goo blog サービス終了のお知らせ 

あるいて・みつける

歩く速さで見つけたものを、記録に残していきます。ゆっくりと歩けば、いろいろなものが見えてきます。

Auto Chinon 55mmF1.4

2022-12-07 06:51:51 | 国産レンズ

富岡光学のレンズと言うと、人気が高いうえにこれは本当に富岡光学なのと、疑心暗鬼になりそうな雰囲気を持ったものが多く存在します。何しろ富岡光学銘の入ったレンズは本当に少なくて、大抵はOEM供給先のメーカ銘が刻印されています。富岡光学は色々なメーカにレンズをOEM供給していましたので、同じ種類のレンズで富岡光学銘のレンズがあれば、少し安心と言ったところです。

研ぎ澄まされた刃先のような被写界深度で、絞り解放付近からかなり解像感の出ているレンズなのですが、いかんせん極薄の被写界深度である事も相まって、手持ちで近接撮影を行うと微妙なピント外しを量産する事になります。かといって絞り込むと被写界深度は確保できるのですが、今度はコンパクトカメラのような良くもなく悪くもなくの一般的な雰囲気になります。

標準レンズなのに三脚が必要になるレンズでも有りますから、扱いが難しいレンズと言う事が出来ます。しかし、上手く条件が整うととても雰囲気の良い画像を手に入れることが出来ますので、また挑戦しようという気にさせてくれるレンズでも有ります。所有している標準レンズの中では一番満足できるレンズで、これからも使っていこうという気にさせてくれます。

それでも一番手っ取り早く富岡光学の写りを堪能できる方法があって、このレンズであればほぼ間違いなく富岡光学製というものも有ります。それはヤシカのレンズで、富岡光学がヤシカのカメラ用レンズをOEM生産していたことにも由来します。このためヤシカのカメラはかなり人気があると言う事になるのですが、一時期ヤシカもM42マウントのカメラを作っていましたので、M42ヤシノンは今でもかなり高価です。

その他にも暖色の表現が良くて、これからの紅葉シーズンでは暖かみのある表現が欲しくなりますので、暖色系の表現に強い富岡光学のレンズは、この季節になると持ち出してくると言う事になります。このオートチノン55㎜F1.4も解像度がすごく高いレンズで、キレッキレの描写をするのですが、反面扱いにはかなり苦労するレンズでも有ります。

今回の撮影行はきれいに紅葉した風景描写が主体になるのですが、必要な画角と言うと中途半端な感じです。標準レンズではもう少し画角が狭い方が良いし、かといって85㎜中望遠レンズでは少し画角が狭くて面白くないと言った贅沢な雰囲気になります。標準以上中望遠未満といった感じで、ペンタックスさんの77㎜レンズがちょうど良さそうです。

それならばと言う事で、APS-Cサイズのディジタル一眼レフ・カメラを準備します。久しぶりに使うK-5なのですが、スライドデジコピアを使って、フィルムのスキャニングも行っていますので、使用頻度が低くなったと言う訳でも有りません。K-1とK-5は基本的な操作系がほとんど同じですから、違和感がないのが嬉しい所です。

秋は紅葉の真っただ中という感じで、かなり近くの葉も紅葉してきています。標準レンズでも良さそうなのですが、ほんの少しの圧縮感と後ボケの柔らかさは必要といった所で、背景ボケも1.5倍の大きさになるAPS-Cサイズのカメラは面白いといった所です。これから木々はどんどん葉を落としていきますので、見頃の内に撮影が出来て良かったという感じです。

それでは先々月末に撮影した写真から掲載します。

PENTAX K-5 Auto Chinon 55mmF1.4

撮影データ:1/1600sec F3.5 ISO100

まだあられは降ってきていないのですが、寒い日が続いてサザンカも花を咲かせ始めました。赤色のサザンカはもう少し後なのですが、先に観賞用のサザンカが花を開くという具合です、

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

XR Rikenon L 50mmF2

2022-10-12 06:50:35 | 国産レンズ

輸出向けのカメラにリーズナブル・バージョンの位置付けで、カメラと一緒に販売されていたレンズです。入門用カメラについていたレンズで、どのような写し方をしてもそれなりに写りますから、人気が高かったのではないかと思います。特に夜の飲み会の記念写真などには、絞り解放からそつなく写せますし、被写界深度もそれなりに確保される写し易いレンズです。

特にぶらぶら歩きながら撮影するスナップ撮影には、おっと思ってすぐ撮影しても失敗が有りませんので、お散歩撮影用としては無敵です。この頃の50㎜F2レンズは、大体同じような格好をしていて、前玉径が少し小さな標準レンズと言ったいで立ちです。写りも大体同じような感じです。

