真佐美 ジュン

昭和40年代、手塚治虫先生との思い出「http://mcsammy.fc2web.com」の制作メモ&「日々の日誌」

千夜一夜物語 3

2006年11月16日 23時09分37秒 | 虫プロ千夜一夜物語
 手塚先生は、大人のためのアニメに、最初は、ゲーテの「ファウスト」を企画した、ファーストは手塚先生が常々アニメ化したい、といっていた作品でもあり、昭和25年1月15日には、不二書房から、単行本を出版している(昭和24年に執筆している)
内容は、高慢な悪魔メフィストに、神が学者のファウストを地獄に引っ張りこめるかと持ちかける。黒犬に化けたメフィストは、ファウストから「満足した」と言ったら地獄へ落ちても良いと、約束を取り付け、ファウストを若返らせる。 神は天使をお姫様に生まれ変わらせ、ファウストを守らせる、波乱万丈な経験をして満足したファウストをメフィストは地獄へ誘うが、天使が阻止いて天国へと向かう。

このようなお話で、ゲーテの「ファウスト」を、自由に脚色した作品であったが、その後の作品やアニメにも、少なからず影響を受けた、この、「ファウスト」であった。(リボンの騎士の神様などや、ふしぎなメルモで複数の神様がいる)

 しかし昭和42年エリザベステーラー主演の映画「ファウスト 悪のたしなみ」が公開された。このことが「ファウスト」の企画を中止させることになった。

 出版界では,原色百科辞典や、日本の歴史、世界文学全集、など、毎月発売される本が流行っていた。(月ぎめで虫プロ出入りの本屋さんに注文していたが、本代だけで、給料日に集金に来た本屋さんに半分は持っていかれてしまった。)
 この頃、「千夜一夜物語」の本も、毎月出版され始めていた。その読みかけを机に置き忘れていたのが、手塚先生の目にふれた。
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