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あるいて・みつける

歩く速さで見つけたものを、記録に残していきます。ゆっくりと歩けば、いろいろなものが見えてきます。

Nikkor-H Auto 50mmF2(Close-up No.1)

2015-07-05 17:30:00 | 国産レンズ
またしばらく出張に出ます。予約投稿で掲載します。
昨年秋に持ち出してから、しばらく間が空いていました。初代のニッコールであるニッコールHオート50mmF2は、ジャンク品のかごから見つけてきた宝物レンズで、ニッコールを感じさせない様な濃厚発色と解像感の高さが魅力的なレンズです。魅力的なレンズであるにもかかわらず、貼り合わせレンズを使用している後群にバルサム剥がれが起きているケースが多く、比較的安価に手に入る宝物です。

このレンズを使うためには、意地でも合うマウントを探してくる。Fマウントなのですが、Ai変更前のレンズでもあるために、ニコンFやニコマート、そしてニコンDfにしか取り付ける事が出来ません。Ai改造を行えば、今のニコンにも取り付きますが、何しろ宝物レンズですから、そのままの姿で使ってやりたいですし、ニコンでもAi改造は終了しています。

ニコンDfは相当に高いカメラですから、欲しいと思ってもなかなか買えません。せめて取り付けるならニコンFと探していましたら、何とか今では使用していないお下がりを譲り受ける事が出来ました。システムカメラですから、アイレベルのファインダーを付けて現用復活です。本当はウエストレベル・ファインダーでも充分にカッコよいカメラですから、ウエストレベルもそのうち揃えようと思います。

宝物レンズには色々なフィルターは付けたくないものです。あくまでも素の状態で使用するのがぴったりなのですが、一通り描写を堪能すると、クローズアップ・レンズへの挑戦を行いたいと云う気持ちが湧きあがってきます。少し描写性能が落っこちるのでは、と一抹の不安がありましたが、使ってみる事にしました。

現代のクローズアップ・レンズは、今までのレンズとは違って高性能化していますし、且つコーティングがマルチコート化されています。付けたレンズがマルチコートレンズに早変わりと期待しますが、あまり効果はありません。昔のレンズはモノコートが主流ですから、逆光を無理に追いかけずに順光撮影に徹すると、驚くような画像を提供してくれます。

フィルムの粒子以上に解像してくれるレンズは、自ずと撮影に力が入ります。135フォーマット・フィルムでも、全紙に引き伸ばせるくらいの解像力を持っていますから、しっかりと光線状態を把握して、露出計で何度も露出を測り、時間をかけて撮影に臨みます。ジャンク籠に入っていた古レンズが、まさか宝物レンズとはと云う感じです。

結構満足して撮影終了。ファインダー像でも解像感の高さが判ります。撮影後は行きつけのカメラ屋さんで即現像してもらい、スキャナで取り込みました。結果は濃厚な発色と解像感に大満足な訳で、色の変化とグラデーションの変化を堪能しました。古いニッコールにクローズアップ・レンズ、結構使えます。

それでは、先月初めに撮影した写真から掲載します。


Nikon F Nikkor-H Auto 50mmF2(Close-up No.1)
撮影データ:1/125sec F4 Fujicolor 400
梅雨の季節は、こうぞの実が赤色に染まってきます。甘酸っぱい初夏の味で、桑の実と併せて散歩の時のおやつ代わりになります。
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Chinon MC Macro 50mmF1.7

2015-06-13 08:26:26 | 国産レンズ
久しぶりに持ち出してきました。チノンMCマクロ50mmF1.7ですが、外観はマクロスイター50mmF1.9Cとそっくりさんで、同時期にオートアルパマクロ50mmF1.7がOEM生産されていたようですから、恐らくその派生的に出来上がってきたのがこのレンズと考えています。

マクロスイターの中古価格はそれこそ手が出ない訳で、まだ手に入れてはいませんし、それこそ写りは判らない訳です。しかし、紹介本の作例を見る限りは、相当に後ボケが柔らかくてピント部分の解像感で魅せる優れものレンズである事が判ります。マクロの近接撮影では、フルサイズで0.33倍、APS-Cサイズでおおよそ0.5倍のマクロレンズです。

