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あるいて・みつける

歩く速さで見つけたものを、記録に残していきます。ゆっくりと歩けば、いろいろなものが見えてきます。

XR Rikenon L 50mmF2

2022-06-30 06:51:12 | 国産レンズ

和製ズミクロンとも呼ばれているリコーさんの銘レンズなのですが、元はと言えば廉価版で輸出用のカメラに付属して売られていたレンズです。このためにしなやかではっきりとした描写を望むときには、国内向けに売られていたF1.8の標準レンズが有りますから、殊更このレンズがおすすめと言う訳でも有りません。

そもそもライツの写りと言う事なのですが、ズミクロン自体今まで手にしたことが有りませんし、そのレンズも今でいうアトムレンズらしくて、黄変しているかもしれないといったあまり手に入れたくないレンズになっています。空気まで写るとは言いすぎかもしれないのですが、克明な描写が特徴と言う事になります。

コストダウンを行い易いレンズになっている事は確かで、初代のレンズの後で更に部品の種類を安価なものにして、コストダウンを図ったLレンズが存在します。手に入れたのがこのレンズなのですが、かなり軽量化されている感じで、鏡胴の持ち重りも少ないですし、全体的に安っぽく作られています。

試写をしてみるとコントラストをかなり上げているレンズで、かなりきびきびとした写りが楽しめます。現代流の写りをするレンズな訳で、大きな破綻も無く至って普通に写せます。このレンズとカメラを考えると、あまりボケ味や立体感をウリにしているレンズでも有りませんので、ごく普通の集合写真や記録写真用としてもてはやされたのではないかと思います。

F1.8クラスの明るい標準レンズをF2まで絞り込んでいるレンズとも考えることが出来ますので、絞り解放まで解像感やコントラストも落ちないという利点が有ります。背景ボケはあまり柔らかくならないのですが、F1.8よりもほんの少し暗いというだけで明るいレンズですから、夜のスナップ撮影ではかなり威力を発揮するといえそうです。

夜の飲み会もコロナ禍でさっぱり無くなってしまいましたが、この時のスナップ撮影では特に威力を発揮しそうなレンズです。草や花の撮影では森の中の薄暗い雰囲気で撮影するときに威力を発揮しますので、そこそこ使い勝手が良いレンズとなっています。しなやかで精緻な描写とは違って、線が太くがっしりとした描写をしますから、力強さを出したいシーンには最適です。

一通り初夏までの花が咲き終わったという感じで、あとは梅雨の季節に咲く花が待ち遠しいという感じです。撮影行に出掛けるとアジサイの花はまだつぼみなのですが、しっかりと準備の方が整ったという感じで、これから雨の季節になって湿度が上がってくると、きれいに咲きだしてくるような感じです。また、このところの暑さでシャラの木も蕾を大きく膨らませてきています。今までは葉に隠れてあまり見えなかったのですが、これから楽しみと言ったところです。

休日は雨の日の中でぽっかりと空いた晴れマークで、朝から十分な光量が稼げる良い1日になりました。これが梅雨の前の最後のからっとした晴れの天気になりそうで、清々しい空気をいっぱい吸って撮影を行っていきます。もうすぐ梅雨の季節で、この原稿と投稿するころには梅雨末期の大雨になっているかもと考えながら、撮影を勧めています。

それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。

PENTAX K-1 XR Rikenon L 50mmF2

撮影データ:1/3200sec F2.8 ISO100

いつも梅雨入りのころに咲くピラカンサの花も、今年は少し早まったようです。すでに満開を過ぎていましたが、晩秋のころの赤い実でも楽しませてくれる公園の木です。

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Chinon MC Macro 50mmF1.7

2022-04-27 06:51:20 | 国産レンズ

春になって陽光がまぶしい季節になると、草木も手の届かない場所から手の届く近くで花や新芽を出していくと言う事になります。この時期から咲き始める梅や桜の花も固まって咲いていきますから、段々被写体の大きさが大きくなっていく頃でもあります。近寄って撮影することが出来ますから、レンズも望遠から広角へと移っていく訳です。

その中で、この時期に活躍してくれるレンズがあります。春はやはりふわっと柔らかい印象ですから、カリカリのマクロ撮影というよりは柔らかなマクロ撮影をしたくなります。この時に活躍してくれるのがケルン・マクロスイターと言う事になるのですが、本物はまだ見たことが無くて、値段表だけ見たことがあるのですが、おいそれと購入できない銘レンズです。

