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あるいて・みつける

歩く速さで見つけたものを、記録に残していきます。ゆっくりと歩けば、いろいろなものが見えてきます。

XR Rikenon 50mmF2 L

2021-05-23 06:51:12 | 国産レンズ

和製ズミクロンとも呼ばれている、カリカリに描写する希少なM42レンズです。今では手に入れることがかなり難しくなってしまって、霧の中に埋もれているようなレンズなのですが、たまにWebの中古ページで紹介されるとすぐに無くなってしまいますので、人気の程はいまだに健在と思っているレンズです。

何しろ50㎜標準レンズとすれば、国内で販売されているライバルはF1.4やF1.8位のメジャー路線です。少し暗い標準レンズは、日本国内でもあまり相手にされていなかった様子で、生産はされているのですがターゲットは輸出という図式であったろうと考えています。故郷を偲ぶように帰ってくるレンズと言う訳で、国内向けに販売された数はかなり少ないと考えています。

同仕様のレンズが他社メーカでも出ているのですが、いずれもF2もしくはF2.2という感じで少し暗いレンズに仕上がっています。この頃は輸出の全盛期ですから、リーズナブルな価格設定で誰でもカメラを持てることが売りであったと思います。一番リーズナブルなカメラとセットで中古販売されていますので、さもありなんといった感じです。

色々探し回って、何とかリーズナブルなLバージョン品を手に入れました。かなり軽い標準レンズで、コストダウンが十分に図られているチープさがにじみ出るレンズです。前期品に比べて軽いのですが、和製ズミクロンと言われる通りに解像度はかなり高くて、絞り解放からピント位置の解像度が確保できている優秀レンズです。

加えてコントラストがかなり高くて、ファインダー像のピント合わせも確実に行えます。しかし、柔らかな描写となるとかなり不得意で、ディジタルカメラを用いるとパリパリに描写しますから、鑑賞していて疲れてしまう事になります。フィルム時代ではフィルムの粒度がちょうど良い具合に固い描写を相殺してくれますから、あまり気にならなかったのですがディジタル時代では逆に使いづらくなってしまったという感じです。

ディジタルでもフィルムでもという使い方をしていますので、どうしてもフィルム撮影の時に出番が多くなります。しかし、標準レンズの出番もそうありませんから、あまり使われないレンズとなっていました。これでは、せっかく探し回って入手したのに勿体ないという気持ちです。色々考えているうちに活用法を思いついたと言う事になります。

ディジタル画像の黒白フィルム撮影で、色々レンズを取り換え引き換え試したのですが、やはりXRリケノン50㎜F2を付けると一番解像感が高くなりますので、フィルム粒度の柔らかさと相殺されてきれいにモノクロ化できます。フィルムの雰囲気も同時に加味されますので、満足できる結果が残せます。あまり日の目を見なかったレンズが、ひょんなことから常用レンズになってしまった感じです。

丁度雨の休日になりましたので、撮り溜めたディジタル画像をディスプレイに表示して、モノクロフィルムで撮影します。フィルムの個性が出てきますので、また違ったトーンになって表現されるわくわく感がありますので、すっかりはまってしまったと言う事になります。このような時にXRリケノン50㎜F2は、ちょうど良い相棒になってくれています。

それでは、先月中旬に撮影した写真から掲載します。

PENTAX K-1 SMC Pentax-M 35mmF2.8

撮影データ:1/800sec F3.5 ISO100

モクレンの花もあっという間に満開になってしまいました。それでも少し残った蕾が咲いていきますので、5月の連休頃までは愉しめます。

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EBC Fujinon-T 135mmF2.5

2021-04-17 06:52:10 | 国産レンズ

国内最強のレンズ群と言えば、やはりフジノンレンズと言う事になります。海外ではコダックやアグファ等、フィルムメーカが作るカメラとレンズは、製造しているフィルムに合わせて作り込みますから、色調も彩度もフィルムに合わせこんであるわけで、フジノンの場合はフジカラーのフィルムを詰め込んで撮影すれば無敵です。

最近ではディジタルカメラ全盛になってきたのですが、ここでも不思議な取り合わせになって楽しませてくれます。現像ソフトウエアでフィルムのテイストを合わせこむと、不思議と一番マッチするような仕上がりになってくれます。フィルムの持つ色調や彩度、そしてコントラストに合わせてレンズが調整されている訳ですから、安心して撮影が出来ると言う訳です。

しかし、EBCフジノンレンズはそれほど知られたレンズと言う訳ではありません。キットレンズとして販売されていたレンズを除けば、生産数もかなり少なかったがために、今となっては中古品となってしまったこのようなレンズも、ほとんど見かけることが無くなってしまった感があります。紹介本などではたまに紹介されているのですが、現物を目にする機会がほとんどなくて雲の上のレンズの印象です。

