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あるいて・みつける

歩く速さで見つけたものを、記録に残していきます。ゆっくりと歩けば、いろいろなものが見えてきます。

Komura 135mmF2.8(Asahi Pentax SP)

2015-09-17 18:26:32 | 国産レンズ
コムラーで写真を撮影して来て、昔ながらの解像感と立体感にこれこれと思いながら、少し庭の写真でもと思い付きました。コムラーのレンズは、それこそノンコートに近い昔レンズですから、カラー用と謳っていますが、黒白フィルム用途としてチューニングがされていた頃のレンズです。特にコムラノン以前の古いレンズは、黒白フィルムの方が良く写る感じです。

黒白フィルム現像は、機材さえ整えば始める事が出来ますし、廃液を引き取ってくれるカメラ屋さんを見つけておけば、すべての工程を難なく行う事が出来ます。フィルム現像だけと割り切ってしまえば、使用する液量もそれほど多くはありませんし、今の写真撮影のペースでは数カ月に一回、小さな廃液タンクに半分位入れた所で処理してもらいますから、数カ月に一度と言う按配です。

それでも、現像を自らの手でと云う感じになるのは、コントラストやネガ濃度を自身の撮影した状況に合わせて、微妙に合わせ込む事が出来るからというのが本音です。現像の時間設定でそれが出来るのですが、温度を鑑みながら30秒単位で時間を決めて行きます。今日はもやっとした雰囲気だったから、少し長めでコントラストを出そうとか、色々な事を考えて現像していく訳です。

コツはおおらかに行う事で、液の逆戻しをしない限りは現像液や定着液がダメになると云う事はありませんし、厳密にやってもあまり効果が得られませんから、ゆっくりと確認を行って丁寧に仕上げていきます。現像が終わって停止する際には亜硫酸ガスが出たり、定着液や停止液の酢酸のにおいが気になったりしますので、換気は充分に行いながら実施する事が得策です。

それでも、すべての工程が終わって、リールからフィルムを取り出す際には、撮影した画像を真っ先に確認出来る愉しみがありますので、この愉しみを求めて更に現像作業を続けていくことになります。画像が出たフィルムを見るのは感動ものですから、それが愉しみと云った感じです。自動現像機では行えない様な細かな配慮が行える訳で、ある種病み付きになります。

水洗が終わったら時間をかけて自然乾燥を行う訳ですが、重りでテンションをかけて放っておくのが一番効果的で、フィルム自体に変な癖が付かず真っ直ぐになりますから、あせらずにじっくりと乾かします。クリップも専用のものではなくて、事務機屋さんに売っている、ごく普通の目玉クリップに重りを縛り付けたもので充分と云った気軽さも続けられる理由になっています。現像タンクとリール以外は簡単な台所用品と事務用品で賄う体制が大事と、痛感させられました。

スキャンした結果は、思い通りのトーンが出てきて結構満足と云った感じです。カラーではなかなかできない事ですが、黒白フィルムならではと云った愉しみ方です。
それでは、今月初めに撮影した写真から掲載します。


AsahiPentax SP Komura 135mmF2.8
撮影データ:1/60sec F5 Neopan Acros100
家の庭に生えているやぶみょうがが花を咲かせています。少し前から咲き始めた様ですが、気付かなかったのが悔しい所です。白色の花をきれいに撮影出来るのは、さすが黒白のネオパンで微妙な白色のグラデーションを出してくれます。
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Komura 135mmF2.8

2015-09-13 13:23:23 | 国産レンズ
今では知っている人も少なくなってきて、説明に苦労するようになってきたコムラーのレンズです。M42のねじレンズはもとより、色々なマウントに対応したレンズがあったと感じています。135フォーマット用のレンズよりも、中判レンズの方が数多く見つかる感じで、サード・パーティのレンズ・メーカなのですが、しっかりとした個性を持っていて写りも相当に良いために、コスト・パフォーマンスがピカイチのレンズとしてもてはやされていたように感じます。

コスト・パフォーマンスが良い分、プリセット絞りな訳で、時はすでにオート絞りのレンズがひしめいていて、中には解放測光機能付きのレンズが出てきている状況で、マニュアル絞りのプリセットでは疎遠に見られるメーカであり、大学生の頃には消滅してしまいました。あの頃に一本でも買っておけばと、後悔しきりのレンズ・メーカでもあった訳です。

