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あるいて・みつける

歩く速さで見つけたものを、記録に残していきます。ゆっくりと歩けば、いろいろなものが見えてきます。

Auto Mamiya/Sekor 50mmF2

2016-02-22 18:27:25 | 国産レンズ
マミヤさんのM42最後発レンズで、この後は独自のバヨネット・マウントに変わって行きます。この頃のM42レンズは開放測光のカメラに対応するべく、色々な工夫がなされていますので、単純に純正以外のカメラには取り付かないようになっています。絞り値の伝達ピンやカメラ内部への水進入防止策が施されていますので、一筋縄では取り付きません。

良く行くカメラ屋さんで、このようなレンズが出てきて、M42レンズらしいけれどと見せてもらったのがこのレンズでした。絞り値の伝達ピンをはずせば、なんとかなりそうと考えて購入しましたが、ペンタックスSPに取り付けると絞り輪が動かせなくなってしまいます。少しマウントからレンズが浮いてしまいますので、無限遠も出せません。

よく見ると埃や水分がカメラ内部に入らないように、3mm程絞り輪の縁部分が出っ張っています。この出っ張りを削らない限りは装着できませんので、諦めて絞り輪を外して根気良くやすりで削って行きます。一週間ほどかかってようやく撮影にこぎつけましたが、なかなか難解な改造でした。

しかし、苦労をした甲斐があって、満足する画を出してくれますから手放せないことになります。絞り値の伝達ピンを外してしまうと、オート絞り機能の付いた絞込み測光用レンズになってしまうわけですが、ディジタル一眼レフ・カメラもペンタックスSPも絞り込み測光方式ですから、さして不便は感じないことになります。

F2クラスのレンズは、少し絞り込まれているレンズと考えることが出来ます。このために絞り開放から解像感がある程度出ていますから、暗い場所や柔らかな背景ボケが期待できます。加えてある程度深めの被写界深度も確保されていますので、思い切って近接撮影を行っても、微妙なボケに悩まされることが少ない印象です。

手軽に高品質の写真が撮影できますから、余計な配慮をしなくても結果オーライとなっていきます。気持ちよく撮影が行える感じで、ストレスを余り感じない分、構図決定に時間が避けて好都合です。しかし、これ以上の優雅なボケ味を堪能したい場合には、F1.4やF1.8の大口径標準レンズを用いたほうが有利です。

早春の花は小さいけれど、ある程度密集してこんもりと咲きますから、花全体を写しこむためにはレンズを選ぶことも必要と感じています。APS-Cサイズのディジタル一眼レフ・カメラでは、背景ボケが多少硬くなる分、被写界深度が稼げますからカメラも選んで撮影していくことが大切と感じさせてくれます。

今回の撮影行では、晴れた日ですが朝まで雪が降っていましたので、格好の枝雪撮影となりました。青い空にこんもりと雪を抱いた枝を撮影するのも、冬の撮影行の愉しみです。小一時間の間、雪と戯れながら空を見上げて、楽しく撮影できました。

それでは、今月はじめに撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 Auto Mamiya/sekor 50mmF2
撮影データ:1/1000sec F8 ISO100
見上げると神社の森の木々が雪化粧しています。雪景色が一番映える被写体となっています。
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Zenzanon 150mmF3.5(Zenza Bronica EC)

2016-02-02 19:50:00 | 国産レンズ
中判カメラの高級機であるゼンザブロニカですが、今でもレンズはなかなか手に入りませんし、カメラ本体の中古品もかなり高い値段です。今となっては生き残りのカメラやレンズも少なくなってきており、探すのであれば比較的新しいSQやETRのほうが探しやすい感じです。

それでもECまでの機種にはこだわりがあって、出来ればSシリーズなどと思っている訳はフォーカルプレーン・シャッターで、撮影していると感じさせる豪快なシャッター音を聞きながら撮影したいという気持ちから来ていると思っています。ゼンザブロニカECは電子シャッターになっていますが、バシャコンと聞こえる大きなシャッター音は、撮影する気持ちを高揚させてくれます。

