英語・ダイエット・その他徒然なるままに

趣味の英語学習(TOEIC 970点)やダイエットの成功談など、色々書いていきます。

細かすぎますかね(3)

2015年08月13日 23時05分00秒 | 英語
今回のトピックの最後になります。最初に書いた疑問点の(2)です。おさらいしておきましょう。

You mention that you'll be in Baltimore for a week and since the show runs from the 22nd until the 25th, I am hoping that we could meet on after the show is over.
(出典:TOEIC Test プラス・マガジン 2007年7月号)

このセンテンスにおけるmeet onのonは何者なのか?meetだけでも良さげだけどonが無いとまずいのか?という疑問でした。

結論からいうと、明確な答えは分かっていません。自身の浅学非才を恥じるばかりです。しかし、色々調べてみた結果”たぶんこういう事だろうな”と思うところはあります。

まず、meetという単語なのですが、もちろん”会う”という意味なのですけれど、どういう”会い方”をするのかという点で色々と幅広い意味を持つ単語のようです。「初めて会う」「偶然会う」「待ち合わせる」「会合する」等々。このように幅広い意味・使い方ができる単語なので、ネイティブスピーカー達はこのmeetという単語を使う際には「どういう状況で会うのか」がはっきりと分かるように情報を付け足して使うことを好むそうです。単に "meet" だけでは少々宙ぶらりんな感じになるのでしょうか。

上の例文の場合、ビジネス上の会合であることは明白ではありますが、単に we could meet とした場合、字面だけをとらえてうがった見方をすれば、「ショーが終わった後、お互いに(いつでも)会える状態になれるといいね」というような意味に取れないこともありません。もちろん、上記のようなビジネスのメールのやり取りでお互いにそのような解釈をすることはあり得ないとは思いますが、”とりあえずどこかで一回、会合しましょう”という意味を明確にするために、前置詞のonを付けているのではないかと想像します。つまりこのonは、meet on Friday(金曜日に会う)というような場合のonと同じonではないかと思うのです。時間的な1点を表すon、ですね。

after以下の部分はある程度の時間の幅を持った期間を表していますが、この時間幅のうちの”どこか1点”で1回会おう、ということを明確に表現した形なのではないかと思うのです。なので、別にonが無くてもダメということではないと思いますが、あった方が1回キリのビジネス会合、というニュアンスがはっきりしてbetter、ということなのでしょう。

で、少し話題を変えますが、従位接続詞afterが導く節について、もしonが無ければ副詞節になりますが、onを上記のように考えた場合、after以下の部分は名詞節ということになりますね。だって、前置詞onの目的語なんですから。はい、ここで「おや?」と思えた方は、相当英文法を勉強なさっている方です。すばらしいです。名詞節を導く従位接続詞はthat, if, whetherの3つだけだ、という風に教わった経験のある方はいらっしゃいませんか?巷の文法書を見てもそういう書き方をしているものが結構あります(そう書いていないものもありますが)。しかし、もし上記の私の説が正しいとすると、その言い分はおかしくなりますよね?だって、上の従位接続詞afterは立派に名詞節(前置詞の目的語)を導いていますから。

以上で、今回取り上げた例文に関するお話は終わりたいと思います。明確な結論が必ずしも出せていないので申し訳ない部分はありますが、言いたかったのは、あんなに簡単そうに見える英文でもよく見てみると考えさせられる部分がある、ということです。「あの例文を見ただけでこれだけの事を論じるなんてできない」という方もいらっしゃると思いますが、それは、自分が知っている文法知識を実用レベルの英文の中で駆使する練習をしていないから、そう感じるのです。残念ながら英文法に関しても、教科書に書いてあることを全て覚えれば後は完璧、というわけにはいきません。何度も言っているように教科書自体が不完全なシロモノなのですから。そして、英文法の教科書には、”例文が簡単すぎる”という決定的な欠陥があるのですから。これらを補って、レベルの高い”文法的思考力”を身につけるためには、実用レベルの英文との格闘の中で知識を磨いていくしかないのです。数学の問題演習と同じですね。数学と違って、必ずしも万人が納得する結論が存在するとは限らないのが悲しいのですけど。