出張の時には、良くホテル近くのカメラ屋さんによって、その地域でのレンズの品ぞろえを勉強してきたりします。同時に店主の方から色々とレンズに関するよもやま話を聞かせてもらったりする訳ですが、撮影の時に結構役立つ情報も多く、感心しながら聞き入っています。その時に何気なく見つけたのがコムラーのレンズでした。

コムラー、懐かしいですね。確かテレモアのメーカでしたっけ。そのような話題からコムラーのよもやま話になって、高いレンズがなかなか買えなかった学生時代に、貴重なレンズを供給してくれるメーカの心意気が思い出されて来て、思わず購入となったレンズです。中古品でも諭吉さん半分位の値段ですから、今でもコスト・パフォーマンスが最高のレンズです。

安いレンズとは云え、ライカ用のレンズとしても供給されていた実績がありますから、実力を確かに持っているレンズでもあります。貼り合わせレンズが中に入っていますので、高湿や温度差の大きい雰囲気で長時間さらされるとバルサム剥がれやカビで、曇りが出てしまう危険性が多くあります。このため、現存する曇りのない良好なレンズが少なく、数個のジャンク品を買ってきてニコイチにして現状復帰となる訳です。

私の場合も、中古で買ったレンズの絞りの止めピンが外れてしまって、困り果てた挙句に安めの中古品のレンズを2個買って、繋ぎ合せて2個の現用レンズを作りました。壊れてしまった時用にと、1個の筺体とレンズはばらばらにして保管しています。それほどまでして使いたいと云う個性がこのレンズにはありますので、直して満足と言う結果になっています。

遠景では多少の周辺減光がありますから、空を余り入れない事が必要ですが、中景から近景まではその心配がなく、いたって高解像なはっきりとした結果を得る事が出来ます。解像感のピークはF5.6位で、少しいびつな円形絞りですがそこそこきれいな丸ボケを得る事が出来ますから、積極的に絞りこんで撮影します。

K-5では絞り優先AEが効きますから、手軽に高解像で色乗りも良い結果を得る事が出来ます。背景ボケもきれいなレンズですし、解像感と立体感が出し易い優れものレンズですから、ディジタル中心で撮影するのが適している、現代で見直されたレンズとなっています。

それでは今月初めに撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 Komura 135mmF2.8
撮影データ:1/125sec F7 ISO100
もう終わってしまったと思っていましたが、狂い咲きの様で道沿いのねむの木一本だけが、今は満開の感じです。狂い咲きの花が今年は多い様で、異常気象の影響かと考えてしまいます。
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Cosina MC Zoom 19-35mmF3.5-4.5(Nikon FE)

2015-08-26 20:06:38 | 国産レンズ
あまり評判の宜しくないズーム・レンズですが、我が家に残る広角ズーム・レンズと言えば、この様な感じになります。酷評が目立つレンズですが、気取らずに使用するには好適なレンズで、無理をしていない設計から来る質実剛健な写りは、現代でも充分に通用する画質を提供してくれます。

太くて長い鏡胴、そしてラッパの様な形状は、昔からのレンズ種を使用している証でもあります。最新の高屈折率レンズは使われていないと思われ、あくまでもゆっくりと入ってくる光束を曲げて、目標のイメージ・サークルになる様にしています。低コストでしっかりとしたレンズを創るコシナさんらしく、ピントリングを回すと前群も一緒に回ります。

前玉も結構大きく、ゆったりと作られていますから、歪曲収差もそれほど気にならない作りになっています。購入時に付いてきたフードを付けると、レンズ前面が相当に大きくなりますから、カメラよりもレンズが大きくなって少し格好が悪くなります。長くて太い、おおよそ広角レンズらしからぬ風貌ですから、無理もありません。

写りの方は決して悪くは無いと云うのが、使ってみた印象です。安価なレンズですから無理もない事かも知れませんが、Web紹介などを見る限りでは、個体差が結構あるレンズの様です。はずれを引かないためには、中古品を実写してみて、自分の感性にマッチするものを探すしか無い様です。自身の場合は、たまたま中古店で売られていたレンズを、実写してみて購入しました。