撮影して確かめていますが、確かに柔らかな後ボケとピント位置の解像感は流石な感じがします。コーティングも赤紫色な訳で、どちらかと云うと旧ソビエトレンズであるインダスターのコーティングとほぼ同じであり、旧ドイツレンズの雰囲気を醸し出している感じがします。

全体的に柔らかな描写と、線の細さで魅せてくれるレンズですから、初夏の十分な光量下における高いコントラスト下での撮影が、被写体がはっきりと表現されて見栄えが良くなる感じです。後ボケはタクマー同様にかなりにじんで写りますから、立体感と現実味のある描写となって楽しませてくれます。

マクロスイターと考えて撮影すると、期待感がいっぱいになってあまり面白くはありませんので、現実味のある描写をするレンズと考えて撮影すると、結果に満足できる感じです。マクロ撮影時におけるぐるぐるボケや、点光源の2線ボケはほとんどありませんから、撮影結果に不満を持つ事はありません。ごく普通に当たり前の描写が出来る優等生レンズです。

発色は少しおとなし目な方ですが、あっさりしすぎる訳ではなく、いたってニュートラルに表現しています。茶色や橙色など、どちらかと云うと暖色系の色を誇張しますから、暖色系の色の色飽和に注意するようにします。しかし、ドイツレンズよりは渋めに描写しますから、色飽和にはさほど気を遣う必要が無いのかもしれません。

遠景からマクロ撮影まで、幅広くこなす優等生レンズですから、撮影時に余り気を遣う事が無くて、サクサク撮影が進みます。しかし、被写界深度が相当に浅いレンズですから、厚みを持った被写体では一部分にしかピントがあっていなくて、不満を感じる時もあります。背景の点光源ボケにも角張りや硬さが感じられないレンズですから、積極的に絞りこんで撮影する方が良いと感じたレンズです。

そんなこんなで撮影行、日差しが強くなった季節ですからコントラストも充分に稼げて、撮影後の確認で満足できるコマが多くなり、出番がやってきたと云う感じです。

それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 Chinon MC Macro 50mmF1.7
撮影データ:1/250sec F5.6 ISO100
きんしばいの花が咲き始めました。割と奥行きのある花ですので、少し絞り込んで撮影します。絞り込んでも背景ボケが柔らかなチノンMCマクロ50mmは、簡単に立体感が出せる銘レンズです。
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Zenzanon 150mmF3.5(Close-up No.1)

2015-04-28 20:50:03 | 国産レンズ
前回、No.3のクローズアップ・レンズで被写界深度が前後0.5mm程と、結構苦しい撮影でしたので、150mmのマクロ用にとNo.1のクローズアップ・レンズを買い足す事にしました。現代のクローズアップ・レンズはマルチコートが当たり前ですから、装着すると色のにじみやフレアも幾分緩和される感じで、マルチコートレンズに早変わりします。

ゼンザノン150mmは、中古品の中でも一番リーズナブルに購入できるレンズですが、絞り開放では相当に画像が甘くなりますから、絞り込んで撮影する事が必要です。それでもシャッター・スピードはある程度確保する必要がありますので、出番になるのは良く晴れた屋外になります。絞り羽根は6枚の角ばったボケが出来ますので、あまり絞りこまないで撮影するスタイルが必要になります。

リーズナブルな75mm準標準レンズはニッコールで、ほぼ円形絞りになっていますから、絞り開放からの精鋭感を得たい時には、ニッコールと云う事になるのですが、被写体が少し離れていて近づけない時にはゼンザノン150mmと云う事になります。クローズアップ・レンズを付けない場合は、最短撮影距離が2m程と扱い難い感じですから、クローズアップ・レンズを付け外ししながら撮影を行うようにします。

No.1のクローズアップ・レンズで拡大倍率がおおよそ0.5~1倍位になります。ワーキング・ディスタンスも最大50cm位は確保できそうですから、扱い易いマクロレンズに変わった印象を受けます。何しろフィルムの大きさが135フォーマット・フィルムの4倍強もある訳ですから、すぐに等倍位の大きさになってしまいます。

