽっかち  小学一年生 小学館 連載
 5月     緑の果て  ファニー創刊号 虫プロ商事 読切
 5月04日 日  鬼丸大将  週刊少年キング 少年画報社 連載
 5月07日 水  上を下へのジレッタ  漫画サンデー 実業之日本社 連載
 5月11日 日  鬼丸大将  週刊少年キング 少年画報社 連載
 5月14日 水  上を下へのジレッタ  漫画サンデー 実業之日本社 連載
 5月18日 日  鬼丸大将  週刊少年キング 少年画報社 連載
 5月21日 水  上を下へのジレッタ  漫画サンデー 実業之日本社 連載
 5月25日 日  鬼丸大将  週刊少年キング 少年画報社 連載
 5月28日 水  上を下へのジレッタ  漫画サンデー 実業之日本社 連載
 6月   地球を呑む   ビッグコミック 小学館 連載
 6月   ガムガムパンチ  小学二年生 小学館 連載
 6月   フォアカード   話の特集 話の特集社 連載
 6月   火の鳥 宇宙編   COM 虫プロ商事 連載
 6月   ぽっかち   小学一年生 小学館 連載
 6月01日 日  鬼丸大将  週刊少年キング 少年画報社 連載
 6月04日 水  上を下へのジレッタ  漫画サンデー 実業之日本社 連載
 6月08日 日  鬼丸大将  週刊少年キング 少年画報社 連載
 6月10日 火  空気の底 5 うろこが崎  プレイコミック 秋田書店 読切
 6月11日 水  上を下へのジレッタ  漫画サンデー 実業之日本社 連載
 6月15日 日  鬼丸大将  週刊少年キング 少年画報社 連載
 6月18日 水  上を下へのジレッタ  漫画サンデー 実業之日本社 連載
 6月22日 日  鬼丸大将  週刊少年キング 少年画報社 連載
 6月25日 水  上を下へのジレッタ  漫画サンデー 実業之日本社 連載
 6月29日 日  鬼丸大将   最終回  週刊少年キング 少年画報社 連載
以上6月までを調べてみました。週刊誌を減らすわけにはいかなかったようです。毎週締め切りが来るわけですが、2本も持っていたのは大変なことです、飛び込みの仕事はできなかったことが伺えますね。
他に社長としての雑務やこのようなマスコミの取材などあったので超大変であったことがわかりますね。
コメント
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