シャッター音が大きな割に、シャッター・ショックが少ないゼンザブロニカECですが、上下2分割のミラー動作が、加重移動のバランスを取っていると考えています。このためにゼンザノン150mmを装着していても、1/60秒くらいのシャッター・スピードが切れます。しかし重量級のカメラですから、カメラ自体を押さえ込んで撮影しないとファインダー像のゆれを少なくすることが出来ませんし、被写体のゆれも気になってきます。

ウエストレベル・ファインダーでは正像の確認は出来ませんが、その分プリズムが無くて明るい視野像となります。明るいファインダーはピント合わせが行いやすく、とことんピントが追えますから、時間はかかりますが撮影の満足感は高くなります。じっくりとピントを合わせこむためには三脚に乗せて固定することが必要ですが、今回は雪の中ですから思うように三脚を固定できません。

仕方なく手持ちで撮影しますが、重さがあるカメラですから数枚撮影して一休みといった撮影行になります。120フィルムで12枚の撮影が可能ですが、なかなかフィルムが消費できない感じで、1時間くらいで12枚撮影といった按配になります。加えて望遠レンズですから近接時の被写界震度は思った以上に浅く、かつ中判フィルムですからF11まで絞り込んでも35mmフィルム相当でF8程度の被写界深度しか得られません。

体の前後振れがありますから、気楽にピントを合わせると見事に微妙なピンボケになります。それでもほんの少し離れた被写体にピントが合いますので、保険のためにピントが合う位置をいくつか設定しておくと、後からトリミングを行うことで満足できる画像を得ることが出来ます。しかしそれらの手法はかなり時間を要しますので、結局は三脚が利用できるように考えることが必要と痛感します。

ピントがあった部分の解像感は十分で、被写界深度がすごく薄いこともあいまって、立体感に優れた写真を手にすることが出来る優れものレンズです。反面気難しいレンズですから、ピント合わせと被写界震度の確認に十分な時間をかけて、しっかりと撮影することが必要です。

手ごわい昔気質のレンズですが、また挑戦しようと気力の湧いてくる不思議レンズです。
それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。


Zenza Bronica EC Zenzanon 150mmF3.5
撮影データ:1/250sec F11 Provia100F
そろそろ身頃を過ぎたろうばいの花ですが、見る向きによってはきれいな姿を見せてくれます。ろうばいの花が終わると、季節は一気に春に向かいます。
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Komura 135mmF2.8(Asahi Pentax SP)

2016-01-11 08:51:22 | 国産レンズ
今となってみれば、そのレンズを知らない方も多いですし、当時大ヒットになったテレモアの商品名で売られていたテレコンバータもはるか昔の思い出です。今のテレコンバータはケンコーさんが出しているテレプラスがつとに有名ですし、現用されている方も多いのではないかと思います。

今となってみれば、大学生の頃に姿を消している会社でもあり、中古品自体もそう多くは出ていないのが現状で、探すのに一苦労するレンズですが、見つけたとしても数千円から場合によってはジャンク扱いの数100円で売られているのを目にする感じです。安物サード・パーティの扱いを受けるかわいそうなレンズなのですが、どっこい、描写性能は安物とは思えない感じです。

ジャンク扱いのレンズを数個買ってきて良いとこ取りを行い、一本のレンズに仕上げる事が必要な位、生き残りの完全なレンズを見つけるのが難しく、カビや曇りなしで動作も正常な物を見つけたら、即買いしても良い位の感じです。一番見かけるのが135mmF2.8の望遠レンズで、広角やマクロレンズもあるらしいのですが、今までのカメラ店巡りでは、105mmF2.8の中望遠レンズとコニカ用の広角レンズ位しかありません。

奇跡的に巡り合う。そのようなレンズですから、先ずカメラ屋さんに聞いてもあまり良い返答は帰って来ませんし、棚に陳列される事も余りありません。仕方なしに余り注目しないでいると、ジャンクで数個かごに入っていたりします。2個目のレンズはそのような感じでしたから、良いとこ取りを行って一本のレンズに仕上げてしまいました。