それでも唯一タクマーは、昔からある標準レンズに手を加えてある印象で、55mmF1.8のレンズに絞り環を噛ませてF2にしてある点が特徴です。何しろ一番リーズナブルでそれなりに写るレンズに仕上げてありますので、コストダウンと写りの相反する事柄を解決するためにこのような格好になった印象です。

タクマーの場合は55㎜F1.8レンズの完成度が高くて、F2レンズにしてもユーザに悔しい思いをさせたくないという考え方から、作りやすくて一杯生産しているレンズに、少しだけ追加工を施してF2レンズにしたという感じです。しかし、このレンズもSMCペンタックスMレンズからは、XRリケノンと同じ少し前玉が小さいコスト・パフォーマンス重視の設計になっています。

とにかく汎用性が高くて、色々なシーンでもそつなく撮影できるのが嬉しいレンズです。しかし、レンズ自体の味わいとなると、色々な粗が見えてきてそれ以上の満足は得られないと言う事になります。コントラストを高くして輪郭を強調するように作ってあるのですが、しなやかな描写を求める時には、やはり55mmF1.8のタクマーと言う事になります。

このそつなく写せる性能を活かして、スナップ撮影も悪くは無いのですが、最近行っているディスプレイの黒白フィルム撮影でも、ディスプレイに表示されている写真をそつなく写し込むと言う事が出来ます。ディスプレイと黒白フィルムを比較すると、黒白フィルムの粒度よりもディスプレイの表示ドットの方が細かいですから、楽に撮影できると言う訳です。

休日の1日は雨模様という予報がでていましたので、夏の間に撮り溜めたシーンの中で黒白フィルムに合いそうなカットを選んで、撮影を行っていきます。最近ではディスプレイの映り込みを防ぐために濃い茶色の布をひいていますので、見たままそのままの雰囲気がフィルムに記録されると言う事になります。後はフィルムの味わいが加わると言う事になって、より味わい深い雰囲気に化けてくれると言う事になります。

後は現像液を出したいトーンや粒度を考えながら選択して、一連の現像作業を行った後でスキャニングを行います。何しろディジタル現像の時点で必要な焼き込み操作や露出補正を行っていますから、ほぼニュートラルなトーンの状況でフィルム撮影が行えて便利です。雨の日は撮影行に出掛けられないのですが、このような事をして過ごしていると言う事になります。

それでは、先月初めに撮影した写真から掲載します。

Asahi Pentax ME XR Rikenon L 50mmF2

撮影データ:1/8sec F4 Fujifilm Neopan100AcrosⅡ(ISO100)

とさみずきの実も晩秋までのお楽しみですが、しっかりとトーンが出てくれてかなり満足できるトーンに仕上がったという感じです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Zenzanon MC 150mmF3.5

2022-09-02 06:51:25 | 国産レンズ

例年になく早い梅雨明けだったこともあって、途中梅雨の戻りも有りましたが夏の花もほとんど咲き揃ってしまって、今はなんとも寂しげな雰囲気になっています。夏の花が一気に咲いてしまったわけで、これから咲いてくる秋の花の方は今まだ準備中といったところです。梅雨の戻りの雨降りが終わり、太平洋高気圧に覆われるようになってくると夏本番の暑さがやってきます。

さてどうしようかと云う所なのですが、色のついた草花は少なくなっていますし、すでに写真に収めてあるという感じで、新たな視点で撮影と言う事になります。梅雨前線が北に上がっていった後でも寒気が少し残っているようで、夕立のような一気に降る雨があったのですが、それも数日で本格的に暑くなってくると朝から晩まで晴れの天気が続きます。

久しぶりに中判カメラでもといった感じで、ブロニカを持ち出してきました。取り付けるレンズは準広角の標準レンズでも良かったのですが、やはり35㎜換算で80㎜相当になる150㎜望遠レンズに目が向きます。いわばポートレイト画角で撮影できるレンズでも有りますので、ほんの少し注目した範囲の写真が撮れますから、満足できるカットがいくつも出てきます。

ゼンザノンの150㎜レンズはMC無しのモノコート版とMC表示が付いたマルチコート版のレンズが有ります。どちらのレンズもあまり人気が無かったようで、東京光学製の105㎜レンズはかなり人気が有るのですが、150㎜レンズは少しリーズナブルで、2種類のレンズを手に入れることが出来たと言う訳です。