EBCという記号に不思議さを感じてしまうのですが、エレクトロ・ビーム・コーティングとの事で、要は蒸着コーティングを行っていると考えればよいみたいです。最新のコーティングでもあるわけで、逆光におけるフレア低減や黒つぶれと白飛びの軽減に一役買っているという効果が実感できるコーティングになっています。

フジフィルムさんのレンズは白飛びに強いという感じで、特にハイライト部でトーンが粘ります。真っ白けの壁やカーテンの微妙なトーンが出てきますので、明るい場所に強いレンズに仕上がっている訳で、フジノンレンズを装着すると明るい場所にレンズを向けて撮影しても画像破綻が起きませんので、積極的に攻めていると言う事になります。

生産数がかなり少なくて希少なレンズなのですが、希少なのはレンズだけではなくてアクセサリにも及びます。フードもオプションであるみたいなのですが見たことが無くて、諦めてタクマー用フードを流用していたと言う事になります。今回ラッキーな事にフードを見つけたという感じで、即刻入手してしまいました。

やはり希少品レンズといえども、レンズキャップとフードくらいは純正品で揃えたい気持ちはあります。色々探していてようやくフードを手に入れましたので、嬉しいのですが反面実直真面目に作られている武骨なフードですので、タクマーのフードを付けた方が恰好が良くなると言った感じです。

雨の休日で家の用事もありましたから、ほんの少しだけ玄関先の花を撮影しながらフードの効果を確認します。これから先は春爛漫の陽気になりそうで、期待しながら休日を過ごしていると言った感じです。梅や桜の花に期待しながらようやく朝晩が温かくなってきましたので、準備万端と言った感じです。

それでは、先月中旬に撮影した写真から掲載します。

PENTAX K-1 EBC Fujinon-T 135mmF2.5

撮影データ:1/25sec F8 ISO100

暖かくなってきて、あしびももう満開になってきました。やはりピンクの花はきれいで、これから桜までの貴重なピンク色になります。

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Cosina Wide 20mmF3.8 Macro

2021-04-05 06:52:55 | 国産レンズ

リーズナブルな超広角レンズといった感じで、出張時に覗いたカメラ屋さんで新品購入をしたレンズです。結構安く購入したのですが、後からWebで調べてみると希望小売価格が結構高額であることを知ってびっくりしました。リーズナブルな価格で手に入った超広角レンズなのですが、コシナさんもしっかりしたレンズを作るメーカですので、写りの方も実直真面目という感じです。

購入時にフードを探したのですが、オプション品でも売られていないとの事で、自作して取り付けたという感じです。20㎜レンズとなるとかなり画角が広くなりますから、市販のワイドレンズ用フードでは四隅がけられてしまって面白くありません。結局タクマー用の大型フードを参考にしながら、作っていったという事になります。

その後SMCタクマー20㎜F4.5を購入できるチャンスがありましたので、コシナワイド20㎜F3.8の出番がかなり減ってしまいました、タクマーと比べると歪曲収差もかなり出てくるために、歪曲収差を表現に出す用途ではかなり使えるのですが、見たままそのままの広角画像を得ようとすると少し無理があるような感じです。

しかしそれよりも撮影の難しさを感じさせてくれるのが、フレアとゴーストという事になります。何しろ超広角レンズですから、日中太陽の方向に少しでも向くと画角範囲内に太陽が入ってきます。この頃のレンズはマルチコートとはいっても発展途上ですので、盛大にフレアが発生してしまう事になります。

斜光が入ったとしてもうっすらとフレアが出てきますので、ファインダー像では見つけられずに後からがっかりという事になっていたりします。SMCタクマーはその中でもやはり多層コーティングの実力が出てきて、ゴーストもほとんど出てこないという感じなのですが、SMCタクマーと比べると確かに見劣りがする性能です。

しかし、この事を熟知して太陽を背にして順光撮影に徹するようにすれば、かなり良好な結果を得ることができます。問題はコーティング性能にある訳で、ボケも素直に表現されますし、ピント位置にある部分は解像度も高いですから、歪曲収差を活かした広大なパースを十分に楽しむことができます。

ある意味魚眼レンズとはいかないまでも、無理のない超広角撮影を十分に楽しむことが出来るレンズですから、直線部分が画面内に無い場合には歪曲収差も気にはなりません。コシナさんもドイツ系レンズのOEM製造も手掛けていたおかげか、発色の度合いはかなりこってりとした感じです。