これからすると、重たくなりますがべローズユニットを装着する方が、リニアに拡大倍率を変える事が出来ますので、撮影時のストレスが軽減されると思いますが、何しろ大きくて重たいブロニカECですから、手持ち撮影が行えないハンディ・キャップの方が大きくいまだに買おうと云う気になりません。

リーズナブルにマクロ撮影、それも少しのアクセサリ装着で出来る訳ですから、そこが面白い訳です。今回は桜の花も咲き始めましたから、少し深めの被写界深度と程々の撮影倍率で愉しんでみようと云う考えです。ファインダー像を見る限りは、それ程画面が破綻している感じではありませんでしたので、これで良しと考えています。

さくらが咲き始めた週末は、晴れの一日になりましたのでブロニカに奮発してリバーサル・フィルムを詰め込んで撮影行に出掛けました。桜の淡い色合いを出していくためには、少し硬調な結果が得られるプロビアを選択します。精彩感が高いリバーサル・フィルムですから、6×6判ではなく6×4.5判を用いて、撮影枚数を稼ぐ事にしました。

ブロニカEC自体、シャッター・スピードが1/1000秒までしか稼げませんので、自ずと絞りこんで撮影する事になります。晴れた日の撮影は、きりっと引き締まった画像が得られますので期待感はたっぷりです。
それでは、先々週土曜日に撮影した写真から掲載します。


Zenza Bronica EC Zenzanon 150mmF3.5(Close-up No.1)
撮影データ:1/500sec F8 Provia100F
さくらは咲き始めがほんのりピンク色で、雰囲気良く写せます。葉の方も出てきていますので、吉野ざくらと思われます。
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Auto Mamiya/Sekor SX 50mmF2

2015-04-06 21:31:03 | 国産レンズ
マミヤセコールのM42レンズで、解放測光に対応したSXバージョンのレンズです。一時は別のマウントに変わったのですが、またM42のねじマウントになったレンズで、解放測光に対応するためにマウント面にピンが出ていたり、周辺部の出っ張りがあったりと、そのままの形状ではペンタックスSPや、他のM42カメラに取り付かない難しさを持ったレンズです。

結局はそのままの状態でマミヤ以外のカメラには取り付きませんから、出っ張りを削って、ピンを外してどうやら使えるようになりました。この頃のカメラもレンズも稀少ですから、とにかくユニバーサルに使えないと面白くありません。結構時間がかかりましたがどうやら使えるようになったと云う所です。

試写を行ってみて、はっきり・くっきりと写せるレンズである事が判りました。線は幾分太めかもしれませんが、その分はっきりと写りますし、コントラストも幾分高めです。解放F値も2と少し暗めであるレンズである事から、絞り開放から解像感がある画像を提供してくれます。遠景~中景までは、はっきりとした画像となります。

問題は近景で、最短撮影距離付近では被写界深度が前後1.5mm位しかない事で、あまり大きな被写体を選ぶと、一部分しかピントがあっていない感じになります。面白くないので、少し絞り込むのですが、絞り込むと背景が硬くなってきますので、あまり絞りこまないで被写界深度を少し稼ぎます。大体F4~F5.6位が丁度良い様で、背景の硬さもそれほどではなく、程良い被写界深度が確保できます。

50mmF2のレンズは写りも結構良い感じで、最近では何かと話題になりますが、この頃に製造されたF2レンズは大抵輸出用で、安くて写りが良く設計されているように感じます。即ちキット・レンズの扱いで、これさえあればそこそこ見栄えのする写真が撮影出来ますから、需要も高かったであろうと思っています。

その分、中古レンズを置いてあるカメラ屋さんで、比較的目にする機会が多いレンズとなっています。大抵の場合はかわいそうな位に安い値札が付けられています。もし、富岡光学のOEM品と云う感じになると、多少は価格も上がるのでしょうが、確証が得られない分リーズナブルな価格となっています。

単純にM42マウントカメラに取り付く訳ではありませんので、少なからず加工が必要になります。今ではSXバージョンのカメラを見た事がありませんので、手持ちのM42カメラであるペンタックスSPかフジカST-605Ⅱに取り付けられるように、追加工が必要になります。昔ながらのしっかりと作ってあるレンズですから、切削加工はマスキングを施してレンズ内部に削りかすが入らないようにします。