MC無しのレンズはノリタ光学製なのですが、MC付きのレンズは少し垢抜けた雰囲気を醸し出していますので、どのメーカが作ったのだろうという興味があります。実際ゼンザブロニカはカメラを自社で開発していましたが、レンズは日本光学を筆頭にいろいろなメーカがOEM供給を受けています。

写した雰囲気からすると、とても繊細な描写をするという感じで、しっかりと細かな部分まで解像しているのですが、コントラストがそれほど高くはない印象です。このためコントラストが稼げる夏の屋外で撮影すると、かなりはっきりとした結果を得ることが出来ると言う訳です。また、暖色系の色合い部分のトーンがはっきりと出てきますので、これは富岡レンズとも考えたくなるような感じです。

この時期は抜けるような青空ではありませんので、カラー・フィルムでは少し発色が物足りないといった感じになります。全体的にもっさりとした雰囲気になりますので、この雰囲気を上手に引っ張り上げてくれるフィルムと言えば、やはり赤外広域まで特性の伸びたスーパーパンクロマチック特性のフィルムが、メリハリの付いた画像を出してくれると言う訳です。

しかし、休日の朝も起きてみると雲一つない晴天というわけで、青い空に白い雲というシチュエーションはあきらめて、緑の葉のトーンがきれいに出てくるネオパンアクロスを装填します。とはいえ、暑い季節ですから朝ご飯を食べてから直ぐに撮影行に出発し、時間をかけて露出を決定してゆっくりと撮影していきます。どのようなトーンになるだろうと期待しながら撮影するのも楽しい訳で、休日の撮影行は満足できる1日になった感じです。

それでは、先々月末に撮影した写真から掲載します。

Zenza Bronica EC Zenzanon MC 150mmF3.5

撮影データ:1/125sec F4 Fujifilm Neopan100Acros(ISO80)

暑くなってきて、しおれる草花が多い中でもかぼちゃは元気に花を咲かせます。一番元気な野菜で、撮影行に出かけて元気をもらうような感じです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Chinon MC Macro 50mmF1.7

2022-08-29 06:50:38 | 国産レンズ

気軽に使えるマクロレンズでもあり、マクロタクマーのような倍率の高い接写は出来ません。最大倍率は0.3倍くらいの、無理をしていないマクロレンズと言えそうなのですが、標準レンズの明るさを持ったマクロレンズでも有りますので、ボケの味わいの癖も有りますから理解して使う事が必要なレンズでも有ります。

元々はマクロスイターを製造した、チノンさんの国内向けOEM品でもありそうな、よく似ているいで立ちですので、オートアルパマクロ50㎜F1.7のチノンさん銘レンズであろうと思っています。つまりマクロスイターの写りの癖を引き継いでいますので、特にマクロ域における独特の表現が愉しめると言う事になります。

ごく普通の標準レンズなのですが、収差を補正するためのアポクロマート構成が採られています。このまま標準レンズとすればアルパ社の優秀レンズと言う事になるのですが、マクロ域においては多すぎる繰り出し量から独特の収差が現れてきます。設計は普通の標準レンズで、繰り出し量だけが多く設定されている事による収差を愉しめると言う事になります。

確かに撮影してみると、標準レンズの最短撮影距離である45㎝よりも短くなったところから、徐々にハロが増えてきて画像が柔らかくなってきます。しかし、アポクロマート構成の特徴からピントの芯はしっかりと確保されている印象で、単純にふにゃふにゃの画像にならないというところです。レンズのピントリングにもここからはマクロの表示が有りますので、効果を得たい時には便利といったところです。

夏の風景はクローズアップもしたいけれど、やはりいろいろな周辺状況も加味して物語を構成するように、ある意味標準レンズから広角レンズの方が満足できるという感じです。それでもマクロの機能がある程度あった方が、柔らかな後ボケから浮かび上がる立体表現が出来ますので、広角レンズを使うとすればフレクトゴン35mmF2.4がおすすめと言う事になります。

この頃のヨーロッパ・レンズは、何かしら最短撮影距離を短くして、なんちゃってマクロを実現できるように工夫してある所が面白いと感じます。設計値以上に繰り出し量を増やしているがために、レンズの特性と相まって独特の味わいを醸し出すと言う事になります。今では遠景からマクロ域まで破綻なく写せるように、フローティング機構や非球面レンズなどが装備されているというところです。

反面レンズを使っていて優等生の写りも、蒸留水の感覚で味わいが無くなった寂しさを感じることになります。この様な時にある意味ほっとするような写りの癖があると面白い訳で、このチノンMCマクロ50㎜F1.7も写りの癖が気に入っていて使い続けていると言う事になります。