この発色の具合はかなり気に入っている感じで、これからの春はコシナさんのレンズが活躍をしてくれて、メリハリのある抜けの良い画像を提供してくれますし、梅雨の季節になった時の少し渋めの発色はSMCタクマーという風に、使い分けていたりします。しかし、逆光でも結構耐えてくれるのがSMCタクマーですから、盛夏の頃の超広角撮影はSMCタクマーという感じです。

春の草花が咲き始めるにはもう少しといったところなのですが、早く咲き始めるマンサクの花はすでに満開になっていますので、空をバックに撮影するのも濃いめの発色で満足できますから、コシナさんののレンズを持ち出すことにしました。思わず逆光雰囲気で撮影したくなるのですが、そこは我慢して太陽を背にして撮影します。

思ったよりもきれいに空の青色が出てきてくれて、かなり安心したという感じです。背景ボケもきれいにまとまってくれますので、晴れの休日らしいカットが撮影できて満足できたという感じです。

それでは、先々月末に撮影した写真から掲載します。

PENTAX K-5 Cosina Wide 20mmF3.8

撮影データ:1/1000sec F5.6 ISO200

寒い日もあったのですが、まんさくの花もいよいよ満開になってきました。花弁が伸びてくるとまんさくの木が黄色い衣をつけたようになります。

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Komura 135mmF2.8

2021-01-17 06:53:35 | 国産レンズ

昔のキット・レンズと言えば50㎜標準レンズと135㎜望遠レンズといった感じで、この2本があれば大抵の撮影が行えますから、昔のフィルムカメラをお持ちの方は、この2本は必ず持っていたという感じです。135㎜望遠レンズは安くてもそこそこ明るくて、良く練習をして手振れをしないように体を固定すれば、手持ち撮影も何とかできますから良くチャレンジしていたという感じです。

大学生時代にメーカそのものが消滅してしまいましたが、安くて多少扱いにくいことを除けばしっかり写るレンズの評判を聞いていました。しかし、メーカが消滅してしまうと入手は困難になってしまう感じで、就職してレンズが買えるようになった時には忘れ去ってしまったというところです。しかし、いつかは手に入れてみたいという感じでメーカの名前はうっすらと憶えていたという感じです。

出張でたまたま立ち寄ったカメラ屋さんで勧められたのがこのレンズで、コムラーの名前で大学生時代を思い出したという感じです。懐かしいという気持ちで、かなり良く写るレンズといった記憶がよみがえり、購入してしまいました。帰ってきてからは早速試写という事になったのですが、予想通り堅実な写りで、しっかりと絞り込んで撮影すれば収差も程よく取れてしっかりとした画像になってくれます。

販売されていた頃はオート絞り全盛でしたから、コムラーの特徴であるプリセット絞りは貧弱に思われても仕方がありません。フィルム時代にプリセット絞りはかなり使い辛くて、開放測光にもなりませんから撮影までの時間ロスがかなりありました。結果として疎んじられた存在になってしまい、メーカそのものも消滅してしまった感じです。

しかし、時代は変わってディジタルカメラ全盛になりました。ISO感度も変え放題ですし、絞り込みAE機能もしっかりと動作してくれます。ファインダー像で絞り込みながら被写界深度と背景ボケ量を確認して、ちょうど良い雰囲気でシャッターを押せばベスト・ショットになる訳ですから、ディジタルカメラの時代になって活路が見いだせたという感じです。

しかし、昔ながらのマニュアル・フォーカスで、しかもプリセット絞りのレンズですから、初代タクマーを含めてこの時代のレンズは、一切オートという雰囲気を持っていませんので、扱いにくくて面倒くさい印象を持っています。元来オート機能を満足するための余計な空間やレンズ構成が一切ありませんので、描写性能からすると一番少ないレンズ構成で高いパフォーマンスを得やすい素地を持っています。

オート機能を省いた分、シンプルで確実な性能向上が得られますから、初代タクマーを含めてプリセット絞りのレンズには外れたという印象がありません。有るとすれば長焦点大口径レンズに有る取り切れなかった収差くらいで、それもレンズ構成の自由度が大きいですから最小限に抑えられているといった感じです。

暖かくて、ちょうど嵐の前の静けさのような天候になった休日に、コムラーを装着して撮影行に出かけました。絞り解放で少し収差の影響が出て画像が柔らかくなるのですが、少し絞り込めば解像感も上がってピントの芯もはっきりとつかめます。また、プリセット絞りのおかげでほぼ円形の絞り形状になりますから、点光源ボケも変に角ばらなくてよい感じです。

