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あるいて・みつける

歩く速さで見つけたものを、記録に残していきます。ゆっくりと歩けば、いろいろなものが見えてきます。

Komura 135mmF2.8

2016-06-15 09:18:32 | 国産レンズ
コムラーのレンズを久しぶりに引っ張り出してきました。小さいながらもF2.8の明るいレンズで、絞り開放ではなんとなく物足りない描写となるのですが、絞り込むにつれて解像感が上がって、見違えるような一枚を撮影することが出来る隠れ銘レンズです。この135mmF2.8は、一番製造本数が多かったと見えて、ジャンク品でも良く目にすることが出来ます。

レンズの曇りがある個体も多く、きれいなものは恐らくほとんど存在していないと思われ、ジャンク品を複数個買ってきてばらばらにして、良いとこ取りをしてき組上げると、安心して使える一本が出来上がるという按配です。絞りは10枚以上の羽根を組み合わせたプリセット式で、自動絞りでないことからあまり購入する人もいないといった感じです。

しかし、レンズが販売されていた当時は、安くてしっかりと写るサードパーティのレンズで、多くの方が現用されていました。このため金属のピンは磨り減っていたりしているものが多く、使い出すとピンが外れてピントや絞りが合わせられなくなってしまうこともあります。ジャンク品を集めて分解し部品の予備を持っておくと、いざという時に交換が行えて便利です。

一旦ばらばらにしてベンジンなどできれいに油をとってから、改めてヘリコイドグリスを付けると操作性も高まって、快適に撮影が行えるようになります。グリスが固まっている個体はピントリングが異様に渋くなっていますので、なかなかピントが合いません。また、グリスが抜けている場合はスカスカに動きますので、これもピントを合わせるのが難しくなります。

発売から50年以上経過した古参レンズと諦めて、しっかりとメンテナンスを行えば、元来総金属製の重厚レンズですから、壊れてしまうことはありません。しかし、レンズ自体のコーティングがほとんど施されていませんから、逆光を避けてフードをしっかりと装着して撮影することが必要です。

自分自身でばらばらにして、注油して磨いて組み立てたレンズは愛着が湧きます。タクマーレンズも、今ではメンテナンスを行ってくれるところが少なくなりましたので、勢い自家修理ということになります。今では完全に作動する、きれいなコムラーレンズを探すのが至難の業ですから、修理してメンテナンスを施してそれから使うということになります。

段々と梅雨の季節に入る時期は、被写体も少なくなりますが晴れ間を見計らって撮影行になります。コムラー・レンズを使っていると、がたがあったら帰ってねじを締めなおそうという感じで、納得できる結果を出してくれるレンズに感謝しながら撮影を行います。

それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 Komura 135mmF2.8
撮影データ:1/200sec F5.6 ISO100
面白い花と気づいてよく見るとゆきのしたの群落でした。葉はてんぷらにしても美味しい春の花です。
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Nikkor-H Auto 50mmF2(Nikon F)

2016-06-11 13:38:37 | 国産レンズ
今ではAi仕様以前のオールド・ニッコールなのですが、根強いファンも多くてカメラ屋さんの中古品の中でも、しばらくのうちに買われていくようなレンズです。ここまで古いレンズになると、ヘリコイドグリスが固化したり抜け切ってしまっているレンズを多く見かけます。それほど現代で現用されている方が多そうで、磨耗して使えなくなった時用にと、予備のレンズとして購入している様子が伺えます。

今ではニコンDfがあって、ディジタル一眼レフ・カメラでもオールドニッコールを使うことが出来るようになりました。このような時代になると注目を浴びるのがオールドニッコールの写りで、現代レンズにはない写りを求めて購入される方も増えているのではないかと考えています。少し前まではジャンク品のような扱いで無造作に転がされていた感じですが、今では棚に陳列されてそこそこいい値段がつけられています。