それにしても、フルサイズで19mmの画角は超広角ですから、一回は試してみたくなる画角で、被写体に接近してもまだ足りない雰囲気が漂います。更に一歩前進して撮影する事を実践しないと、目標のダイナミックさを演出できません。近寄ろうと思ってもなかなか近寄れない。その時にこのズームのギミックがあります。

35mmまでのズーム域がありますから、もう柵などがあって近寄れない時には、ほんの少し画角を狭めます。意外とすんなり画角の中に入りますし、広角レンズらしい描写もそのまま保持されます。あんまり焦点距離幅を欲張らないズーム・レンズは、この様なほんの少しのトリミングを目指して設計されたものと思われ、好感が持てます。

最短撮影距離は50cmであり、これが高級品レンズと少し違った普及品レンズの範疇と認識する事になります。あと一歩寄りきれないレンズですから、それなりの大きさの被写体を探す事で、満足できる結果を得る事が出来ます。後ボケもそれなりに出てきて、8枚羽根の絞り効果も出て来ますから、F5.6位に軽く絞り込む事で繊細な描画品質を得る事が出来ます。

今回は超広角の雰囲気を堪能しますので、フィルムカメラを選びます。ニコンFEは絞り優先解放測光機ですから、画面が暗くなる事もなく軽快に撮影が行えます。そんなに悪くも無いですよとは、このレンズを使った印象です。APS-Cサイズのディジタル一眼レフ・カメラでは、このレンズの売りである超広角がスポイルされますので、あくまでもフルサイズ・ディジタルかフィルムがお勧めです。

それでは、今月初めに撮影した写真から掲載します。


Nikon FE Cosina MC Zoom 19-35mmF3.5-4.5
撮影データ:1/250sec F5.6 Neopan Acros100
8月10日頃になると、川面はもう初秋の雰囲気ですすきも花穂を広げて来ました。解像感も文句なしで隅々まで破綻が無いレンズですから、しっかりと撮影出来ます。
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Auto Chinon 55mmF1.4

2015-08-10 09:03:25 | 国産レンズ
発色の具合と繊細さで間違いなく富岡光学製と考えているのが、このオートチノン55mmF1.4です。ヤシカのレンズ供給はほとんどが富岡光学であった訳ですが、チノンやレフエ、そしてセコールのレンズにも富岡光学がOEM供給しているレンズがあったりします。

富岡光学と云えば、ヤシカコンタックス・マウントで、ツァイスのレンズ供給を行っていた訳で日本製のツァイスレンズは、当時は富岡光学製であったと思います。今では京セラオプテックと名前を変えていますが、ヤシカから京セラへとツァイスのレンズが変遷していきますので、なるほど納得できる話です。

ヤシカDのヤシコールは、富岡光学製であったと思われ、ピント部分の鋭い描写の切れと柔らかなトーンや立体感が特徴です。そこでまた使いたくなったレンズがオートチノンと云う訳です。富岡シンドロームの再発の雰囲気で、ピント位置を合わせ込むのに一苦労するレンズですが、ピントと被写界深度は55mm標準レンズでありながら、85mmを彷彿とさせる様な研ぎ澄まされた刃先を思わせる様な感じです。

折角の被写界深度を無駄にしないためにも、あまり絞りこまないで撮影します。そして、浅い被写界深度でも、ピント位置の解像度はしっかりと出ている優れものレンズですから、三脚を使ってしっかりとした一枚をものにする撮影スタイルが好適です。手抜きはだめですよとレンズに言われている様な感じであり、真剣に撮影する気力を付けさせてくれます。

革巻きのピントリングや滑らかな操作感など、高級レンズとして所有欲を満たす様な感じですが、マニュアル・フォーカスレンズです。動き回る被写体を追いかけて写すのは、相当の苦労を必要としますので置きピンで被写体がその位置にくるまでじっと待っている必要があります。しかし、ピントの山は確実につかめるレンズですから、待つのも愉しいと云った感じがあります。

流石富岡光学と言える写りが愉しめる、高級品のレンズなのですが中古価格はそれ程高くはありません。M42ねじレンズの世界は、リーズナブルな値段で高級な写りが簡単に愉しめる不思議な世界です。現代のレンズ一本の値段でおおよそ7~8本のM42レンズが購入できますから、色々買って愉しむ事が出来る訳です。オート・フォーカスを諦めさえすれば愉しめる感じです。

