身体訓練 1.マラソン
ここでは、プロの役者には学芸会とは違うのだから持久力があって、柔軟な体作りが必要だということが書かれている。しごくごもっともな意見であり異論は何もない。
成井豊の個人的なエピソードも書かれていて、ほほえましい。読み物として楽しめばいいだろう。
ただ、走ること一つとっても実際に自分でやろうとするとなかなか出来ないものだ。
開演前の劇場を走っている有馬稲子さんの話がエピソードとして載っているが、実は私も同じような光景を目撃している。パルコ劇場で山口小夜子さん主演のパフォーマンスを手伝った時、開演前の劇場の中を小夜子さんは走っていた。主役を張る人というものはこんなものかなと感心させられたものである。
日常の中では走ることは少ないので、脚力に自身のない人はまず、自転車に乗ることをおすすめする。膝への負担が少ないことと、通勤通学も訓練に成るからである。
私の通勤の途中で、毎朝走っている人がいる。真冬でもランニングシャツにナップザックをしょって走っている姿を見ると、感心させられる。工場に入っていくので、走って通勤しているのだ。だが、同時にあの後仕事になるのだろうかとも思ってしまう。日常訓練すれば平気なのだろうか。
私の職場は自宅から17km、とても走る気にはとてもなれない。普段の通勤はスクーターである。たまに、自転車で行くことがあるが、片道1時間10分かかる。2日続けると疲労がたまるので、毎日続けるのはとても無理だ。もっとも20代の頃は公演前に時々10kmくらい走っていた。
それと、走ることと自転車では、体のバランス感覚が違うので、自転車は持久力に関わる筋力を向上させることしか出来ない。舞台で走ることはあっても、自転車に乗ることはまずない。やはり走ることは重要である。
もうひとつきれいに走ることを意識してみてもらいたい。役者は自分の体を見せるのが本領である。きれいにこしたことはないと、私は思う。
ところで、この章の最後で成井豊は「とにかく走れ!走ることで体力をつけ、精神力を鍛えろ!」と書いている。「精神力を鍛えろ!」というのはいきなりのセリフで、その前にも説明はない。どういう意味なのだろう。そんなに難しい謎ではないとおもうが、成井豊はなかなか謎の出し方もうまい。
追記
これを書いた2年後に、自転車通勤を開始。年間の半分ぐらいを自転車で通勤している。通勤にかかる時間も55分ぐらいになった。さらに、2008年からは週に1~2度、ジムのランニングマシンで3km~4km走るようにしている。
自転車で今まで最高に走ったのは1日で268km。
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