まつお文庫からのご案内

仙台市若林区中倉3-16-8にある家庭文庫です。水・土の3時~6時(第2土は休み)どなたでも利用できます(無料)。

今月の詩 5月

2015-05-18 19:05:25 | 文庫のページ
     みどりのリレー   工藤直子
 光が まるい手まりのように
 林のあちこちで はずんでいる
 みどり みどり みどり………
 ああ まるで みどりの運動会
 みどりのリレーだ

 クヌギおやじは どこにいる? あ、あそこ
 がっしり立って 大きな口あけ
 これは まったく 応援団長

 まぶしい林の中で
 生きものたちは どこにいる?
 あ、あそこ いや、ここにも
 もぐったり 地面をはったり
 葉っぱにつかまったり
 枝のあいだを飛んだり

 あっちこっちそっちどっち
 みんな みんな
 みどりいろの影を映して
 「フレーフレー み・ど・り いつまでも!」
 と うたっている
     (『クヌギおやじの百万年』 朝日出版社)

 五月晴れのさわやかな気持ちのいい日が続いています。家の中にいるのがもったいないくらいです。卸町のけやき並木がきれいです。年々木が大きくなって、秋もきれいですが、この季節の緑も見事です。どこまでも続く緑のトンネルに、思わずカメラのシャッターを切りました。
 週に一度、川内の大学の構内を通って、青葉山まで出かけているのですが、広瀬川を渡るあたりから、見渡す限り、緑の世界が広がり、緑豊かに葉を茂らせた木々の美しさに息をのみます。まさに緑のシャワーですね。元気がもらえます。
 「みどり みどり みどり…… / ああ まるで みどりの運動会 / みどりのリレーだ」という工藤直子さんの詩の言葉に出会い、すぐに今月はこの詩にしようと決めました。「クヌギおやじ」と呼ばれる大きなクヌギの木の老木が応援団長になって、林は今、緑にあふれ、あちこちで命が輝き始め、5月は本当にいい季節だと感じさせてくれる詩です。
 『クヌギおやじの百万年』という詩集をどうぞ手にとってみてください。今森光彦さんの四季折々の美しい雑木林の写真と、工藤さんのすてきな言葉で生み出されたユニークな詩集です。

◎『木』(木島始/佐藤忠良 福音館書店)という絵本を知っていますか。大きな木の根っこや太い枝にできたこぶが鉛筆で力強く描かれています。そして春、緑の若葉を茂らせた大きな木がダイナミックに描かれていて感動的です。佐藤忠良さんの絵です。
コメント
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