筆者が小学校にまだ通っていた頃、よく自宅に政治家の先生方が出入りしていた。選挙のときばかりか、常日頃から頻繁に顔を見た記憶である。あるとき、父から「あの丘陵地帯にサファリパークが出来たとしたら、どう思う?」と質問された。「このあたりは冬、結構寒いから、南方の暖かい地域に生息する動物にとっては、つらいだろうな。また、もし寅やライオンなどの猛禽類が逃げ出したら、周辺住民が大変なことになる。」と答えた記憶がある。時を隔てて、大学生の頃また同じ質問を受けた。「出来れば国の研究所とか、文化施設とか、何がしか文化の香りのする施設の誘致かな?」とそのとき答えた。社会人となってしばらくすると、そこは文部科学省管轄の核融合研究所となった。全施設棟、60前後、東京ドーム50個分の敷地を擁する研究所。国内の核融合研究の共同利用施設である。名古屋大学のプラズマ研究所を中核に国立大学理学系の研究員が約1,000人集っている。核融合炉はヘリカル型である。初代所長は慶應工学部機械科出身で、後に京都大学理学部教授となられた飯吉先生だった。
さらに、時代は下り、研究所の近隣に、土岐プレミアムアウトレットが出来、中部地区各地より、来場者は耐えない。高速道路(東海環状)も整備され、土岐南インターを出れば、5分以内に両施設に到着する。
上沼美恵子流の大風呂敷にならえば、「核融合研究所も土岐プレミアムアウトレットも私、マリオのうちの庭を貸しているんです。」となるが、ここまで言うと、誰も信じませんね。貴方は、信じますか?