梅雨明けの晴れ間が広がった休日は、朝早くから撮影行に出掛けることにしました。熱帯夜の雰囲気が残る朝なのですが、咲きだした花も有りますのでみずみずしさも一緒に写真に収めていきます。毎日酷暑がこれから続くという感じですが、しっかりと体を慣らして乗り切っていこうと思います。

それでは、先月下旬に撮影した写真から掲載します

PENTAX K-5 Chinon MC Macro 50mmF1.7

撮影データ:1/1000sec F1.7 ISO100

学校が夏休みになるころに咲きだしてくるのが宵待ち草の花で、いろいろな場所で咲いている夏の風物詩のような花です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Komura 135mmF2.8

2022-08-07 06:52:35 | 国産レンズ

昔懐かしいコムラーのレンズです。今から40年ほど前に消えてしまったメーカですので、若い方に話をしてもピンとこないメーカでもあります。社長と専務2名の名前をつないでコムラーのブランド名になっているのですが、一時期はいろいろなメーカのOEMレンズを作っていましたので、しっかりとした画像を得ることができる銘レンズもあるというメーカです。

35㎜判用のレンズはかなりライン・アップもあった様子ですが、今となってみればジャンクで見かけるのがこのコムラー135㎜F2.8ということで、ほかのレンズはほとんど見かけたことがありません。少し悔しかったのがコムラー105㎜F2.8で、かなり高い値付けの中古品でしたが、次の日にでもと思っていたら売り切れていて、多少悔しい感じです。

それほどまでに生産数は少ないかというと、そうではなさそうで貼り合わせレンズをかなり使っていますので、バルサム切れとレンズの曇りなどの修復が難しそうな壊れ方をしますから、もうほとんど真面なレンズが残っていないという、さみしい現実を考えるのが一番当たっているような感じです。

それでもこの135㎜F2.8のレンズだけは、何かしらよく見かけるというのが正直なところで、ねじでマウント部分を挿げ替える構造をしていますので、ユニバーサルな部分が大量生産されていたのではないかと思います。貼り合わせレンズもあるのですが、バルサム剥がれのレンズに今のところお目にかかっていませんので、バルサム剥がれの要因もなさそうです。

昔の手作りレンズですので、とんでもない間違いというのはあるもので、購入したけれど思い切り逆光に弱くてフレアだらけになるので分解してみたら、バルサム接着剤そのものがなかったという思わず苦笑いするようなものまで存在します。何しろレンズ本体のユニバーサル部分は、後ろにマウントのアタッチメントを付ければOKですから、複数個持っていて部品取りにするのも良いと考えています。

コーティングもほとんどなされていない、ある意味昔々のレンズですからフレアまみれになるかというとそれほどでもありません。セオリーに則ってしっかりと鏡胴もレンズも設計されているレンズですから、設計余裕度が高くて画像が破綻しないという特徴を持っています。さすがに逆光雰囲気ではフレアも出てくるのですが、いたって少な目の雰囲気です。

その代わり、オート絞りは内蔵できなかったということになり、コムラーのレンズはプリセット絞りということになります。マウント面からの連動ピンを伝達するだけで、鏡胴内のスペースを食いますので、プリセット絞りは仕方がなかった印象ですが、他メーカがオート絞りや解放測光機能を装備するようになると、とたんに分が悪くなってしまいました。

梅雨に入ってこれは毎日雨模様と思っていたら、だんだん晴れマークの予報が増えてきて、まるで梅雨明けしたかのような猛暑がやってきました。まだ暑さには慣れていませんので、エアコンを効かせながら徐々に暑い雰囲気に体を慣らして、汗を出すようにします。同時に今まで控え気味だった塩をしっかりと取るようにして、汗を出やすくしたというのが本音です。

休日の朝はしばらくすると気温がぐんぐん上がりますので、朝ご飯を食べてからすぐに撮影行に出発します。先週までつぼみだったシャラの花も、この気温にびっくりしていきなり満開になったみたいで、出向いた時にはつぼみの数もかなり少なくなっていました。いきなり夏がやってきたという感じで、これから先が少し心配な感じですが、空梅雨にはなってほしくないと思うこの頃です。

それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。

PENTAX K-1 Komura 135mmF2.8

撮影データ:1/500sec F5.6 ISO100

無事に撮影できたシャラの花ですが、同じく公園に咲いているヒメシャラは昨年咲きすぎて今年は咲かない様子です。無事に撮影できて少しほっとした感じです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする