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あるいて・みつける

歩く速さで見つけたものを、記録に残していきます。ゆっくりと歩けば、いろいろなものが見えてきます。

XR Rikenon L 50mmF2

2016-12-02 08:11:00 | 国産レンズ
言わずと知れた和製ズミクロンで、長年買うか、買わないか迷ったレンズです。購入意欲がわいたときに、オートマミヤセコール50mmF2が出てきたり、フジノン55mmF2.2の高解像レンズが出てきましたので、話がそちらの興味のことに行ってしまって、購入意欲が削がれてしまったことが初めにあります。

次の理由は初期のKマウントであることで、自動接点がひとつもついていませんから、話が厄介になります。つまり、昔のタクマーで行えた絞り優先AEが出来なくなることです。レンズ自体のマニュアル動作が行えないことは、カメラ側での操作がアシスト付のマニュアル操作になることを示しており、今まで一手間ですんでいた動作が色々複雑化します。

絞り優先AEが使えなくなって、すべてマニュアルモードになるわけですが、唯一の救いはグリーン・ボタンによる測光が可能なことで、グリーン・ボタンを押した後で露出補正を考え、シャッター・スピードと絞りを動かし、ピントの最終確認を行ってシャッターを切ります。SMCペンタックス120mmF2.8のレンズもこのようなレンズですから、扱いにくいレンズが一つ増えたという感じです。

それでも、和製ズミクロンを呼ばれたXRリケノン50mmF2ですから、その写りを確かめておかないことには、他の50mmF2レンズとの差異が判りませんし、納得も出来ません。購入したからにはという感じで、早速試写を兼ねて撮影行に出かけます。ファインダー像から判断すると、ピントの山が掴み易く、ピント合わせが楽に行えます。これは高解像なレンズの特徴で、良いレンズにめぐり合ったという気持ちにさせてくれます。

撮影後のカメラ画像を見る限りでは、くっきりとした感じで写っています。コントラストを持ち上げているレンズな訳で、ディジタルカメラで使用すると白とびや黒つぶれを発生させ易いレンズですから、明暗差の余り大きな被写体を選ばないようにして撮影を続けます。写り自体は現代のレンズと余り変わらないような感じですから、特に色のくすみなどを考える必要もありません。

帰ってきてからは現像ソフトウエアで画像の調子を確かめます。現代風の写りといっても、そこは旧来のコーティングですから、あまり派手な逆光撮影はご法度で、うっすらフレアになっているコマがいくつかありました。しかし、低価格の中古レンズでここまで健闘するレンズは珍しく、さすがは和製ズミクロンと呼ばれているだけの事はあります。

富岡光学の写りの特徴も出ていて、暖色の色を強調する色使いとなりますし、ピントが合っている部分の解像感には目を見張るものがあります。これが数千円の中古レンズですから、愉快痛快に感じる人も多かったのではないかと思います。順光撮影を主にして、少しフレアを気にしながら逆光撮影も有りといった感じです。

良い買い物をしました。扱いにくさもありますが写りはピカ一のレンズですから、マミヤセコール50mmF2と使い分けながら、今後も使っていこうと思います。これで50mmF2系レンズも一段落、各々の個性に合わせてチョイスしようと考えています。

それでは、先月中旬に撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 XR Rikenon L 50mmF2
撮影データ:1/100sec F5.6 ISO100
もみじの葉が紅葉を始めました。赤色から緑色に至る色の変化が美しく、この時期は紅葉を始めた木から順に撮影していきます。
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和製ズミクロン

2016-11-30 07:38:11 | 国産レンズ
ずっと前から気にはなっているのですが、ようやく重い腰を上げた感じで購入の決心を付けたレンズかもしれません。リコーさんのXRリケノン50mmF2ですが、以前に買ってみようかと考えていたときにはカメラに付けられているものがほとんどでした。つまり、当時他社を出し抜くような低価格設定で、多くの方が興味を持ったカメラのキット・レンズでした。

一時期は、リコーのカメラでもという気持ちがありましたが、カメラ店の方にペンタックスSPを持っていてレンズもそこそこあるのだから、敢えてKマウントにしなくても大丈夫ですよと教えられた記憶があります。当時のF2標準レンズは、低廉な価格を実現する手段でしたし、写りのグレードを下げてまで持つ必要が無いといった感じでした。

近年になって、和製ズミクロンとしての触れ込みが浸透して、初代の重たいバージョンのレンズは見られなくなってしまい、替わって後期生産品であるLマーク品が残っているという感じです。今回見かけたのもLマーク品のXRリケノン50mmF2です。初代品に比べて大分軽い製品ですが、それでもフジノン55mmF2.2の普及品に比べるとずっしりしており、ピントリングの回り方など、重厚感を備えています。

このレンズで、外観上興味のあることがありました。それは富岡光学製であるかという事です。多くの方が議論されているようですが、違った切り口で比較してみたいと思っていました。まずは、同じ時期のレンズです。リケノンとマミヤ・セコールのレンズは、富岡工学製のOEMレンズであることが多く、多くは金色と紫色のコーティングとなっています。

そこで、フジノン55mmF2.2を加えてレンズ前玉の形状比較をしてみることにしました。特にマミヤセコールとXRリケノンは同じような感じです。加えてコーティングの具合もほとんど同じような感じです。室内灯の反射から見ても同じ4群4枚のダブルガウスタイプのように感じられます。前玉の大きさもほぼ同じであることから、両者のレンズはほぼ同じメーカのOEM生産品であろうと思います。

これだけの状況が一致すれば、富岡光学がOEM生産したレンズと考えてよさそうです。富岡光学以外で考えられるとすれば、コシナさんのレンズであり、こちらの考え方も捨てきれないのですが、コシナさんのコーティングは当時カラフルな多層コーティングに替わっていますので、昔からの金色コーティングであれば、富岡光学という考え方になってしまいます。

どちらのレンズも、ドイツレンズに追いつき、そしてOEM生産を行ったメーカですから、和製ズミクロンと呼ばれる写りをしたとしても納得できる訳です。購入して帰ってきたのは良いのですが、これからは悪戦苦闘の撮影となります。Kマウントのレンズなのですが、最初期のKマウントな訳で今のディジタル一眼レフ・カメラでは結構面倒くさい作業になります。

その話は次のレンズ紹介で行うことにして、撮影行に出発します。高解像なレンズはピントもピシッと決まって気持ちがよく、さくさくと撮影が進みます。気持ちよく使えるレンズ、和製ズミクロンはその様なレンズです。

それでは、今月中旬に撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 XR Rikenon L 50mmF2
撮影データ:1/60sec F5.6 ISO100
秋も深まってさんしゅゆの実が真っ赤に色付きました。これから葉が落ちて赤い実だけが枝に残ります。
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EBC Fujinon-T 135mmF2.5

2016-11-28 09:00:57 | 国産レンズ
フジノンのレンズは日本最強のレンズかもしれません。今となってみればフィルムを作っているのがフジフィルムさんだけですので、フィルムのテイストを最大限に発揮させることが出来るレンズが作れるのも、フィルムメーカさんの隠れた取り柄です。かつてはコニカさんがヘキサノンで競っていましたから、どちらのレンズも写りは一級品なわけです。

今では、フジフィルムさんのXシリーズが、フィルム時代からカメラで撮影をされている方に好評なことをカメラ屋さんに聞きました。やはりディジタル時代になっても、かつて使っていたフィルムと同じように写ってくれないと満足できませんし、すぐに飽きが来てしまうと思います。その点では黒白フィルムのモードでも、しっかりとトーンを出してくれるフジフィルムさんのカメラには脱帽です。

EBCフジノン-T135mmF2.5は、Web上で探してみてもほとんどヒットしない、ある意味隠れた銘レンズです。生産数が少ないことと多くの製品が輸出をされていたことがあって、むしろ海外のコレクターの方々の使用感が多くヒットします。その様なレンズですから、M42レンズの興味を持った頃は知らなかったレンズであると言うことも出来ます。

