まつお文庫からのご案内

仙台市若林区中倉3-16-8にある家庭文庫です。水・土の3時~6時(第2土は休み)どなたでも利用できます(無料)。

新しく買った本・寄贈本 6月

2023-06-12 22:37:48 | 文庫のページ
新しく買った本
①『鳥の巣ものがたり』 鈴木まもる 偕成社2007.10
 外国の鳥たちの興味深い鳥の巣にたくさん出会えるすてきな絵本です。
 鳥の巣は鳥が卵を産み、子育てをする大切な場所です。どんな場所で、どんな材料で、どんな形の巣をつくるかは鳥によってみんな違うことにあらためて感動をもらえます。
 例えばアフリカのアカガシモリハタオリの巣は小枝の皮をむいてそれを結んで作り、形も興味深いです。直径が10メートルもある大きなバオバブの木にぶら下がっている様子は不思議な光景です。
 12種類の鳥の卵が紹介されているページでは、色も形も大きさも数もさまざまな卵に見とれてしまいます。ネコマネドリの卵は青く、オウカンゲリの卵は大きく、エナガの卵は小さく数も多いです。そこから鳥たちの様々な生態が見えてきます。
 鈴木さんは1998年から鳥の巣関連の絵本や著書を出版しています。その数は30冊以上です。文庫にもその半分くらいはありますので、手にとってみて下さい。
②『地図と星座の少女』 キラン・ミルウッド・ハーグレイブ/オリア・ムーザ 佐藤志敦訳 岩波書店2023.4
 双子の弟と母を亡くし、地図職人の父と暮らす13歳の女の子イサベラの冒険の物語。
 表紙の見返しには二人が住む現在のジョヤ島の地図が描かれ、裏表紙の見返しには1000年も昔のジョヤ島の地図が描かれています。しかし総督がやってきてからは、イサベラたちの住むグロメラの町は港を閉鎖され、森(島の他の場所との境界線)に行くことも禁じられてしまいます。イサベラは森を越え、その先に広がる<見捨てられた領地>の地図を描くことを夢見ている少女です。
 ある日、級友のカータが殺されるという恐ろしい事件が起き、 責任を感じ、一人犯人を追って、森に入った総督の娘ループ(イサベラの親友)を追って、総督の捜索隊が組織されます。男の子に変装したイサベラは地図が描けるということで、幼馴染のペドロと一緒に加わります。母の家に代々伝わる古い地図、父がよく語ってくれた1000年も昔の、島を救おうとした勇敢な少女アリンタの伝説、物事を深く見つめる父の意味深い言葉、父の曽祖父の船から作った不思議な杖の破片などが、さまざまに交錯しながらイサベラの冒険を支え、感動的に物語が展開します。恐ろしい犯人の正体に向き合うループとイサベラとペドロの、想像を絶する冒険に終始ドキドキさせられます。ループとイサベラの友情にも感動できます。
 これはカナリア諸島の伝承をもとにしたハーグレイブの初めての児童書です。

寄贈本
ありがとうございます。
■金須桂子さんからいただきました。
『槍ヶ岳山頂』 川端誠 BL出版 2014.2
 父に連れられて燕岳と槍ヶ岳を2泊3日で縦走する5年生の男の子の話です。表紙と裏表紙の見返しには穂高駅から松本駅までの登山ルートが手書きで書かれ、山や山小屋のスタンプも実寸大で載っていて興味深いです。
 朝早く眺めたご来光、雨の中、厳しい登りの果てに見た槍ヶ岳のそびえたつ姿、雄大な北アルプスの連なる山並みなどたくさんの感動を味わう男の子の思いが丁寧に描かれ感動的です。川端さんの描く山のすばらしさにも大きな感動をもらえます。
 この絵本は実際に川端さんがお子さん(長男が10歳の時と次男が10歳の時)を連れて、燕岳と槍ヶ岳を縦走した時の話をもとにしています。1日目は約5時間、2日目は約10時間、3日目は約7時間半という、大人にとってもかなりきつい登山です。10歳でそんな登山を体験した息子さんたちがうらやましいです。
コメント
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