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ロンドンから徒然に

屋内→屋外→屋内→

2010-07-24 | スポーツ
 昔初めてダブリンに行ったのは夏のことでした。大酒飲みの地元の友人に連れていってもらった歓楽街は、道路にまで人が溢れ、遅くまで賑やかでした。
 ところがその次に訪れた翌年の冬、仕事が終わって同じ場所に繰り出すと、まるで別の場所かと思われるくらい閑散として、一瞬道を間違えたのかなと思ったほどでした。

 ロンドンはそこまでの差はないですが、やはり夏の夜の週末ともなると、パブの外では幾つもの輪が出来て会話が弾んでいます。もっとも、外に人が溢れているのは、昔と違い中でタバコを吸うことができないという事情もあってのことだと思いますが。



 SOHOを歩いていたら、そんな環境の中にちょっと違和感のある風景が。店頭にはPING PONG PARLOURと書かれています。ビリヤードなら分かるけど、卓球とは。
 イギリス人にも卓球は受けるのかな?



 なんて思ったすぐその後に、よくよく考えてみると、卓球だって起源はイギリスなんですよね。
 英語ではもちろんping-pongとも言いますが、正式名称はtable tennis。文字通りテニスの代わりに生まれた屋内競技なんです。シャンパンのコルクをボールに、葉巻入れの蓋をラケットにして、食事の後に楽しんだといいます。

 それにしてもイギリスが起源のスポーツの何と多いこと(これについてはかつて一度書いたような気が)。もちろんテニスもそうですよね。
 ところがテニスの起源をさらに辿っていくと面白いことを発見しました。

 テニスのもとになったボール遊びのことを『ポーム』というと聞いたので、綴りを調べてみるとフランス語のpaumeらしく、そもそもle jeu de paumeという、11世紀以来のボール遊びがあったみたいです。
 ちなみにjeuは遊びとかゲームのことで、paumeは手のひらのことですから、おそらく手でボールを叩いていたんじゃないでしょうか(あくまで推測です)。

 ところでこの『ポーム』は屋内でのゲームでした。フランスの貴族が宮殿や教会で行っていたものを、イギリスの僧侶が持ち帰り、屋外のゲームとして楽しんだのがテニスのもとになったというのです。

 ということで、経緯を整理すると、屋内(ポーム)→屋外(テニス)→屋内(卓球)と来たわけです。
 さて、誰か今度は卓球を屋外競技として発展させて、新しいスポーツを発明してみませんか。

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