マクロスイターは、独特のマクロ雰囲気を持っていると言う事になるのですが、敢えて設計値以上の繰り出し量を持っているレンズと言う事になります。特に近接域での長い繰り出し量によって、出てくる収差をうまく使っているというのがマクロスイターと言う事になります。このためピントの芯は残しながら柔らかな雰囲気が写せるといった特技があります。

このため販売されていた頃はあまり注目もされなかった訳なのですが、ディジタルカメラの現代になってようやく価値が認められ、元来希少なレンズでもありますから、手に入れることもそれだけの金額を出す気にもならないといった銘レンズになってしまいました。紹介本にも掲載されているのですが、アルパマウントとほんの一時期に、このM42マウントレンズが販売されていたと言う事です。

本当のマクロスイターであれば、もう手に入れることも出来ないくらいなのですが、チノンさんとアルパ社がOEM関係にあった事から、この様なレンズが発売されているという感じです。このレンズの基はOEM生産していたオートアルパマクロ50㎜F1.7であろうと考えています。レンズもアルパ社から供給を受けていたと考えられ、ヨーロッパレンズ独特の赤色のコーティングが施されています。

チノンさんは鏡胴設計や機構部分の設計が得意ですから、レンズ玉以外は自社生産してOEM組み立てを行っていたと考えられます。そのオートアルパマクロ50㎜F1.7に自社銘板を取り付けたのがこのレンズと考えられ、外観はマクロスイターと瓜二つになっています。ある時に中古屋さんで見つけて即購入したレンズですが、チノンさんの銘鈑ですから、かなりリーズナブルに購入できたという感じです。

春のうららかな日に、被写体にぐっと近寄ってマクロ撮影を行います。元来のしっかりとアポクロマート構成が施された標準レンズですから、標準レンズの最短撮影距離よりも短い所で撮影すると、このレンズの真価が顕れてくると言う事になります。ピントの芯は出ていますので合わせ込みは楽なのですが、カリカリに写る訳ではなくて目で見た感じの柔らかさで写せるのがこのレンズの特徴と言う事になります。

春の陽の柔らかな雰囲気に浸りながら、出てきたばかりの新芽や花を雰囲気良く撮影する。実はこのレンズで秋の紅葉の時も、柔らかな日射しを表現するのに使ったりしますので、年2回ほどの活躍チャンスがあるレンズと言う事も出来ます。ぽかぽかと暖かな雰囲気が表現できますから、結構夢中になって撮影したという感じです。

それでは、先月下旬に撮影した写真から掲載します。

PENTAX K-1 Chinon MC Macro 50mmF1.7

撮影データ:1/640sec F4 ISO200

暖かくなって、苔の緑も濃くなってきたと思ったら、花が咲いていました。これからどんどん緑が濃くなっていって春本番になります。

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M42レンズも

2022-03-20 06:52:31 | 国産レンズ

ここのところペンタックスさんのレンズばかり使っている撮影行でしたが、M42レンズというカテゴリーで眺めると、国産レンズや海外レンズも多く持っていたりします。元々アサヒペンタックスSPからカメラの趣味を始めていますので、装着できるレンズはM42マウントを採用した国内外を問わない幅広いレンズ群になります。

レンズを使うことで世界中の描写雰囲気を体験することができますので、なんだか世界旅行をしたような気分になってしまうのもM42レンズの特徴です。最近では国産フィルムもフジフィルムさんだけになってしまいましたから、輸入品のフィルムを使う機会も増えて、世界中のフィルムの味わいを試すことができることも出来るようになっています。

このM42レンズを考えてみると、一時期は国内の各メーカや国外の各メーカが生産する一種の統一規格になっていましたので、今でも中古品棚には多くのM42レンズが並んでいるということになります。国内メーカのレンズが選び放題の状態になっていましたので、居ながらにして世界のレンズが楽しめる状況が今でも続いているということになります。

しかし、M42レンズは名前の通りM42ピッチ1㎜のねじ規格マウントです。おおよそ3回転半くらいねじ込んで固定する方式ですので、今のカメラに搭載されているバヨネット・マウントと比べると、固定位置の正確さや面倒くささという点で、かなり見劣りがするという感じです。ペンタックスさんも今ではバヨネット式のKマウントになっていますので、中古品でもなかなか注目されないということになります。

このことが利点になってか、M42レンズの中古価格はかなりリーズナブルで、名門ドイツのテッサーも、現代の国産レンズと比べると半値以下くらいのリーズナブルさです。タクマー・シリーズのレンズも、現代レンズの1/4位の価格ですから同じ予算でレンズがいっぱい買えてしまうことになります。