昔ながらの太め鏡胴で、ずっしり・ぼってりの望遠レンズです。余裕が十分確保されている設計と、昔ながらのプリセット絞りのため、鏡胴内に余計なカムやレバーが無く、すっきりとしている事が相まって、描写性能が高くてしっかりと写る印象となります。しっかりと考えて低価格にしてある訳で、学生カメラマンの心強い味方であったろうと思います。

今のディジタル一眼レフ・カメラに取り付けても、その性能は充分に感じる事が出来ます。繊細で立体感が出せるレンズですから、撮影行に持ち出して撮影が楽しくなる不思議なレンズです。プリセット絞りも絞り優先AEが効くカメラで有れば、被写界深度を見ながら絞り値を設定することが出来ますので、余り不便は感じません。

1個1個手組みをされていた昔ながらのレンズで、貼り合わせレンズがバルサムで貼り付けられていない珍品もありますが、古き昔の昭和の香りを漂わせているレンズでもあり、手放せない逸品です。特にニコイチ等、自分の手心が入ったレンズは手放せないですし、レンズの写りも確かですから、壊れたら直して現用復帰させながら今後も使っていこうと考えています。

それでは昨年末に撮影した写真から掲載します。


Asahi Pentax SP Komura 135mmF2.8
撮影データ:1/250sec F7 Fujicolor100(業務用)
例年2月頃に咲いているやしゃぶしの花が、年末に咲いています。異常気象の影響と思いますが、不思議な気分です。
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Ai Af Micro Nikkor 105mmF2.8(Nikon FE)

2016-01-05 12:52:07 | 国産レンズ
ニコンのカメラで撮影を行っていた時もあって、その時に購入したのが中古のこのレンズでした。そのため、ディジタル対応でもありませんし、流行りの手ぶれ防止機能も付いていない、いたって普通のマクロレンズです。しかし、タクマーの100mmマクロには無い機能が備わっているために、今でも手放すことなく現用で使っています。

仕事柄色々なものを撮影することが多かったために、マクロから中景撮影まで、色々写す事になりましたが、どの様な倍率でも至って端正に描写をしてしまいます。即ち使えるレンズな訳で、タクマーの様にマクロ域を選んで撮影する必要性が無い事から、ごく一般的に撮影が出来る優れものマクロレンズであった感じです。

趣味として撮影が行えるようになってくると、この端正な写りが平凡に見えてくるのですが、非凡さや特徴を求める時にはタクマーな訳で、マクロレンズを交換しながら色々撮影出来て面白いと感じています。撮影していて端正な写りが欲しくなった時にはこのレンズな訳で、色々なシチュエーションに対応できる優れものレンズですから、今でも手放せません。

全群繰り出しのマクロレンズと違って、前群レンズが撮影距離に応じて微妙に移動していきます。発売が相当に古いレンズなのですが、しっかりと現代のレンズにあるフローティング機構が装備されている訳で、バリバリの等倍マクロ撮影から遠景の望遠撮影まで至って普通に写せます。

流石にコーティングは現代流とまでは行きませんが、真面目に設計されたレンズである事は違いなく、フレアや色ずれ、そしてボケの変形や二線ボケが発生しない優秀レンズです。ピント位置の解像感は流石のマクロレンズで、これさえあれば他のレンズは必要ないと思わせてくれる凄さがあります。カビさせないように、これからもずっと使い続けたいと思わせてくれる魅力を持っています。

ずっしり・ぼってりの重量級マクロレンズに、重たいニコンカメラを組み合わせると、持つだけで一苦労な訳ですが、その重さが幸いして手ぶれがほとんど無くなります。抱え込んでも、膝の上に乗せても不思議と安定して振れが少なくなります。重量バランスも見事にマッチしている訳で、手ぶれ補正が付いていないレンズですが、ぶれの少ない画像を手にする事が出来ます。

等倍近くではなくても、お気楽マクロ撮影と云う感じで、フィルムでも使ってみたくなりました。花や葉などを拡大撮影すると、色の表現に関する欲求が少なくなります。即ち同色で表現できる部分が広くなってきて、黒白フィルムのトーンで表現した方が見栄えが良くなると云う感じです。

