パソコンのディスプレイ画面に、ディジタルカメラで撮影した写真を写して、それをフィルムカメラで撮影しています。おっかなびっくりで試しにやってみようという感じで始めましたが、意外に上手く行くものでびっくりと言った感じです。ディジタルカメラで撮影した画像は粒子自体がほとんど感じられませんので、フィルムの粒子感が付加されるとなぜか落ち着く感じです。
いまではディジタル画像が全盛になってしまいましたから、フィルムの粒子感と言ってもピンとこない方が増えました。フィルム全盛の時代はISO感度で粒子感が変わりましたから、フィルムの大きさと併せて表現の手段として用いられた感じです。今のディジタルカメラ画像と同じにしたければ、ISO25クラスの超微粒子フィルムを6×6判で撮影すれば、ほとんど無粒子の表現になりますし、逆にざらつきが得たければISO400の135フィルムと言った感じです。
現代のディジタル一眼レフ・カメラではほとんど無粒子の雰囲気ですし、解像度もフィルムに比べて数段高いわけです。今のフィルムは解像感もかなり上がって来てはいるのですが、ディジタルカメラに押されてしまって、昔のようなより取り見取りのフィルムが存在するわけではありません。つまり、フィルムの癖に合うようなテイストでディジタル画像を仕上げれば、撮影した結果はかなり満足がいくものとなる感じです。
そこで気になってくる話なのですが、フィルムの解像度はどれくらいかという話です。ディジタル素子の場合は1つの画像素子は1色にしか対応していません。つまり素子の大きさ全てがその色になるわけです。では、フィルムの場合はどうかと言う事なのですが、複数の銀塩粒子が重なっている状態であり、白と黒との両極端の領域では解像感は高いのですが、グレイ・トーンの部分では残る粒子が少なくなって、ざらつきが出てくると言う事になります。
粒子の粒からすれば150万画素くらいの解像力を持つISO100ネガフィルムなのですが、何層も粒子が重なっていますので、適正露出と見合った現像処理を行えば800万画素くらいの解像度になります。スキャナでデータ取り込みを行う時に、1,600万画素相当の解像度で取り込むと粒子が判るために、かなり重宝すると言った感じになります。
そこでディスプレイの解像度なのですが、最近のディスプレイはHDMIに対応している感じで1920×1080ドットになっています。解像度からすると200万画素くらいなのですが、フィルムにしてみると丁度良い感じで。ネオパンアクロスやフォマパン100、そしてローライのレトロ80Sを使うと、フィルムの持つ特徴が加味されて程よい粒子感を持ったカッコ良いネガが出来上がります。何しろ補正や調整を行ったディスプレイ画像を撮影するわけですから、露出外しと言う事がほとんどありません。
先ずカラーのディジタル一眼レフ・カメラで撮影しておいて、色を誇張したい時にはカラー・ネガフィルムを、トーン変化を楽しみたい時には黒白ネガフィルムと言った感じで、味付けの意味合いでフィルムを使うのも面白いと感じた次第です。一粒で二度おいしそうな雰囲気なのですが、多用すると頼り切ってしまいそうで、フィルムで真剣に撮影することも大切と感じた今回のチャレンジでした。
それでは、先月下旬に撮影した写真から掲載します。
PENTAX K-1 SMC Takumar 135mmF2.5(後期型)
撮影データ:1/500sec F4.5 ISO200
晴れの休日に撮影した桜の木の苔は、暖かな日が続いたおかげで勢いを取り戻していました。黒白フィルム撮影用のネタもそろいましたので、来週あたりはディスプレイ撮影を行おうと思っています。
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