
【まだ誰も見たことのない「未来」の話】4946
台湾デジタル大臣、オードリー・タン氏の心に響く言葉より…
2016年、デジタル担当大臣として入閣した時、私は自らに「ソーシャルイノベーション」「オープンガバメント」「若者の政治参加」という三つのミッションを課しています。
「ソーシャルイノベーション」というのは、従来とは異なる創造的な解決法によって社会問題や課題を解決するという概念です。
その起源はバングラデシュの経済学者であるムハマド・ユヌスが始めた「マイクロファイナンス」だといわれています。
1974年にバングラデシュが大飢饉に見舞われ、多くの人が亡くなった時、食糧は有り余っているのに金銭的な理由で食べ物を買えず、人々が餓死していくのを目の当たりにしたユヌスは、27ドルという微少な金額を低利・無担保で融資する「マイクロクレジット」を行う〈グラミン銀行〉を1983年に創立したことで、貧困による飢えから多くの人々を救い、自立を支援しました。
ユヌスは功績が讃えられ、2006年にノーベル平和賞を受賞しています。
私は入閣の時、林全(リンチュェン)行政院長(日本の首相に相当) に対して三つの条件を提示しています。
1. 行政院 (日本の内閣と各省庁を併せたものに相当) に限らず、他の場所で仕事をしてもいいこと、
2. 出席するすべての会議、イベント、メディア、納税者とのやりとりは、録音や録画をして公開すること、
3. 誰かに命じることも命じられることもな く、フラットな立場からアドバイスを行うこと、です。
行政院長はすぐに「問題ないですよ」と言ってくれました。
そのおかげで、私は大臣としての公務を行いながら、「ソーシャルイノベーション」 の基金会〈R×C (Radical × Change)〉の設立にかかわり、理事に就任しています。
この基金会のメンバーたちは、これまで世界になかったような数々の新しい概念を創り出しています。
たとえば、従来の民主主義的な投票の欠点をカバーした〈クアドラティックボーティング (Quadratic Voting)〉は、私も台湾で〈総統杯ハッカソン〉の 市民投票に採用しています。
『まだ誰も見たことのない「未来」の話をしよう』SB新書
https://amzn.to/35VXlDw
タン氏は、「オープンガバメント」についてこう語っています。
『私が台湾でデジタル担当大臣として推進しているミッションの一つに「オープンガバメント (開かれた政府)」があり、その中で行った施策のうち、最もDXの基礎に直結するのが、「Open APIで政府をオープンにすること」だといってよいでしょう。
正確には当時の張善政(チョウゼンセイ)行政院副院長が構想を描き、ジャクリーン・ツァイ(蔡玉 玲)前大臣が法律方面を任されていて、私は2016年に入閣する前、2014年頃 から、ジャクリーン前大臣のリバースメンター(若手が年長者に助言すること。逆メンターともいう)に就任し、ともに推進していました。
すでに台湾の各省庁では、多くの「Open API」が提供されています。』
Open API (オープンエー・ピー・アイ) とは、API (Application Programming Interface)のことで、外部から接続するための仕様や手続きなどのインターフェースを公開 (オープン)し、外部から連携できるようにすることです。
また、「リバースメンター」とは、通常は上司や先輩が指導者や助言者となって、若手をサポートしますが、逆に若手が上司に助言したりサポートしたりする逆方向(リバース)の立場逆転の仕組みのこと(リバースメンタリング)です。
従来の、年功序列型、男性偏重、社員の年齢高め、体育会系的な上意下達(じょういかたつ)の文化のある組織では、これからますます必要となる仕組みが「リバースメンタリング」です。
台湾では、35歳以下のソーシャルイノベーターをリバースメンターに任命する制度があります。
様々な規制や政治制度が時代遅れになってしまっている時に必要となる仕組みです。
特に、ITやデジタルの分野(デジタルだけではありませんが)では、年配者はその変化についていけません。
それを補うのがこの「リバースメンター」です。
だからこそ、年配者(といっても36歳以上の人たちは全員これに当てはまるわけですが)は、自分より年下の人たちから学ぶ、という、年齢やジェンダーなどの多様性を受け入れる素直さと柔軟性が、なお一層必要となります。
1歳でも年上だからといって先輩面(づら)して、威張ったり、偉そうにしたりする人は、今後ますます生きてはいけなくなるということです。
そして、権威主義、閉鎖主義、秘密主義、年功序列、反SDGs(エスディージーズ)的なやり方は間違いなく崩壊していくということです。
誰も見たことのない「未来」に向かって…
大きな変化に対応できる人でありたいと、切に思うのです。
