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ロンドンから徒然に

Yayoi Kusama

2012-02-15 | アート
 最近年上のイギリス人の友人が、自分の親の時代も含めて昔話をしてくれたのですが、思った以上にこの国も保守的だったようで、特に女性はそのことによって色んな分野で苦しんだ様子が窺えました。
 でもきっと昔の日本なんてその比じゃなかったんでしょうね。

 1929年生まれの女性が、そういった時代にアートの世界に邁進するなんてことは随分とタフな生き方だったに違いないのですが、この人は初めから世界を標準に見据えて活動してきて、今また何回目かのブームを迎えているようにも感じます。

 テート・モダンで先週から草間彌生の展覧会、その名もずばり《Yayoi Kusama》が始まりました。
 次々と自分のスタイルを変えつつ、水彩、パステル、油彩、彫刻はもちろんのこと、美術以外にもファッション、映画、小説、詩集、そして例の“ハプニング”を始めとするイベントなど、様々な分野で活躍してきた彼女の才能を、かなりのスペースを取って展示しており、とても楽しめました。

 何と言っても象徴的な水玉と網模様はやはり印象的で、会場の外もほら下の写真の通り、ドットで埋め尽くされていました。




 こちらの人にも評判は上々みたいで、大体において好意的な評が多く、何よりもチケットを求める長い長い列が、その人気のほどを示しています。また、インタビュー・ビデオを見る人の顔には、作品のみならず、彼女自身の存在感に圧倒されている感じも見て取れました。

 先日のブログの続きじゃないですが、何もスポーツや電化製品ばかりでなく、世界に誇れる日本はこういった分野にもあるんですね。