やっと撮影に漕ぎ着ける事が出来たレンズは、苦労した感触を覚えていますから、尚の事親しみが湧いてきます。写りの良さは流石マミヤのレンズなのですが、一筋縄では撮影が出来ないレンズでもあり、加工してしまったからには使い続けようと云う感じです。

それでは、先々週土曜日に撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 Auto Mamiya/sekor 50mmF2
撮影データ:1/1250sec F5.6 ISO100
今年はすいせんの花を余り見ない感じで、気が付いたら満開になっていました。すいせんが咲きだすと春本番です。
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富岡の香り

2015-04-04 14:36:25 | 国産レンズ
富岡光学のレンズは、余り知られていないように感じますが、M42のレンズを集め出すと良く耳にする機会が多い感じです。凄く浅めな被写界深度とピント位置の解像感が高く、高い描写感に圧倒されます。反面、扱い難い雰囲気が前面に出て来ますから、撮影時に気を使う必要があって疲れてくるレンズでもあります。

M42のレンズで、ヤシカのレンズはほとんど富岡光学であろうと思いますし、日本製コンタックス用のツァイス・レンズは、ほとんどが富岡光学製です。今ではコシナさんがツァイス・レンズを作っていますが、昔は富岡光学であった訳です。その他にも色々なレンズのOEMを手掛けていましたので、これが富岡、と云うレンズも存在しているようです。

チノンやマミヤのレンズも、今では使用していますので、奥が深いM42の世界ですが、そのレンズ群の中にも富岡光学の香りが感じられるレンズがあります。何しろコーティングの雰囲気が富岡らしい訳で、金色の光沢と、薄い紫色のコーティングを見てしまうと、もしかしたら富岡と考えてしまいます。

今回、かなり安めの中古価格で購入したマミヤセコールの50mmF2レンズも、この雰囲気がいっぱいで、もしや富岡レンズと思ってしまいます。確かにピント位置の解像感は高い感じで、コーティングの反射色もそれっぽく見えてしまいます。全金属製のずっしりレンズで、少し安っぽい感じですが、今のプラスチック多用レンズと比べてはるかにゴージャスな作りです。

革巻きピントリングの様な高級感は無いにせよ、滑らかに回る感じは旧来タクマーと同じで、写真を撮影する楽しさを教えてくれる様な感じです。どちらかと云うとヤシカのレンズの様な感じで、MFレンズであるのですが、ピント合わせが楽に行える優れものレンズです。この様なレンズで撮影していると、時間を忘れて撮影に没頭してしまいます。

今回のレンズは昨年買ったマミヤセコールSX50mmF2ですが、このレンズも富岡光学製であろうと考えています。富岡製でなければコシナ製かと思わせるような解像感は見事で、細かな部分まではっきりと写し取ってくれます。少し暖かみのある色合いは寒い季節の撮影で暖かみを添えてくれますので、冬から春にかけて持ち出す機会が多くなります。

春の花が咲き始めましたので、装着して撮影行に出掛けて来ました。マミヤセコールのレンズでは、富岡光学と判っているレンズではマクロセコールがありますが、今では中古価格も相当に高く、おいそれと手が出る雰囲気では無くなってしまいました。今回撮影を行ったマミヤセコールSX50mmF2も、暖色系の雰囲気と鋭い解像感で春の淡い雰囲気を暖かみのある色合いで助けてくれます。解放F値が少し暗めの2.0レンズですが、その分絞り開放からしっかりとした解像感を提供してくれます。

安めのレンズでもしっかりと結果を出してくれるので、撮影が楽しくなる。マミヤセコールSX50mmF2は、そのようなレンズと考えています。

それでは、先々週土曜日に撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 Auto Mamiya/sekor 50mmF2
撮影データ:1/125sec F4 ISO100
暖かくなって、道端のさかきも花を咲かせ始めました。最短撮影距離では、被写界深度が凄く浅くなるので体の振れに注意しながら撮影します。
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