小島教育研究所

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高等教育機関の「質の保証」について。

2012-11-13 | 高等教育機関
ユニバーサル化した、高等教育機関(大学を含む)の質をどうやって保証するかは結構重い問題です。大学全入時代を迎え、頭数をそろえる必要のある大学は、推薦、AO、センター、一般入試と色々な募集形態で、学生を集めています。今春、約40%の私立大学では定員割れを起こしているという。大学教育以前のところでつまずきを持つ学生の教育をせねばならないケースも当然あり、入学以前に予め高等学校の復習目的の課題を定期的に課す大学もあります。リメディアル教育と呼ばれるものです。理系で言えば、数学Ⅲの微分積分の課題プリントを定期的に入学予定者に課す大学が多いという。(特に推薦入学者に対する課題がよく出されている。)
 これは、日本だけの問題ではなく、EU諸国でも同種の問題を含めて、教育の質をどう保証するかが、問われています。
 そうした中で、注目されるのが「ボローニャ宣言、ボローニャプロセス」とよばれる一連の改革です。
 ボローニャ宣言は1999年の6月にEU27ヶ国の教育大臣が欧州高等教育圏の構築を目指して締結されたものです。
 その目的は、
①欧州高等教育圏の学生や研究者の流動を容易にし、研究や雇用の促進を図る。
②ヨーロッパ高等教育機関の魅力を高め、圏外からの人材流入を図る。
③UEの更なる発展のために、ヨーロッパにおける高等教育機関が質の高い先進的な知の
 拠点となること。
 
 これらの目的を具体化するのが「ボローニャプロセス」と呼ばれる背策であり、
①明瞭かつ比較可能な学位制度の確立。
②大学教育を学士課程3年と修士課程2年の2サイクル制にする。
③ECTS(European Credit Transfer and Accumulation System)を通した単位互換制度の
 導入と普及。
④学生、教員、研究者、職員の流動促進のための環境整備。
⑤教育の質保証を目指した域内における協力関係の推進。
⑥高等教育においてヨーロッパの特徴を強化する。
 などがあげっれる。

先日の、田中真紀子、文部科学大臣の発言にある「教育の質が問われる。」とは、以上を背景にした発言だったのです。

 
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