まつお文庫からのご案内

仙台市若林区中倉3-16-8にある家庭文庫です。水・土の3時~6時(第2土は休み)どなたでも利用できます(無料)。

寄贈本・新しく買った本 6月

2018-06-15 16:14:44 | 文庫のページ
寄贈本
ありがとうございます。
内田麟太郎さんから、また新刊の絵本を2冊いただきました。
①『うまはかける』 内田麟太郎/山村浩二 文溪堂 2018
 愉快な言葉遊びの絵本です。「馬はかける」「椅子にかける」「マスクをかける」などなど、たくさんの「かける」が出てきます。日本語って本当に豊かです。
②『なくのかな』 内田麟太郎/大島妙子 童心社 2018
 迷子になってしまった男の子の話。こわい鬼やオオカミや強いお侍なら、こんな時どうするのか考え、必死で泣くのをこらえる男の子。でも、鬼もオオカミもお侍も、泣いてもいいんだよと言ってくれます。

新しく買った本 6月
①『たいせつなこと』 マーガレット・ワイズ・ブラウン/レナード・ワイスガード
                  うちだややこ訳 フレーベル館 2001
 1949年出版の絵本です。日本では2001年にうちだややこさんの訳で初めて出版になりました。ものがものとして存在する当たり前のことを、わかりやすい言葉でシンプルに語ってくれる、味わい深い絵本です。改めて、そのものにとって大切なことは何かを考えさせられます。
 取りあげられているのは、スプーン・ひなぎく・あめ・くさ・ゆき・りんご・かぜ・そら・くつ・あなた、です。最後の「あなた」は、特に心に響く言葉で語られています。大きなメッセージをもらえます。絵も装丁も訳も素晴らしいです。訳をなさった内田さんは樹木希林さんの娘さんで、エッセイスト、女優、歌手など、多彩な活動を展開している方です。翻訳はこの絵本が初めてです。
②「灰色やしきのネズミたち」 ヴィリー・フェマン/山内ふじ江 若林ひとみ訳 国土社 1988
 灰色やしきに住むネズミ一族の物語です。おすねずみのビリーはボスとして君臨し、真っ白の毛を持つ赤い目のりりィを迫害しようとします。屋敷の図書室で字を覚え、本が読めるようになったりりィはビリーの権力に屈せず、立ち向かおうとします。字が読めることで一族の命を守ったりりィの勇気ある物語です。本の持つ力についてもすてきに語られていて心に残ります。一方、ヒットラーを思わせるビリーの存在は恐ろしいくらい鬼気迫るものがあります。同じ作者の『隣の家の出来事』も衝撃的な作品です。
昨年、あるお店でコーヒー豆を購入した際、陳列ケースの中に若林ひとみさんの翻訳した子どもの本が何冊か並んでいました。どうしてですかとお聞きすると、「若林ひとみは私の姉です」とのことで驚きました。ひとみさんは小学校が多賀城で、高校は一女高だったそうです。仙台と関係のある方というのは確かどこかで聞いたことがありました。記念にこの本を購入しました。2005年11月に癌でお亡くなりになりました。享年52歳。文庫には、翻訳なさった『片手いっぱいの星』と遺作となった『名作に描かれたクリスマス』があります。
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