EBCフジノンレンズは、このレンズよりも19mmF3.5の超広角レンズのほうが有名で、多くのコレクターの方々が探しているレンズであることを紹介本でも知りました。その他一般的にはカメラについている55mmF1.8の標準レンズしか思い当たりません。35mmF3.5のレンズはたまに中古店で見かける程度であり、いずれのレンズも幻の領域にいる希少レンズです。

広島の中古店で紹介してもらったのがこのレンズで、購入したときにはどこにでもあるようなレンズであろうと思っていたのですが、後から調べてみてびっくり仰天となった訳です。日本国内ではほとんど売られていない、希少品レンズだった訳でコムラー135mmF2.8とあわせ、広島の中古カメラ店さんの品揃えの奥の深さに驚きました。まだまだびっくりするようなレンズが見つけられそうで、驚きです。

明るい光に強いフジノンレンズ、特に白い部分にトーンがはっきりと出てきて、簡単に白とびしない、粘る白が特徴です。ネガフィルムと合わせるとトーンの幅の広さに驚くような感じで、ディジタルカメラでも黒つぶれや白とびしない優秀レンズとなります。また、ピント合わせが行いやすい高解像の設計ですから、現代レンズと比較しても遜色が無い実力を持っています。

このレンズを付けていると明るい屋外に出たくなります。しかし、コーティングは一つ前のEBCコーティングで、明らかな逆光条件のときは少し不利になります。そこは最新のスーパーEBCコーティングでという所ですが、厳しい条件下でも何とかくじけずに粘ってくれる所が嬉しく、良く使用するレンズの一つに入っています。

さすがフジフィルムさんな訳で、実はこの写りがコンパクトディジタルカメラやチェキ、そして写ルンですでも愉しめるのがすごいところです。背景のぼけ方が違いますが、かっちりと写ってトーンの幅も広い、白い部分や黒い部分からトーンが湧き出してくるような感動を与えてくれるのもこのレンズならではといった感があります。

それでは、今月初めに撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 EBC Fujinon-T 135mmF2.5
撮影データ:1/125sec F5.6 ISO200
いよいようちわかえでの葉も真っ赤になりました。すぐに落葉してしまいますのでチャンスを逃さず撮影します。
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06 Telephoto Zoom 15-45mmF2.8(Pentax Q7)

2016-11-24 20:30:00 | 国産レンズ
ペンタックスQ用の望遠ズーム・レンズで、キット・レンズにもなっています。最近になってようやく揃えたという感じで、大半の撮影はスタンダード・ズームがこなしてくれますから、特に必要性を感じなかったというのが本音です。旅先での撮影にペンタックスQが活躍してくれる訳ですが、あと一歩近寄りたいという要望に応えてくれるレンズです。

レンズはズーム・レンズにすると画質が落ちて暗くなります。レンズの構成枚数が増えてしまって、色々な焦点距離で何とか目的に近い解像度とボケ味を得るようにしないといけませんから、どうしても特性が平均化してしまって諦めないといけないところが出てきます。このために単焦点レンズを良く使うようになってしまったという所で、ズーム・レンズはほとんど所有していないといった感じでした。

Q用のレンズは、カメラ自体の撮像素子が110サイズに近い大きさですので、小型化することが可能です。このためにレンズ自体を少し大きくすれば、割りとコンパクトで高性能なレンズが出来上がります。しかも、現代は分散レンズに非球面レンズと、従来のレンズが苦手としていた収差補正も簡単に行えるようになってきています。

また、カメラ側での歪曲収差補正は便利な機能で、専用レンズであることも加味されて、どのズーム位置でも歪曲が感じられないほどに補正されます。大きなディジタル一眼レフ・カメラにズーム・レンズを付けると、たる型と糸巻き型の歪曲に悩まされますし、現像ソフトウエアで補正してもあまり良くなりません。この点は、専用の望遠ズーム・レンズは信頼できるという訳です。

単焦点レンズは、その点歪曲の度合いは固定されていますので、レンズの設計によって補正することが可能です。つまり昔のレンズから良好に歪曲収差が補正されているレンズが多く、まっすぐなものはほぼまっすぐに写る訳で、単焦点レンズばかりを集めてしまうといったことになります。しかし、色収差や球面収差は起こりますので、ハロや色のにじみは我慢しなくてはいけません。

