
【人生も終わり方が大事】5947
橋本之克(ゆきかつ)氏の心に響く言葉より…
あなたが、「ちょっと気になる人」とデートをしたとしましょう。帰り際、彼(あるいは彼女)から次のように言われました。どちらのほうが印象が良いでしょうか?
「今日は楽しかったけど、たくさん歩きまわって疲れたね」
「今日はたくさん歩きまわって疲れたけど、楽しかったね」
自分の経験を「ピーク(絶頂)時」にどうだったかと、どのような「終わり方(エンド)」だったかだけで判断する傾向を、行動経済学では「ピーク・エンド効果」と呼んでいます。 この2つだけで一連の出来事や体験の印象が決まり、その他の記憶は薄れてしまいます。「ピーク時」と「終わり方」 さえ良ければ、その他は大したことがなくても、 あるいは若干悪い印象でも、全体的には良かったと思えるのです。
シェイクスピアの戯曲のタイトルにもありますが、世界中で言われている「終わり良ければすべて良し」は、まさに「ピーク・エンド効果」です。
私たちは知らないうちに、いろいろな場面で「ピーク・エンド効果」の影響を受けています。映画やドラマ、小説や漫画などでは、最も盛り上がるシーンとラストシーンの2つが特に印象に残っているものですよね。逆に、途中までのストーリーが感動的であったとしても、起承転結の「転(ピーク)」「結(エンド)」に納得がいかないと、「ちょっと微妙な作品だったな」と思ったりもします。
《「終わり良ければすべて良し」は行動経済学だった》(物事の評価を左右するのは「転」と「結」である)
『世界は行動経済学でできている』アスコム
https://q.bmd.jp/91/119/5459/393
まさに、この「ピークエンドの法則」は、人生にもあてはまる。前半生が、金銭的や、社会的にも、あまりめぐまれた人生でなかったとしても、晩年が充実して、人から感謝され、必要とされるような生き方だったら、その人生は「良かった」「幸せだった」と言える。
しかし、反対に、人生の前半生が、金銭的にも恵まれ、社会的にもスポットライトが当たるような華々しい人生だったとしても、人生の終盤を不満や、後悔の日々でおくるなら、それは不幸な人生になってしまう。
だからこそ、人生の後半生の生き方は大事だ。
それは、若いころのように体が動かなくなったとしても、また、仕事から離れてしまったとしても、「今日も楽しかったね」「ありがとう」と感謝の気持ちで日々を過ごせるような生き方だ。
つまり、それは「人に与える生き方」をすること。
様々なコミュニティや組織で、人から喜ばれるような生き方をすることだ。
たとえば・・・
●ボランティアで人の役に立つ。
●コミュニティで若い人たちを支え、応援する。
●自治会や祭り、地域パトロールなどの地域の行事やイベントに世話役として奉仕する。
●神社やお寺の世話役をする。
終わり良ければすべて良し・・・
「人生も終わり方が大事」という言葉を胸に刻みたい。