久しぶりにコンパクト・ディジタルカメラを持って撮影してきたのですが、やはり焦点距離がすごく短いレンズを使用していますので、相当マクロで撮影しない事には後ボケが固くなってしまって結構苦労したという感じです。加えて相当小さな撮像センサーを使っていますので、いくら1,600万画素とはいえ、拡大してみるとかなり粗が目立ちます。
お口直しと言う訳ではないのですが、今回は連休でも有りますから2日目は後ボケがきれいな中望遠レンズで撮影して来ようと考えました。それなりに大口径であまり硬くならない中望遠レンズと言うと、やはりタクマー時代から続く105㎜系レンズと言う事になります。タクマーの105㎜F2.8はかなり昔から生産されていて、少し軟らかめの描写なのですが線の細いしなやかな描写が魅力です。
生産量もそれほど少なくはないレンズですが、中古価格もそれなりに高くて人気が有ったレンズと言えそうです。85㎜中望遠レンズよりもほんの少し長いのですが、その分鏡胴径が細くてホールディングもしやすい印象を受けます。しかし、Mレンズになった時に小型化の波が押し寄せてくると言う事になります。
何しろペンタックスMEやMXはかなり小さなカメラですから、これに見合うレンズとなるとかなり小さくしないといけないという感じです。元来100㎜中望遠レンズは、135㎜望遠レンズよりも収差を少なく出来ますので、そこそこコントラストの有る柄作りが出来ます。85㎜中望遠レンズは高くて手が出ませんので、代用としても十分に満足する感じです。
SMCペンタックスM100㎜F2.8は、従来のタクマーより焦点距離が5㎜少なくなっていますが、写りの雰囲気は105㎜F2.8のタクマーとあまり変わらない感じです。それでも大きさはかなり小さくて、標準レンズと同じくらいの大きさしかありません。85㎜タクマーよりも小さな中望遠レンズに仕上がっている訳で、ファインダー像はしっかり中望遠レンズですから、少し面喰うと言う事になります。
それでもペンタックスMEに装着すると、カメラの小ささも相まって不思議としっくりくる感じです。やはり少しごついK-1ではレンズが負けてしまって面白くないという感じです。しかし、この時期にツアイスとの技術提携が有りましたので、写りの方もブラッシュ・アップされていて、現代風の抜けの良い画像となってくれるのが嬉しい所です。
ペンタックスMレンズまでは、Kマウントであってもレンズの情報はカメラ側に伝達されません。マニュアルモードでグリーン・ボタンと言う事になるのですが、その分露出が決定した後は雰囲気に合わせてシャッター・スピードと絞り値を変えることが出来ますから、暗い場所なのに妙に明るく写ってしまう事が無くて便利です。
現代流のシャキッとした雰囲気に写せるレンズですので、タクマー・レンズのように後から少しコントラストと彩度をいじくる必要が無くて便利です。しかし、白飛びや色飽和を起こし易い印象で、撮影するときには少しアンダー気味に撮影すると、後からの補正も少し楽になります。昨日の不満点が解消された写りで、かなり満足できる結果が残せたという感じです。
それでは、先月下旬に撮影した写真から掲載します。
PENTAX K-1 SMC Pentax-M 100mmF2.8
撮影データ:1/320sec F5.6 ISO100
ウツギが咲きだすと初夏の雰囲気が漂う感じで、梅雨が始まるころの青空にとても良く合う感じです。
タクマーに限らずMレンズのレビューまでして下さってありがとうございます。この春にフィルムのボディをSVからKXに換えまして、機動力の面でバヨネットの恩恵を感じる場面が増えてきました。
SP2もあるので一挙更新という訳には行きませんが、KレンズやMレンズが選択肢に挙がって来ております。物欲を抑えるのに必死ですが、記事を楽しみにしております。
いつもコメントをいただき、ありがとうございます。
事の起こりは一昨年に、200㎜F4のレンズが余りにも安くて救出したことから始まっています。
これは良いレンズが有るかもと、次々に中古品を漁っていって、今に至っています。ツアイスとの提携が有った時にMレンズが開発されていましたので、何かしら写りの良くなったレンズが多いのも頷けます。旧来タクマーの流れをそのままに引き継いでいるレンズもあり、ズーム・レンズ襲来で淘汰されなかったレンズは、無事Aレンズで昇格しているようです。