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ロンドンから徒然に

工事中のロンドンから

2012-02-13 | 日常
 今ロンドンの街を歩くとあちこちで工事中の看板が目立ちます。地下鉄駅や橋、公園の改装を始め、街並み全体の様相が変わってしまいそうなくらいの大々的なものまであります。
 既に1年以上をかけてのものが多いのですが、その殆どの終了予定が今年2012年。オリンピックの時期に照準を当てているんでしょうね。



 その肝心のオリンピックに対する熱がロンドンではあまり高くないというのは最近よく聞く話なんですが、これだけ色んな国からの移民が多い街ですから、きっと開催日が近づいてくればそれなりの盛り上がり方は見せるでしょう。
 きっと僕自身も日本人選手の姿をTVで見かけたら、特に馴染みのないスポーツでも応援してしまうんだろうな。

 ロンドンは普段から人種や国籍を超越して生活できる場所ではあるのですが、やはり海外で暮らす身としては、ふとした場面で日本人としてのアイデンティティを深く意識することもあります。それは時にはささやかな見栄だったりもするわけですが、例えば日本の製品の技術を褒められたりすることでもやはり嬉しいわけです。

 その意味でショックだったのが、ここに住み始めてすぐに電気街にTVを買いに行ったときのこと。同等の値段とスペックの製品の中から選ぼうとしたら、「それは●●●(某日本メーカー)だから画質が悪いのでやめといた方がいいよ」と言われ、韓国製品を薦められたんです。

 もちろんこれが真実かどうかは分かりません。販売のマージンとかが絡んでいるかもしれないですしね。ただ、それまで少なくとも家電の技術的には日本が絶対だというのは、世界中どこでも同じ認識だと思っていただけに、値段やデザインその他の付加的な要素とは違う根本のところで否定されたのがちょっと辛かった記憶として残っています。

 別にその象徴というわけでもないですが、ロンドンの繁華街ピカデリー・サーカスの有名な広告塔から昨年はSANYOが無くなって(昨年3月1日のブログ参照)、韓国のHyundaiがそれに代わっています。これで残る日本企業はTDKのみとなりました。



 もっとも、日本がこういった技術競争や売上競争で常に最先端にいるのがいいのか、それとも他の道があるのかはまた別の問題で、これはある意味人の生き方とも繋がるわけで、なかなか難しい問題ではあります。
 何を幸せと感じるかは人それぞれ価値観も違うことだし、結論もまた色々あるんでしょうが、とりあえずどういう道を選んでもそれが誇りと思える生き方だけはしたいですね。