この時代のカメラはニコンFですが、やはりアイレベルかウエストレベルのファインダーをつけた方が数段格好良いわけで、フォトミック・ファインダーを装着したカメラよりも、露出計は手持ちでアイレベル・ファインダーを付けている人が多かったように感じています。その後露出計がカメラ内に付けられて、現代のカメラの形になって行きます。

私自身もこのレンズをジャンクかごの中から救出した訳で、Ai改造もすでに終了しているし、どうやったら写せるようになるか困窮した記憶があります。その時はフィルムがまだ全盛でしたから、ニコンFの中古品も相当に高くて、買ったは良いけれどそのまま直ぐにカビ防止剤を入れたペンケースの中で眠りに着くことになってしまいました。

50mmF2のレンズには不思議な魅力があります。それはライツのズミクロン50mmF2の写りの良さで、当時はそのレンズに追いつこうと努力を続けていた、カメラメーカの意気込みがレンズに乗り移って、凄く良い写りのレンズがあるからと考えています。実際ほとんどのメーカが50mmF2に近いレンズを作っていて、凄く良い写りをレンズが集まってきた時に感じることになります。

そこそこ明るいレンズですので、夕方や夜の風景も難なくこなせますし、無理をしていないレンズ玉や鏡胴設計によって、解像感が凄く高くてしなやかな描写となります。ニッコールHオート50mmF2も、絞り開放からの解像度が高くて発色が良いレンズですから、ニコンFを譲り受けた時からの常用レンズとなりました。気になるのはレンズ後群のバルサムはがれですが、順光で撮影している限りはあまり影響が感じられませんので、そのまま使っています。

ニコンFにニッコールHオート50mmF2を付けて、フードは当時の専用フードを取り付けます。フィルムだけはさすがに当時のままという訳には行きませんが、現代のフィルムでも良く写って満足感が高くなります。気持ちのよい五月晴れの撮影行、これもまた良いものです。

それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。


Nikon F Nikkor-H Auto 50mmF2
撮影データ:1/125sec F5.6 Fujicolor Superia X-Tra400
道端に植わっているひいらぎなんてんの実が青紫色になってきました。発色が豊かなレンズなので少し彩度を落として現像します、
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Auto Mamiya/sekor 50mmF2

2016-05-12 18:30:00 | 国産レンズ
古い出で立ちのM42レンズです。コーティングも金色の古めかしいスタイルで、もしかしたら富岡製と思わせるようなレンズです。しかし、マミヤさんのM42最後発レンズですので、それほど古くはない訳です。昔ながらの質実剛健レンズで、像の暴れと癖の少ない結果は、さすが報道カメラとして名を馳せたレンズと思わせてくれます。

中古価格が結構安いので手に取る機会が多いと思っていますが、安いのはそのまま他社のM42カメラに取り付かないからで、ピンを外して絞り輪の出っ張りを削りと、想像以上に難解な作業を覚悟する必要があります。この作業を嫌う場合には、SXよりも前のM42カメラ用レンズを購入するのが良いと思いますが、ある意味希少品でなかなか目にすることもありません。

それでも、苦労をした甲斐を感じるレンズであり、改造後はその写りを存分に堪能することが出来ますから、1ヶ月くらい頑張って改造するのも悪くはないと感じています。このレンズが出た後で、独自バヨネットのミラクルマウントに変わっていきますから、M42の系列でマミヤさんの味わいを愉しみたい場合は、このレンズが一番手っ取り早いことになります。

しかし、コーティングが初期のものですから、逆光には少し弱めでフード装着や輝度差のある場面を避ける必要があります。コントラストが上がった写りになりますが、トーンの変化はなだらかな感じで、白色の花のトーンも一見白飛びしているようで、変化が残っていますから後から露出補正と変化幅を調整すると、納得できる画像へと変貌します。