昨年暮れの撮影行は、ネオパンアクロスを詰め込んで近くの公園へ出かけました。帰ってからは自家現像。フィルムも36枚撮りを半分にしていますので、丁度使いきって良い感じです。忙しい時のプチ撮影行も気分転換になって良いものです。

それでは、昨年暮れに撮影した写真から掲載します。


Nikon FE Ai・Af Micro Nikkor 105mmF2.8
撮影データ:1/60sec F3.5 Neopan Acros100
さざんかの花ももう終わりになって来て、散ってしまう前にしべの部分を大きくして撮影しました。色が余り無い時期ですので、黒白フィルムでも結構表現できています。
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Hexanon 45mmF1.8(Konica Auto S2)

2015-12-24 19:00:25 | 国産レンズ
随分昔のレンジファインダー・カメラで、良く調べてみると今から半世紀前の1966年に発売されていたカメラである事が判ります。自身が小学生の頃のカメラですが、今でも問題なく動いていることに驚かされます。昔ながらの質実剛健なカメラ、そのような雰囲気を醸し出している重くて大きなコンパクトカメラです。

なぜそのようなカメラを購入したかと言うと、それはヘキサノン・レンズが搭載されているからで、フィルムメーカが作るレンズはそれこそ最強のレンズでもあるからです。フィルムの特性を知り尽くしていて、一番合ったレンズを作れるのもフィルムメーカであり、先達の方からも良く聞く事が出来たセオリーです。

今回はヘキサノン・レンズ、それも大口径標準レンズが搭載された、重たくて大きいコンパクトカメラに魅了されてしまいました。コニカオートS2は、名前の通りAEのカメラでシャッター優先式AEが搭載されています。しかし、レンズ前面に付いているCdSの反応が悪く、中古品価格とすれば格安で売られていました。

自身の撮影スタイルからすると、シャッター優先式AEは使い難い訳で、ペンタックスSPは絞り優先式AEですし、常に被写界深度を考えて撮影していますから、被写界深度が被写体の暗さに応じてコロコロと変わるのも面白くない訳です。AE機能は最初から諦めて、露出計で露出を計測して、最良値を割り出して撮影する昔ながらのフルマニュアル・カメラの方が使い易いと感じています。

コニカのレンズはヘキサーかヘキサノンで、ギリシャ数字の6から来ています。小西六の六から来ている訳で、カメラもレンズも小西六さんの名前から来ています。フィルムはさくら天然色フィルムが有った事を今でも覚えていますが、カメラ事業から撤退する時にはコニカカラーになってしまいました。

コニカのカメラにはさくらフィルム。フジノンのレンズにはフジカラーと同じような感じで、ピッタリとマッチするのですが、今では販売されていませんので多少寂しい感じがします。それ程にフィルムメーカの創ったカメラには、メーカのフィルムがマッチしてしまう訳です。生き残りのフィルムが有ったとしても、それは有効期限が切れてしまっていて、色味が変わっていますから、諦めて他社のフィルムを使います。

さくらカラー、懐かしいですね。思わず懐かしさに包まれながら撮影を行います。富士フィルムさんは日本の誇る富士山がネーム・バリューですし、小西六さんは同じく日本の誇る国花の桜がネーム・バリューです。フィルムの分野で競い合ったメーカですから、写りの方は同じく確かなものがあります。国内最強レンズと感じていますので、撮影も自ずと真剣になります。

あれやこれやと色々試写をして、フィルムを現像に出します。仕上がったフィルムをスキャンして思わずびっくりな感じで、さすがヘキサノンと感じ入ってしまいました。黒つぶれや白飛びが少なくて、しっかり写って解像度もすごく高いレンズです。F3.5位まで絞ると解像度を充分に感じる事が出来ますので、簡単に高画質のカメラとして今後も重宝しそうです。

それでは、今月初めに撮影した写真から掲載します。


Konica Auto S2 Hexanon 45mmF1.8
撮影データ:1/125sec F3.5 Kodak SuperGold 400(ISO200)
玄関先のどうだんつつじも黄色と赤色に紅葉しました。赤一色になると見栄えがするのですが、温度の関係か黄色も混じります。どうだんつつじが紅葉すると、季節は一気に冬に向かいます。
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