このジレンマを解決してくれるレンズな訳で、ペンタックスQでは積極的にズーム・レンズを使用するようになっています。購入して使ってみると、なるほどな感じで収差のほとんど感じられないクリアな画像が得られます。キット・レンズとは思えないような良い写りをしますので、お勧めのレンズであろうと思います。

出張から帰ってきて少し時間が有りましたので、残った紅葉を手早く撮影していきます。とちの木は落葉してしまって枝だけになってしまいましたが、さくらとけやきの木はまだ葉が残っていますので、何とか撮影できたという次第です。冬に咲き始める花も咲き出しましたので、一緒に撮影して晩秋の雰囲気を堪能しました。

それでは、今月初めに撮影した写真から掲載します。


PENTAX Q7 Telephoto Zoom 15-45mmF2.8
撮影データ:1/250sec F5.6 ISO100
けやきの紅葉を撮影して、近くを見るとつたの葉が紅葉していました。日に透ける紅葉の葉はきれいで、思わず見とれてしまいます。
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Chinon MC Macro 50mmF1.7

2016-10-09 11:03:33 | 国産レンズ
マクロスイターのそっくりさんレンズで、このブログでも時々検索の対象になるようです。マクロスイターといっても、知らない方が多くて説明をするのに苦労するレンズです。元来はスイス・ピニオン社のレンズですので、アルパのカメラを使っていない限りはスイターのレンズも知ることが無かったわけです。

それが、M42のマウントでほんの少し生産されていたことから、現在マクロスイターのレンズはとても高額なレンズになってしまい、フランスのアンジェニューよりも手に入れることが難しい希少品レンズとなってしまいました。中古品としてあったとすれば、途方も無く高額である事は間違いないようで、M42レンズに興味のある方の垂涎の的レンズになっているようです。

そんなこんなで紹介本を見ていたら、1976年から80年半ば頃までチノンがOEM生産をしていたと言う記述にたどり着きます。つまり国産レンズメーカーが、マクロスイターのOEM生産をしていたわけですから、もしかするとと云う感じでチノンのレンズを調べてみると、名称が違うだけで外観そっくりのレンズが存在します。

マクロスイターの写りはどの様なものなのか、紹介本を見てもあまり良くは判りません。しかしアポクロマートがしっかりと施されている、色ずれやハロの少ない優秀なレンズであることが判ります。加えてマクロレンズですから、全群繰り出しの構成と言うこともあって、マクロ域における背景ボケの柔らかさも期待できそうな優秀レンズであることも判りました。

銘版にマクロスイターの文字があれば相当に高額なのですが、OEMメーカの名称がついたそっくりさんレンズであれば、そこそこ手の届きそうな価格で売られている感じです。Webページで丹念に探していると、どうやらそれらしきレンズが見つかり、購入したのがこのレンズです。当時はマクロスイターの写りそのものを知りませんでしたので、あたらいい写りの特徴を持つレンズと考えて、購入を決めたわけです。

これで普通のマクロレンズと同じ写りであれば興味も半減したのですが、いざ撮影してみると色ずれは皆無でハロもほとんど出てこない優秀レンズでした。今から40年以上も前のレンズでアポクロマート構成という事自体、かなりの驚きで現代レンズに引けを取らない優秀さに驚きました。ピント位置の解像感はすごく高くてボケ味もきれいなレンズです。

名称がマクロスイターではありませんので、その分不遇な扱いを受けていたレンズと取ることも出来ます。コストパフォーマンス的には最高のレンズで、我が家のお宝レンズとなりました。柔らかなボケ味と立体感のある画作りで、満足できる仕上がりを約束してくれるレンズです。

それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 Chinon MC Macro 50mmF1.7
撮影データ:1/125sec F3.5 ISO400
少し寒くなってきましたが、おしろいばながまだ元気に花をつけています。もう少し寒くなると枯れてしまいますので、今のうちに撮影します。
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