自身が大学生の頃に忽然と姿を消してしまったメーカですが、自動機能を考えずにレンズ性能を考えると、今の時代でも立派に通用する感じで、メーカの実力を感じさせてくれる銘玉です。叩き売りの様に売られているレンズなのですが、買っておいてよかったと感じさせてくれます。

それでは、昨年末に撮影した写真から掲載します。

PENTAX K-1 Komura 135mmF2.8

撮影データ:1/100sec F5.6 ISO400

今年は公園や自宅の木の実も少なくて、鳥たちの格好のえさになってしまったようです。センリョウの実もあらかた食べられてしまいましたので、残った実を撮影しておきます。

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XR Rikenon L 50mmF2(Asahi Pentax ME)

2020-12-12 06:53:50 | 国産レンズ

ここの所ペンタックスさんのレンズばかり持ち出しているような感じで、ツァイスイエナのレンズも久しぶりに使いましたから、これからはいろいろなレンズを使おうという感じです。ようやく秋も深まってきて黒白フィルム三昧という事になったのですが、フィルム用となると切れの良いレンズを装着したくなります。

50㎜F2のレンズは、元々廉価版の標準レンズですので、かなりコストダウンを図っているという感じです。それからすると普及版のF1.8クラスのレンズはかなり豪華という感じで、その分ボケの柔らかさやほんの少しだけの明るさのメリットを得ることができます。しかし、双方を使ってみてもあまり差はないわけで、F1.8クラスのレンズをほんのひと絞り暗くする時の効果が出てくるという事になります。

ほんのひと絞り暗くすると、少し点光源ボケに角が付くのですが、あまり気にはなりません。むしろヒントが少し外れた部分や、輝度差のある部分での色にじみが少なくなりますので、F1.8レンズにしてもほんのひと絞り絞ったF2あたりで使う感じです。F2レンズの場合は初めから少し絞り込んでありますので、絞り解放からにじみが少ないという事になります。

多くのレンズではF1.8レンズと違った構成にしている事も有りますが、大抵の場合は絞り羽根の前に絞りリングを入れて暗くしているという感じです。絞りリングは円形ですから、絞り解放から解像感もある程度出ていて収差も少なくなり、そして点光源のきれいな丸ボケが得られるといった具合です。

F1.8の普及版レンズでは、近接時に被写界深度がかなり浅くなって微妙なピンボケを量産することにもなるのですが、F2の廉価版レンズでは少し深度が深くなってピンボケも少なくなります。少し暗くなることを我慢すれば、かなり撮影時のストレスも軽減されるレンズという事もできます。間違って絞り解放で撮影してもそこそこ満足できる画になるがために、初心者用レンズとしても十分に使えます。

このXRリケノン50㎜F2も使いやすいレンズなのですが、庶民のズミクロンという評判が出てからは、おいそれと中古品で見つけることが出来なくなってしまいました。初期品はそれほどコストダウンも図られていなかった様子でかなり希少で高いのですが、Lマークの後期品はコストダウンがしっかりと図られていて、少し軽くてチープな印象を受けます。Lマーク品の方が見つけやすい印象で、写りの差もあまり判りません。

空気までも写ると評判のズミクロン50㎜F2は、どれほどのレンズなのか判らないといった感じなのですが、確かにしっかりと写ってピント合わせも行いやすいXRリケノン50㎜F2は、評判通りといった感じです。コントラストも高くてはっきりと写せるのですが、中間調の表現は少し苦手といった感じです。

それでもあまり苦労せずに満足のいく仕上がりになりますので、特にフィルムを使うときによく持ち出してくるという事になります。フィルムは銀塩粒子が見えてきますので、少しコントラストがあって硬調に写すレンズの方が調子が相殺されて、満足できる仕上がりになります。現像液との兼ね合いにもなるのですが、少し粒子を溶かしてのっぺりとなるD-76系の方が良くなる印象いです。

今回は粒子をしっかりと表現するHR-DEV現像液との兼ね合いを確かめたくて、黒白フィルムを装填して撮影します。結果はかなり粒子がはっきりと写って全体的にくっきりとした印象になります。薄暗い部分は粒子がはっきりと出ていて力強い印象になりました。しっとりと写したいときは、ミクロファインも良さそうです。色々試している秋の休日ですが、XRリケノンの持つ雰囲気も応用出来たような感じです。

それでは、先月初めに撮影した写真から掲載します。

AsahiPentax ME XR Rikenon L 50mmF2

撮影データ:1/250sec F5.6 Rollei Superpan200

街路樹のケヤキの木は、紅葉の盛りを過ぎていっぱい葉を散らせています。もう少しで枝だけになってしまいますので、今のうちに撮影しておきます。

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