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台湾デジタル大臣、オードリー・タン氏の心に響く言葉より…
2016年、デジタル担当大臣として入閣した時、私は自らに「ソーシャルイノベーション」「オープンガバメント」「若者の政治参加」という三つのミッションを課しています。
「ソーシャルイノベーション」というのは、従来とは異なる創造的な解決法によって社会問題や課題を解決するという概念です。
その起源はバングラデシュの経済学者であるムハマド・ユヌスが始めた「マイクロファイナンス」だといわれています。
1974年にバングラデシュが大飢饉に見舞われ、多くの人が亡くなった時、食糧は有り余っているのに金銭的な理由で食べ物を買えず、人々が餓死していくのを目の当たりにしたユヌスは、27ドルという微少な金額を低利・無担保で融資する「マイクロクレジット」を行う〈グラミン銀行〉を1983年に創立したことで、貧困による飢えから多くの人々を救い、自立を支援しました。
ユヌスは功績が讃えられ、2006年にノーベル平和賞を受賞しています。
私は入閣の時、林全(リンチュェン)行政院長(日本の首相に相当) に対して三つの条件を提示しています。
1. 行政院 (日本の内閣と各省庁を併せたものに相当) に限らず、他の場所で仕事をしてもいいこと、
2. 出席するすべての会議、イベント、メディア、納税者とのやりとりは、録音や録画をして公開すること、
3. 誰かに命じることも命じられることもな く、フラットな立場からアドバイスを行うこと、です。
行政院長はすぐに「問題ないですよ」と言ってくれました。
そのおかげで、私は大臣としての公務を行いながら、「ソーシャルイノベーション」 の基金会〈R×C (Radical × Change)〉の設立にかかわり、理事に就任しています。
この基金会のメンバーたちは、これまで世界になかったような数々の新しい概念を創り出しています。
たとえば、従来の民主主義的な投票の欠点をカバーした〈クアドラティックボーティング (Quadratic Voting)〉は、私も台湾で〈総統杯ハッカソン〉の 市民投票に採用しています。
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タン氏は、「オープンガバメント」についてこう語っています。
『私が台湾でデジタル担当大臣として推進しているミッションの一つに「オープンガバメント (開かれた政府)」があり、その中で行った施策のうち、最もDXの基礎に直結するのが、「Open APIで政府をオープンにすること」だといってよいでしょう。
正確には当時の張善政(チョウゼンセイ)行政院副院長が構想を描き、ジャクリーン・ツァイ(蔡玉 玲)前大臣が法律方面を任されていて、私は2016年に入閣する前、2014年頃 から、ジャクリーン前大臣のリバースメンター(若手が年長者に助言すること。逆メンターともいう)に就任し、ともに推進していました。
すでに台湾の各省庁では、多くの「Open API」が提供されています。』
Open API (オープンエー・ピー・アイ) とは、API (Application Programming Interface)のことで、外部から接続するための仕様や手続きなどのインターフェースを公開 (オープン)し、外部から連携できるようにすることです。
また、「リバースメンター」とは、通常は上司や先輩が指導者や助言者となって、若手をサポートしますが、逆に若手が上司に助言したりサポートしたりする逆方向(リバース)の立場逆転の仕組みのこと(リバースメンタリング)です。
従来の、年功序列型、男性偏重、社員の年齢高め、体育会系的な上意下達(じょういかたつ)の文化のある組織では、これからますます必要となる仕組みが「リバースメンタリング」です。
台湾では、35歳以下のソーシャルイノベーターをリバースメンターに任命する制度があります。
様々な規制や政治制度が時代遅れになってしまっている時に必要となる仕組みです。
特に、ITやデジタルの分野(デジタルだけではありませんが)では、年配者はその変化についていけません。
それを補うのがこの「リバースメンター」です。
だからこそ、年配者(といっても36歳以上の人たちは全員これに当てはまるわけですが)は、自分より年下の人たちから学ぶ、という、年齢やジェンダーなどの多様性を受け入れる素直さと柔軟性が、なお一層必要となります。
1歳でも年上だからといって先輩面(づら)して、威張ったり、偉そうにしたりする人は、今後ますます生きてはいけなくなるということです。
そして、権威主義、閉鎖主義、秘密主義、年功序列、反SDGs(エスディージーズ)的なやり方は間違いなく崩壊していくということです。
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