アトムレンズとしてよく話題に上るこのレンズなのですが、タクマー・レンズ群の中で一番含有するトリウム量が多いレンズとしても紹介されています。スーパータクマー時代から、すでにトリウムレンズを採用していましたので、ノントリウムのレンズはスーパータクマーのごく初期に発売されていたぼってり系のレンズと言われています。
手持ちのPINフォト・ダイオードによる簡易放射線量計でも、大体1.4μSv/h位出ていますので、アトムレンズと考えています。手持ちのタクマーを測ってみた結果では、35㎜F2、55mmF1.8のタクマーから放射線が出てきていると言う事になります。55㎜F1.8のタクマーは一応検出するのですが、ほとんど検出できない感じで、トリウム含有量もかなり低いと考えています。
その中でトリウム含有量がかなり多いレンズとして紹介されるのが、この50㎜F1.4のタクマーで、中でもスーパータクマー50㎜F1.4は、かなり高い放射線量を示すアトムレンズです。しかし、SMCタクマー位から徐々にトリウム含有量を減らしているみたいで、期待感を込めて購入したのがこのSMCタクマー50㎜F1.4と言う事になります。
しかし、本当にノントリウムのレンズに変わったのが、SMCペンタックスMレンズからみたいで、購入したSMCタクマー50㎜F1.4も薄いながら変色が見られます。スーパータクマーの夕暮れ色ほどではないのですが、何となく不気味です。放射線量は0.5μSv/h位なのですが、しっかりと昼間に撮影しても夕方のように写ります。
それならばと紫外線照射を行って見たところ、かなり色付きが薄くなってほとんど気にならない位になりました。以降スーパータクマーよりも使う率が多くなったのですが、やはり50㎜F1.4のレンズは少し無理をしている感じがあって、写りの方もあまり好みではありません。優等生すぎる写りで何かしら写りに余裕がないといった感じです。
55㎜F1.8の普及品標準タクマーが、ある意味線の細いしっとりとした写りを提供してくれますので、ある意味性能を追いかけすぎたレンズは、写りはとても良いのだけれどどことなくぎごちない印象を受けるのかもしれません。すごく性能は良くてしっかりと解像してくれるのだけれども、何かしっくりとこない印象を受けるのかもしれません。
梅雨明けにはなったのですが、湿度のほうは思ったよりも下がらなくて鬱陶しい雰囲気になっています。朝晩は少し気温も低くなっていますから、撮影行にも出かけやすいという感じです。ヤブツルアズキの種蒔きを行った次の週は朝早めの涼しいうちに撮影行へ出かけることにしました。気温が上がると一気に不快指数が上がる感じなのですが、気温が上がる前に行動することでばててしまう事を防ぐ感じです。
最近のカメラはホワイトバランス性能が格段に向上していますので、ほんの少し黄変の残るSMCタクマー50㎜F1.4を装着しても、普通のレンズを装着した時のように色味がおかしくなることが有りません。フィルムの時は後からの色合わせに苦労するのですが、ディジタルカメラの技術の進歩を痛感した撮影行になりました。
それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。
PENTAX K-1 SMC Takumar 50mmF1.4
撮影データ:1/800sec F2.8 ISO100
先週花芽を伸ばしていたヤブカンゾウも、1週間ほどの間に満開になってきて、いたるところで咲いています。この花が咲きだすと長い梅雨が明ける感じなのですが、今年は少し早すぎて面食らっているようです。
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