今月の詩 12月

　　　　　ヤダ君
　　　　　　　　　　　　　小野　ルミ

　ヤダ君　やだやだ　いやだ　やだ
　べんきょう　おつかい　はやおきも
　やだやだ　やだやだ　まっぴらだ
　やだやだ　ヤダ君　あまのじゃく

　ヤダ君　やだやだ　いやだ　やだ
　あさから　ばんまで　ねごとにも
　なんでも　やだやだ　ああいやだ
　まいにち　やだやだ　いいとおし

　ヤダ君　あるとき　きがついた
　やだやだ　やだやだ　いいすぎて
　いやだと　いわない　ものがない
　さいごの　ひとつを　のこしては

　ヤダ君　やだやだ　いやだ　やだ
　うでぐみ　あぐらで　だいけっしん
　さいごの　いやだを　いってみた
　やだやだ　いうのは　もういやだ！
　　　　　　（『半分かけたお月さま』　かど創房）


　今月は小野ルミさんの「ヤダ君」という詩を選びました。朝から晩まで「いやだ、いやだ」を言っている、何でもいやだのヤダ君の楽しい詩です。そして最後が愉快ですね。大決心をしてさけぶヤダ君。「やだやだ　いうのは　もういやだ！」。ヤダ君のように、時には「やだやだ　いやだ　やだ」と言いたくなることがだれにもありますね。そんな時、この詩を思いだしてみてください、気持ちが楽になるかもしれません。