加えて、レンズ本来の構成が残っているのもM42レンズの特徴で、レンズの構成と写りの具合が勉強できると云う感じです。現代レンズを使う時でも、この構成ならばこの様な配置で撮影すると良い感じで撮影出来ると考えて写せます。現代のレンズ、特にズーム・レンズは複数の構成を重ねるようにして成り立っていますので、調べておくことも重要な事かも知れません。

そんなこんなで撮影行。とにかく被写界深度が薄いレンズですから三脚まで使わなくとも、ポールや石の上にカメラを固定して、無難に写していきます。体力を使うレンズですが、これもまた良しです。

それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 Auto Chinon 55mmF1.4
撮影データ:1/2000sec F3.5 ISO400
梅雨も上がって咲きだしたのがさるすべりの花です。これから暑い夏を通して咲き誇る息の長い花です。
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Auto Yashinon DS-M 200mmF4

2015-07-19 20:00:50 | 国産レンズ
ごく普通の恰好をした200mmF4レンズです。SMCタクマーにも200mmF4のレンズがあり、ニコンでもAiレンズがあります。この時代の200mmF4レンズは、一般の写真家のための普及品望遠レンズと云う感じで、ほとんど同じ格好をしています。沢山生産されていたようで、中古価格も凄く安めで取り付き易い望遠域であったように感じます。

ヤシノン・レンズと来れば富岡光学な訳で、このオートヤシノンも富岡光学製であろうと思います。試写を行った感じでは暖色系の色が誇張される点や、線の細い解像力のある画像が出て来ますので、ほぼ富岡光学製であろうと思っています。しっかりした鏡胴の作りはガタが擦れがありませんので、レンズを使っていると云う満足感も得られます。

しかし、この時代の200mmF4レンズは同じ様な癖を持っています。それは収差フレアが発生し易い事で、画像のコントラストが付き難くなって、写した写真はどれも眠た目のあっさり調子に写ってしまいます。タクマーでもニコンでも同じ感じですから、そんなもんと諦めて使う感じです。しかし、F4まで暗くしてある普及品レンズですから、絞り開放からの解像感は出ている訳で、絞り込みを気にしなくても良いレンズであると云えます。

フィルムで使うとかなり軟調に、そしてあっさりと表現しますから、どちらかと云うとコダックの鮮やかさで彩度を稼いでおいて、スキャン後はコントラストを補って仕上げる事が必要になります。黒白フィルムの場合は、黄色か赤の有色フィルターを使って、撮影時にコントラストを上げておくことが必要になります。フィルム撮影の場合は作戦を立てて臨むレンズと云う感じです。

ディジタル一眼レフ・カメラでは、コントラストを持ち上げる操作が容易く行えますから、撮影時にコントラストを上げる設定にしておけば、撮って出しも容易です。しかし、暖色系の色誇張をするヤシノンとペンタックスの取り合わせでは、結構苦労する事があります。それは緑や青色の色が少しくすんでしまう事で、梅雨の時期の若葉等、黄緑系統の色が少しくすんで枯れたように写ってしまう感じです。

やはり、ヤシノンは晩秋の紅葉の時期に連れ出すと好結果が得られます。赤色や黄色などの色はそれなりに誇張されて鮮やかに写りますが、加えて枯れ葉の色などを誇張して、詫び寂びの雰囲気たっぷりになります。緑色や黄色の色が多い梅雨の時期は、撮影後に現像ソフトウエアで色温度を下げるような工夫が必要になります。

今のディジタル時代で見直されるレンズの一つでありますが、それなりに作戦と工夫が必要になりますので、ある意味面倒くささが立ってしまう感じです。しかし、絞り開放から解像力のある200mmF4レンズですから、余り絞りこまないで使うのも良いのではないかと思います。周りの色合いに応じて、ヤシノンやタクマー、そしてニッコールを使い分けるようにすると面白いかもしれません。

それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 Auto Yashinon DS-M 200mmF4
撮影データ:1/125sec F5.6 ISO100
今年はなかなか時期に合わなくて、諦めていたしゃらの花。何とか最後の花が咲いた時に休日になりました。今年も撮影出来てほっとしています。
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