また、この頃のレンズはかなりシンプルに作られていて、コツさえ覚えてしまえば簡単にばらばらにすることができます。すなわちカビが生えたりほんの少し曇りがあったりしたときは分解してレンズを取り出し、きれいに清掃して原状復帰させることが可能です。メーカ修理が終了してしまっていても、自家修理が可能で簡単に清掃ができるメリットは嬉しく思います。

昔ながらの光学系という非球面レンズも分散レンズも使われていないレンズなのですが、各メーカともに工夫して収差を少なくしており、ほんの少し残された収差が味わいとなってメーカの特徴となっている感じです。現代レンズのように収差を取り除いてしまうと蒸留水のようになってしまいますので、ある程度収差残しをしてあるレンズが面白いということになります。

この休日は、フジノンのレンズを使ってみることにしました。フィルム・メーカが作るレンズは、ある意味フィルムの特性に合わせて作られていますので、フィルムで撮影をすると無敵の感じです。今回はオルヴォのフィルムと掛け合わせてみたのですが、いたって素直なトーン変化を示してくれて満足しました。いろいろなチャレンジが行えるのもM42レンズならではというところです。

それでは、先月中旬に撮影した写真から掲載します。

Fujica ST-605Ⅱ Fujinon 55mmF2.2

撮影データ:1/125sec F7 Orwo UN54(ISO100)

黄色のマンサクはまだですが、オレンジ色の早咲きのマンサクは満開になっていました。今年は公園のマンサクのつぼみが少なくて、少し寂しい春になりそうです。

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Auto Mamiya/Sekor SX 50mmF2

2022-03-08 06:53:50 | 国産レンズ

色々とレンズ・マウントを改良しながら、中判カメラメーカとして知られているマミヤさんですが、一時期は35㎜判フィルムカメラも作っていました。しかし、バヨネット・マウントのカメラが多くて今まではあまり興味もなかったのですが、ほんの一時期だけM42ねじマウントも生産していた時期があったわけです。

最初のレンズは、どのM42マウントのカメラにも合うような至って普通のマウントだったのですが、開放測光の流れが出てくると色々な付属機構が付いてくることになります。SMCタクマーであればマウント部の内側に伝達ピンがあるのですが、マミヤセコールのレンズは外側の絞り環の所に伝達ピンがあります。

伝達ピンを削れば、何とか昔ながらのペンタックスSPに取り付けられると、ピンを削ってみたのですがそれでも収まりません。結局防水対策として絞り環の幅を深くしてマウントの溝と合わさるような構造になっていることに気付いたわけです。このため絞り環を一旦外して紙やすりで延々削ると言う事になってしまいました。

かなり苦労してようやく撮影できるまでにこぎつけたレンズなのですが、その分多く手心が加えられている訳で、愛着の有るレンズになってしまったという感じです。レンズ自体は流石報道用カメラを作っていたマミヤさんですから、しっかり確実な画像になってくれる訳で、この頃のマミヤさんのレンズは富岡光学製のOEM品である事も多く、もしかしたらという気にもなったりするレンズです。

以前からディスプレイ撮影用のカメラとレンズは、ペンタックスMEとXRリケノン50mmF2を使っていたのですが、ペンタックスMEの調子が今一つというところで、少し濃度むらも出てくるようになりました。原因はシャッターと言う事が大体わかってきたのですが、この際修理か買い替えという感じで、ピンチ・ヒッターの組み合わせを考えていました。

やはり同じようなレンズ構成のレンズは有るという感じで、同時期に発売されていたこのマミヤセコール50mmF2とフジノン50mmF2.2も、前玉部分から見る限りは同じようなレンズ径と反射の具合もほぼ同じです。フジノンの方がかっちりとした写りになるのですが、反面黒つぶれや白飛びになりやすくて、結局どれが良いかと言う事になると、少し昔の写りになるマミヤセコールが選ばれるという感じです。

年が明けてから少しずつ黒白フィルム撮影を行っていますが、晴れた時間に余裕の有る休日でないとなかなか撮影行に出掛けられませんので、これから天気が良くなる予想の休日が絶好の日和になりそうです。ふと気づいたら停止用のクエン酸液が残り少なくなっていましたので、準備したというところです。酢酸でも良いのですが、やはり酸っぱい香りが漂わないクエン酸液の方が使いやすいというところです。