解像度もかなり高くて、フルサイズ3,000万画素機でも十分に対応できます。マニュアル操作をいとわなければ、十分実用として使用できるレンズですし、F2クラスのレンズは絞り解放から解像感のある画を提供してくれます。ファインダーを覗いていてもピントの山が掴みやすくて重宝するレンズですから、このレンズだけで撮影行に連れ出しても満足します。

オール・マイティなレンズですから、他の画角のレンズをわざわざ購入したくなくなる訳で、ほかのライン・アップのレンズを探そうという機にならない感じです。他にも色々な焦点距離のレンズがありそうですが、今のところマミヤさんのレンズはこれ一本な感じです。広角や望遠、そしてマクロレンズがありますが、中古価格は高そうで気長に出物を待つ感じです。

そんなこんなで、桜の次は藤の花。独特の青紫の色としべ付近の黄色の色を出したくて、ニュートラルな発色のマミヤセコールを持ち出します。少し光量が不足してねむた目の雰囲気になりますが、そこはマミヤセコールのコントラストに期待して撮影を行うことにします。

古いけれど、安いけれど、掘り出し物のレンズは他にも一杯ありそうです。高画素機でも十分に対応できるメリットがありますので、今年一杯をめどにして、ペンタックスのフルサイズ一眼レフを購入してみたい気になってきました。

それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 Auto Mamiya/sekor 50mmF2
撮影データ:1/400sec F7 ISO100
例年は連休の終わりに咲く藤の花も、今年は4月下旬に咲き出しました。風薫る季節に藤の花はとても良く似合います。
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EBC Fujinon-T 135mmF2.5

2016-04-24 07:36:50 | 国産レンズ
レンズの紹介本を見ても、Webで探してみても、あまり紹介されていないレンズです。主に輸出用レンズであったと思われ、海外の紹介記事のほうが多いので、国内で保有されている方が極端に少ない、ある意味お宝レンズと考えています。広島のカメラ屋さんでフジノン55mmF2.2を見付けて買おうと思ったときに、こちらのほうが凄いですよと紹介されたのがこのレンズでした。

ずっしりと重たい135mm大口径望遠レンズですが、売られていた当時は凄く高い高級レンズで、学生写真家の方は大抵135mmF3.5の普及版レンズで満足していました。135mmF3.5レンズは、どのレンズもキット・レンズであり、カメラを売る際の看板レンズでもありましたから、性能で手抜きを出来るわけもなく、十分満足して撮影できたことも数的に少ない要因となっています。

手に入れてよく比較してみると、スーパータクマー135mmF2.5やSMCタクマー135mmF2.5前期型とほぼ同じ感じです。エルノスター・タイプを踏襲した構成になっているわけで、明るくて解像感も持っている優秀レンズであることが判ります。加えて、メーカがフジフィルムであり、国内最強のレンズ・メーカでもあるために何らかのモディファイが施されていると考えています。

実際撮影してみると、大口径望遠レンズにありがちな収差フレアをあまり感じません。薄いフレアのベールを被った被写体はあまり面白くありませんので、この点でもEBCフジノンの実力を感じることが出来ます。しかし、現代でも共通して発生しているフリンジは出てきますので、あまり被写体と背景の輝度差を持たせないようにすることも大切と考えています。

F2.5レンズは多少暗い場所でも撮影が楽に行えて、とても便利です。特にシャッター・スピードを1.5倍くらい早く出来ますから、夕暮れ時や森の中などの光量が不足する状況で威力を発揮します。昔は高くて手が出なかったレンズですが、タクマー・レンズは安く手に入って手頃になった事を痛感させられます。何しろF2.8レンズよりもほんの少し明るいわけで、気分的にもストレスが無くなります。

晴れの週末は山歩き。暖かくなってくると熊が出てきますから、今の時期に山歩き撮影行を行います。あまり近づけない場所にある被写体をぐっと引き寄せて、解像感も良く写すことができるEBCフジノンT135mmF2.5は、山歩きの際に信頼できる相棒になります。APS-Cサイズのディジタル一眼レフ・カメラでは200mmレンズと同じ画角になりますから、拡大倍率も程々に稼げて満足感が高くなります。

