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銘玉の雰囲気

2015-10-23 10:52:21 | タクマー・レンズ
タクマーを使っていて銘玉でお勧めできるものは、と聞かれる事があったり、ブログの検索条件でもタクマーと銘玉の記述があったりします。自身で思っている事なのですが、タクマーのレンズは、どれも個性を持っているので一概に銘玉が選べないと云う事です。各々のレンズでベストの被写体と背景の雰囲気を持っていますから、被写体と背景の雰囲気に合わせて、ベストなレンズをチョイスして使います。

コーティングによって使い分けるのがまず初めの選択で、初代タクマーは線の細かな被写体、オートタクマーは柔らかな雰囲気表現、スーパータクマーは少し逆光を入れたコントラストがある細かな表現、SMCタクマーは現代的なコントラストと力強さ表現に使います。このため、同じ焦点距離で違ったバージョンのタクマーを所有していますが、その種類が多いレンズは銘玉としてふさわしい感じです。

複数の種類を持っているレンズは、値段に比例してと云う訳ではなさそうで、安価なレンズも含まれます。35mmF3.5・55mmF1.8・85mmシリーズ・105mmF2.8・135mmシリーズ・150mmF4があります。レンズ価格はあまり関係が無い様で、特に35mmF3.5と55mmF1.8、135mmF3.5は定番中の定番レンズで、銘玉ではないですよと思う方もおられると思いますが、実力とコスト・パフォーマンスを考えると銘玉中の銘玉です。

では、それ以外は銘玉ではないかと云うと、入手性が悪いために、一つのバージョンしか手に入れる事が出来なかったと云うのが本音です。主に最後期のタクマーであるSMCタクマーしか中古品棚に並んでいない事が多いですし、中にはSMCタクマーしか存在していない120mmF2.8のレンズも存在します。基本的にすべて銘玉と云う表現がぴったり来ます。

直進式ヘリコイドは、PLフィルタを付けた時に、ピントリングを回すと前玉自体が回転しないので、再調整が不要でとても助かります。と言ってもこれはすべてのタクマーが持っている特徴です。また、ほとんどのレンズが単焦点で余裕のある設計をしているために、絞り開放から解像感を持っているレンズでもあり、実直真面目な画作りはすべてのタクマーで引き継がれています。

どのレンズもあくの強い癖を持っていません。真面目な写り具合は飽きが来る事が少なく、また次もタクマーで写そうと云う気になります。木々と花や風景を追いかけている我が身とすれば、目の前にある斬新に見える被写体を、その場の雰囲気を表現できるように写し込むのが本命で、真面目に見たままそのままに写ってくれればよい訳です。

そのような観点から、改めてレンズを見てみると、タクマーに限らず集めたレンズはすべてチャーム・ポイントとなる癖を一つ位持っていますが、実直真面目に雰囲気を表現してくれるレンズばかりです。このため、すべてが銘玉と云う感じで良い点を探して撮影に専念します。単焦点のマニュアルフォーカス・レンズですので、総じて特性が良いレンズばかりですから、この様な贅沢な撮影が出来ると考えています。

それでも、一番良く写るレンズはと云うと55mmF1.8のレンズを挙げます。昔からのお付き合いという贔屓眼もありますが、とにかく何を写しても失敗が少ない感じです。解像度が細かすぎて、線が細くなりすぎるきらいはありますが、そこそこ大きくして鑑賞すると、癖の少ない画像は飽きが来なくて疲れないと云う感じです。カリカリに描写しないで、あくまでも線のつながった優美な描写をしてくれますので、リラックスして鑑賞できます。

レンズは、あくまでも使ってなんぼの感じですから、どんどん使って愉しみたいと考えています。

それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 Super Takumar 135mmF2.5
撮影データ:1/125sec F5.6 ISO200
柿の実が熟すころになってきました。少し甘めの描写と言われるスーパータクマー135mmF2.5ですが、F5.6まで絞るとはっきりと写ります。
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