2月の節分の時期は暦の上では雪も少なくなるのですが、ここの所2月初めの休日は雪模様となる感じです。雪の降り方が弱くなって好天に恵まれるまではあと1週間位の我慢な訳で、ディスプレイ撮影を行いながらしのごうという感じです。

それでは、先月初めに撮影した写真から掲載します。

Asahi Pentax SP Auto Mamiya/sekor 50mmF2

撮影データ:1/15sec F3.5 Foma Fomapan200(ISO100)

以前掲載した写真ですが、黒白フィルムにするとフォマパン200の特徴が出てきてコントラストも少し上がり、雪に透ける光が印象的な感じになってくれます。マミヤセコールも少し柔らかくなる印象があるのですが、十分に使えるといった感じです。

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XR Rikenon L 50mmF2

2022-02-02 06:51:38 | 国産レンズ

何かと和製ズミクロンの評判が多い、いたってリーズナブルに作られた標準レンズです。今では中古流通数もかなり少なくなってきていて、プレミアがついてしまってびっくりするくらい高額な中古レンズになっているのですが、元は海外輸出向けの普及型カメラについていたレンズです。国内向けにはもう少し明るいレンズがありましたので、むしろそちらのレンズがお勧めできる感じです。

この時期の50㎜F2レンズは、大体同じようなレンズ構成が採用されているみたいで、前玉の直径も少し小さな印象です。少し絞り込んであると考えたほうがよさそうで、絞り解放から滲みも収差も少なくなっているのが特徴です。このためはっきりとした画像が得やすくて失敗も少なくなっており、初心者向け標準レンズとすれば上出来という感じです。

半面少しコントラストが上がって背景ボケもとろけるような柔らかさにはなりませんので、立体感のある描写となるともう少し明るい50㎜F1.8クラスの普及型レンズのほうが満足できるということになります。しかし、多少乱暴な設定で撮影したとしてもそれなりに写ってくれますので、安心して撮影ができるメリットもあります。

今回の撮影はオルヴォN75フィルムを使おうと考えていたのですが、いたってまじめなトーン変化をしますので、メリハリのある画像となると少し不得意な感じです。それならばレンズでパキパキに硬い描写にすれば、画質が相殺されてちょうどよい雰囲気になると考えていました。やはり解像感はそこそこ有ったほうが見易い訳です。

撮影行の当日は、前日まで雪や雨のぐずついた天気を引っ張っていますので、雲も少し厚くてすっきりとはしない天気です。コントラストが下がり気味になるのですが、ここで中庸なトーン変化をするレンズを付けてしまうと、画像が眠たくなってしまってあまり面白くはありません。このようなときに使えるのがXRりケノン50㎜F2で、少し硬めの描写をするレンズと組み合わせる事によって、中庸なトーン変化になることを期待します。

昼からになると雨が降ってくる天候でしたので、午前中に手早く撮影してきます。普段回るルートの半分くらいの距離でしたが、予定通り16カットほどの撮影を終わらせることができました。暮れからお正月に降った雪がようやく溶けた後ですので、周り中見渡しても荒涼とした景色ということになります。

何もないように見えますが、雪で押しつぶされてしまった草木が又顔を出していますので、少ししおれてはいますが立派な被写体になってくれたという感じです。雪が積もっているときには見えなくなっていたススキの穂も、少しの穂が元通りになっている感じです。すべてが押しつぶされてしまうと荒涼とした景色になってしまうのですが、少しは元通りになっていると、その景色に物語が生まれてくるような感じで、格好の被写体になってくれます。

帰ってきてからはのんびりと現像作業を行い、ネガの調子を確かめます。オルヴォN75フィルムは思ったよりも銀の含有量が多そうで、少し黒っぽく仕上がるのですが、その分中間調の表現が素直になっています。グレー域の諧調が豊かなフィルムは格好の良い仕上がりになってくれて、流石は映画用フィルムと感心した次第です。また、高感度フィルムなのですが、思ったほどに粒子が出しゃばらない大人しめの表現をします。

やっとオルヴォN75を使った撮影ができました。結果にも満足と行ったところです。

それでは今月初旬に撮影した写真から掲載します。

Asahi Pentax ME XR Rikenon L 50mmF2

撮影データ:1/125sec F2.8 Orwo N75(ISO320)

雪に埋もれてしまって、しなびてしまったブロッコリですが、ブロッコリのつぼみの部分が黒つぶれしないで残ってくれて、それなりに描写してくれたという感じです。

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