恐らく2本目のレンズは手に入らないであろうと思われるお宝レンズですので、レンズ前玉に傷をつけないように大切に扱う感じです。

それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 EBC Fujinon-T 135mmF2.5
撮影データ:1/125sec F5.6 ISO100
山の上の公園で観賞用の梅が満開になっていました。八重咲きの梅は春の暖かさを伝えているようで、心も落ち着きます。
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Nikkor-P・C 75mmF2.8(Zenza Bronica EC)

2016-03-03 17:12:10 | 国産レンズ
出張で出かけています。予約投稿でお送りします。
ゼンザブロニカのカメラとマッチングが取れているレンズで、このレンズで撮影すると失敗が無いので、良くつけて持ち出しています。しかし、中古品の値段はびっくりするほどに安く、いかにもキット・レンズの扱いを受けているのが寂しい感じです。

この75mmレンズにはハイグレードなレンズも存在するとの事ですが、いまだかつて目にしたことがありません。おそらく今保有しているニッコールP・C75mmF2.8の出来が良かったために、そこまでハイグレードを求める感じではなくて、生産数も少なかったような感じです。

現代でゼンザブロニカが生産されていて、ディジタルバックも存在するような感じであれば、ある意味見直されたレンズとしてもてはやされると思っています。そのような秘めた実力を持っている普及型キット・レンズな訳で、このレンズさえ持っていればたいていの撮影シーンで驚くような結果を出してくれます。

ブロニカカメラ社が日本光学にレンズ作成を依頼して、びっくりするようなカメラ側の寸法仕様を提示され、その難関をクリアして生産が開始されたレンズです。レンズ側もカメラ側も最高の精度で加工されていますので、写りが悪いわけがありません。実際に撮影すると、本当に細かな部分まできれいに写っています。

少し前までレンズ供給がなされていた感じで、コーティングが新しいレンズが存在しています。入手したゼンザブロニカECには、この新しいコーティングが施されています。旧式のモノコート品のレンズも存在しますから、写りの雰囲気を変えるためにも保有しておきたいのですが、何しろゼンザブロニカ自体の中古品がめったに出てこないために、そのうちの夢にしてあります。

F2.8のレンズは、35mmフィルム換算でF1.2相当のボケ量になります。4段くらい絞りを開けたのと同じボケ量になりますので、苦労しなくともボケの中から被写体が浮き上がるように描写されます。それでいて、被写界深度は75mm中望遠レンズでF2.8の絞り値分は稼げますので、少し大きめの被写体でもピント位置に苦労することは余りありません。

絞り開放からある程度の解像度は出ていますが、F3.5位まで絞り込むと解像感が増してきて、F5.6くらいに解像感のピークがあります。背景ボケのざわつきが気になる時にはF3.5、風景などの背景ボケを気にしない被写体ではF8くらいに絞り込むときれいに写ります。昔ながらの標準レンズな訳で、35mmフィルムカメラを使っていた我が身ですが、すんなり中判の世界に入って行けたのも、レンズの特性が合っていたからと言う感じです。

普通に撮影して拡大トリミングも行えますし、クローズアップ・レンズでマクロ撮影も簡単に行えます。何しろ35mmフィルム換算で45mmのレンズですから、風景も見えている範囲が難なく写せて好都合です。3,000万画素相当の高画質を手軽に楽しめるレンズですので、これからの春の季節は存分に愉しもうと思っています。

それでは、先月半ばに撮影した写真から掲載します。


Zenza Bronica EC Nikkor-P・C 75mmF2.8
撮影データ:1/125sec F5.6 Neopan Acros100
玄関先の葉牡丹も寒いせいか縮こまっているような感じです。立体感のある描写はさすが中判で、背景の丸ボケもあまり角張らないようにして撮影しました。
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