演劇書き込み寺

「貧乏な地方劇団のための演劇講座」とか「高橋くんの照明覚書」など、過去に書いたものと雑記を載せてます。

成井豊のワークショップ

2009年04月01日 21時35分02秒 | 成井豊のワークショップをこう読む

役者向きのテキストをそんなに何冊も読んだことがあるわけではないが、分かりやすく、役者以外の社会人のテキストとしても適しているのが「成井豊のワークショップ」(演劇ブック社)だ。
これについてはホームページで説明しようと思って書きかけた文章がある。
以下はその文章。

2000年12月に「貧乏な地方劇団のための演劇講座-実践編」を書き始めた頃、この本(「成井豊のワークショップ」)は出版されていた。(2000年3月)そのころ本屋で見かけたきもするが、実際に購入したのは2001年の9月である。それからぽつぽつと"「成井豊のワークショップ」を読む"という題名で自分なりに感じたことを書き始めた。ところが、パソコンの操作ミスで書きためていたものがすべて消えてしまうというアクシデントが生じたため、"「成井豊のワークショップ」はこう読め"という形で書き直すことにした。
これを書くことしたのは、次のような理由だ。
1.人気作家なのでみんなが知っている。
2.元高校教師なので文章が分かりやすく、中味が実践的である。
3.私が書きたいと思っていたことが、さらに適切に表現されている。
4.しかし、アマチュアや中途半端なプロが真似をするにはカリキュラムが膨大すぎる。
5.そこで、私なりに整理してこの中から最低限の部分を取り上げてみることにした。

とにかく今の私は現場を持っていない。頭の中だけで考えるよりも、比較対照するものを見据えながら書く方が安全だろうという判断である。
注意は一つだけ、私の文章はあなたの脇に「成井豊のワークショップ」があることを前提に書いている。ぜひ新刊で購入して、読みながら対照していただきたい。
発行は演劇ブック社、発売は星雲社である。価格は税抜きで2000円。
演劇関係書はそんなに売れないものだ。ぜひ作者には多少なりとももうけてもらって、いい環境で新作を書いてもらいたいではないか。

はじめに
「はじめまして、成井豊です。」
なんとさわやかで、端的な出だしであろう。
この出だしだけでも、ただ者ではない作者の才能が伺えるのである。芸能界というところは挨拶が大事だそうだ。プロの劇団ももちろん同じだろう。プロを志す人間にまず自分が手本を示す。それも簡潔にして的確に。さすがというほかない。
そう、この「はじめに」にはこの本はプロの役者になりたい意志と覚悟のある人のために、書かれたのだということが書かれている。
この章のサブタイトルは次のようなものである。
・プロの役者になりたい人へ
・ワークショップの目標
キャラメルボックスの新人練習
・「演技しない演技」とは
・「心を動かす」ということ
・「意志と覚悟」を持て
これを要約する次のようになる。
ワークショップの目的は「感情解放」ができるようになることで、「感情解放」とは自分の心が真っ白な状態で舞台にのぞめること、言い換えれば「演技しない演技」をすることである。ではどうすれば「感情解放」ができるようになるのかというと、恥を捨て、バカになることで、これが結果としてカッコよく見えるのだ。自分自身のかっこわるい部分をさらけだす「意志と覚悟」この二つを持つもののみが「感情解放」を成し遂げられる。

私だったらまず次の点を無視する。
1.プロのために書かれた本。
2.意志と覚悟が必要。
大多数のアマチュアにこんな覚悟があるはずがない。ただカッコよく見せたいという欲求があるだけなのだ。仕事もある、恋愛もしたい。ギャンブルや酒飲みだってしたいのだ。それでも時々舞台に立って人とは違うところも見せたい。もしあなたが私と同じならば、こんなものではないだろうか。
ただ、そこそこのことをしなければ、面白いと言ってもらえないことは薄々気が付いている。要はこの本の中から必要なところだけを吸収すればいいのだ。そうすれば、この本が単に「演劇」の練習本という意味を持つだけでなく「受験」や「就職試験」にも活用できるなかなかの優れ本であり、なおかつ読み物としても楽しめることが分かってもらえるはずである。
ナビゲーターは私である。さあ、気楽に次のショウに行こう。

とまあ、こんな感じです。
続きはトピを改めて書いていきます。


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