真佐美 ジュン

昭和40年代、手塚治虫先生との思い出「http://mcsammy.fc2web.com」の制作メモ&「日々の日誌」

悟空の大冒険 ロ

2006年10月08日 18時31分01秒 | 虫プロ悟空の大冒険
暴れ者の石猿孫悟空は、斉天大聖となるが、天で大暴れして山に閉じ込められる、猿というよりガキ大将としてえがかれるが、声優は石毛和子さんが担当した。
悟空の相方ヒロインの竜子には その後「新ルパン三世」で峰不二子を担当した 増山江威子さんが担当した。
閉じ込められた悟空を救う学識高い高僧の三蔵法師は、なんとな「お釜さん」ぽい、頼りない存在として描かれている。声は当時はやっていた「0011 ナポレオンソロ」というテレビ番組のイリア クリアキンの声を担当して人気のあった 野沢 那智さんを起用した、野沢さんは後の「どろろ」で百鬼丸を担当する、 また後の「クレオパトラ」では オクタビアス シーザーを担当し、日ごろはニヒルだが実はホモであるという役を見事に演じたのには、悟空で三蔵法師をえんじたことによるのではないかと、その因縁を感じる。
宝の地図を何枚も袋のなかに持っていて、宝探しをしている沙悟浄に愛川欽也さん、
食べ物には目がない八戒に 滝口順平さん、と今ではたいへん贅沢なといわれる豪華な顔ぶれを使っていた。
 次から次へと繰り出すギャグは、そのセンスがまだ受け入れられず、早すぎた感があった。
また「どっちもどっちのまき」ではミュージカル・アニメを試みている。
ギャグのひとつひとつ、お話の1話1話が実験的アニメの要素も多く、この「悟空の大冒険」はまだ早すぎた、と今になって言えるのではないだろうか。
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悟空の大冒険 イ

2006年10月07日 18時28分28秒 | 虫プロ悟空の大冒険
昭和42年1月7日 「悟空の大冒険」がフジテレビで放映開始された。
虫プロでの初のギャグアニメであった。
というよりジャングルの流れを汲み、パイロットのときとは違い、手塚治虫の手を離れていった。
スタジオは第五スタジオ 
プロデューサーは川端 栄一部長、実作業はアシスタントプロデューサーの、富岡厚司さんが取り仕切った。
ディレクターは杉井義三郎さんで作業をしやすく(描きやすく)するためキャラクターも杉井義三郎さんのデザインとなった。
元虫プロ社員杉井義三郎さんが立ち上げたスタジオ 「アートフレッシュ」が五スタの近くにあり、制作には杉井義三郎さんを含めて全面的な協力を得た。
原作はもちろん手塚治虫の「ぼくのそんごくう」である、
この「ぼくのそんごくう」は一度東映動画の「西遊記」で長編アニメとなっていた、が、この「悟空の大冒険」は完全なテレビオリジナルな作品に仕上がっていた。
 原作となる「西遊記」は中国の奇書といわれているが、この「悟空の大冒険」は、そのパロディー版で登場人物以外宗教的なものを一切感じさせないギャグストーリーとなっている。
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悟空の大冒険

2006年09月21日 14時25分36秒 | 虫プロ悟空の大冒険
第5スタジオでは「ぼくの孫悟空」のパイロットフィルムの制作が始まっていた。チーフディレクターに杉井 儀三郎、制作担当が、手塚先生の連絡役をしていた、富岡 厚司さん、演出には出崎 統さん、作画は山本 繁さん、や吉川 惣司さんと、近くのスタジオアートフレッシュが全面的に協力していた。
5月には完成 次の虫プロの放送予定として題名が「孫悟空がはじまるよー 黄風大王の巻」として6月12日の 虫プロ友の会の映画大会で上映し、アンケートをとった。
 その後も東京都内の小学校で試写会を開き、やはりアンケートをとった。その結果は「キャラクターがおとなし過ぎて優等生だ」と言う意見が多いと、手塚先生に報告された。
しかし、子供がそんな難しい意見を筈があるであろうか、疑問が残る。「手塚が口出しするとスケジュールが遅れてしまう」これはもう、うえの者といわれる人たちの恐怖にさえなっていた。だから、「手塚治虫先生の口出しを封印する、」複線であったのだ、(言い切っていいのであろうか?)手塚先生は気づかなかった。

 そして、放送に向けては、手塚先生のキャラクターではない2頭身の悟空のキャラでタイトルも「悟空の大冒険」と替えて、プロデューサー 川端 栄一さんで準備が始まっていった。
 このキャラクターを見た私たちは、ずいぶんと、東映動画的なキャラクターだなぁと思った。
それは、アニメーターにとって、手塚治虫先生の丸みを帯びた、キャラクターより、数段、角ばったキャラクターのほうが、作画にとって、やりやすいからであり。東映動画もそうであったが。あの、ディズニープロでさえ、角ばったキャラクターになってしまった。
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