演劇書き込み寺

「貧乏な地方劇団のための演劇講座」とか「高橋くんの照明覚書」など、過去に書いたものと雑記を載せてます。

演出−1

2018年08月09日 01時53分57秒 | 演出
演出は演技指導とは違う。高校生の演出を見ていると、ここのところをよく間違えやすいようだ。
演出とは芝居全体をデッサンして、演出が描きたい世界を役者という絵の具で埋めていく作業と言ってもいいだろう。もっと簡単に言うならば、オーケストラで言う指揮者と演奏家の関係のようなものだ。脚本は作曲家によって書かれた楽譜にあたる。
指揮者が違えば、演奏が違ってくる。オーケストラと異なるのは、これに音響や照明という要素が加わってより複雑に観客の感性に訴えることにある。だから、音楽は、映像がない方が感動が大きいこともあるだろう。ライブに行ってがっかりしたことはないだろうか。
演劇は音楽と異なりDVDに収録されたものでは、部分しか感じることが出来ないので、こうした収録されたものを見ても、、劇場で見た時よりも感動が薄いと言える。

では、どう演出するのか。自分だったらどうするのか、を書いてみよう。

他の人との一番の違いは、ほとんど自分の書いた芝居しか演出していないことだろうか。自分が芝居を書くときは、自分が観たい芝居を書いているわけで、おぼろげながら、観たい世界が見えている。だから、演出はそんなに苦労しない。では、他人の作品を演出するときはどうするのか。
脚本をもう一度頭の中で組み立てなおして、自分の作品に作り変えるようにしていく。
これは、簡単なようでいて意外と出来ない。演出未経験者は、作品の本来の意味の解釈を重視しがちだ。これは、脚本を読んだ時に、どう解釈したらいいのかと、セリフの意味を求める役者たちに正確に答えようとする演出が陥りやすいわなとも言える。

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