これは8月14日(月)に家族で行った、
我が故郷の山奥蛇喰(恐ろしい地名!)にある「盆城庵」です。
昔の地元の旧家を移築・復原した施設で、
格安値段で泊まれる町の文化遺産です。
裏に馬場目川が流れているので、
清流釣りの好きな義弟にも好都合な場所とあって、
甥っ子たちが小さい頃は、お盆休みに東京からやってきた妹家族が宿泊し、
私たちも夕飯に招待されたものでした。
義弟の釣り上げてきた山女を中心に、
料理上手な妹の手料理が並び、
囲炉裏を囲んで食べる夕飯の美味しかったこと。
今回は、その頃を懐かしんで、外でサンドウィッチを食べ、
「マタギ」と言う映画のロケ地になった北ノ又の萱葺き集落(もっと遠いかと思ったら、すぐ近くだった!)を見、
その後大冒険をしてきました。
北ノ又から秋田市の太平山につながる古い林道があるはずだということを聞いていたので、
私の車で行ってみようということになったのです。
最初のうちは舗装だったのが、
草の間に轍の後が残る土の道になり、
道幅が狭くなり、少々先行きに不安が…。
それでも、轍があるということは車が通行したことを物語っているので、
私は前進あるのみと強引に運転していきました。
小道に生えた草丈が次第に高くなり、
落石や倒木が多くなり、
車の底が地面に何度もぶつかり、
木々は車の側面を擦るほど茂り、
最近車が通った形跡がどんどん薄くなっていきました。
遂に大きな岩が道の両側を塞いでいる所(頑張ってすり抜けてはみたんですよ!)で、
危険すぎると言う声に押され、あえなくUターンを決意しましたが、
未だにあの後にどんな道が待っていたのか、気になってしょうがありません。
*今日のおまけ 14日の朝、義弟が釣ってきた山女です。うまかった!
十和田湖の帰り小坂町に寄って、
康楽館と小坂鉱山事務所を見てきました。
現存する日本(東北?)最古の芝居小屋「康楽館」は、
だいぶ前にそのお洒落な建物を外側から見たことはあるのですが、
妹たちは初めてなので、黒子さんの案内で内部を見ることにしました。
最初に5分くらい上演している演目が見られ、
芝居小屋の雰囲気を味わえると言う粋な演出です。
丁度涙の母物をやっていて、
「おっかさん」だと名乗れない母の素性が遂に明かされ、母娘抱き合って今生の別れをする、
いかにも大衆演劇らしいクライマックスを見ることができました。(歌謡ショーも見たかったわ!)
いよいよ黒子さんが迎えに来て、
奈落の底にある舞台を動かす装置などを見ました。
花道の所にある「せりあがり(切穴)」からは、
幽霊や悪者しか登場しないのだということを初めて聞き、
歌舞伎は何度か見たことがあるのに、
気付かなかったなーと妙に感心しました。
回り舞台の装置は人力(2人ないし4人)で動かすのだそうですが、
逞しくも美しいものでした。
その後、鉱山事務所を見たのですが、
実は駐車場に着いた時からこの素晴らしい洋風建築を今まで見た記憶がないことが不思議でした。
いくら私がうっかり者だとしても、
これほどのスケールの建築物を見逃すはずはないと思っていたら、
この場所には平成13年に移築・復原されたのだそうです。
ルネッサンス風の豪華な外観と、
エキゾチィックなバルコニーの透かし模様など、
小坂鉱山の当時の繁栄が偲ばれる建物に圧倒されました。
職人の手になる見事な建築物は残していきたい大きな財産ですが、
それを保存し、維持していくにはかなりのお金が必要で、
私達の周りの古くて美しいものたちがどんどんなくなっていきます。
今回、十和田ホテルと小坂町の2つの建物を見て、
きちんと手を入れ、
観光収入で保存できる建物は幸せなのだと、しみじみ思ったのでした。
今日は十和田ホテルで食べたランチをご紹介します。
オードブルは「鮪のマリネ梅風味サラダ仕立て」
ちょっと塩が強かったけど、梅の酸味が鮪に合っていました。
魚料理は「鱸のフィレ白ワイン蒸し」でしたが、
あっさりした味で、これが一番気に入ったかな。
魚の下にクリーム色の小さな粒々があしらわれていて、
食べた事がないものだったので、話題が大いに盛り上がりました。
以前に食べたニョッキに似た味覚と舌触りだったので、
素材は芋ではないかと思い、
ウエーターさんに聞いたところ、
「クスクス」だと教えていただきました。
肉料理は「子羊のソテー」でしたが、
我が家族にはいまいち不評。
羊肉の臭みを消すためにかけてある
カレー味の「オリエンタルソース」が、ちょっと合わない感じ?
かえってグレービーソースの方が
良かったのかもしれません。
デザートはチョコレートケーキとアイスクリーム。
パンも美味しくて、1890円と言うのは、かなりリーズナブルだと思いました。
実は事前にHPでメニューを調べていたのですが、
フルコースとは思わず、
「この値段だと魚か肉を選ぶんだよね。両方出たら万歳しようね。」と話していたくらいなんです。
母など、これを食べるためだけにまた行きたいと何度も言っていましたし(ちょっと遠すぎるよ、かあさん)、
腹具合の悪かった甥っ子も完食したというのが、
美味しかった証でしょう。
食事を終えてから、北東北の宮大工80人の技を結集した
吹き抜けや階段などを見ることもできて、
満腹アンド満足でした。