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あるいて・みつける

歩く速さで見つけたものを、記録に残していきます。ゆっくりと歩けば、いろいろなものが見えてきます。

Fujinon 55mmF2.2

2017-07-24 08:18:15 | 国産レンズ
フジノン・レンズは昔も今も写りが良い。EBCコーティングが施されたレンズは逆光特性も良くて、ハロを気にしないで撮影が行えます。しかし、昔のフジノン・レンズも結構健闘していますので、フードを装着して斜光をさえぎるだけでも、十分に持てる性能を発揮してくれます。中古品棚に並ぶ事もほとんど無い、価格は手ごろでも手に入れるのが難しいレンズです。

フィルム・メーカの作るレンズは、フィルムの発色度合いやコントラスト、そして感光剤の粒度を勘案して最良の取り合わせとなるように作られています。このために、フジノンのレンズと最良の取り合わせになるのがフジフィルムさんのフィルムという事になります。同じ様な理由で小西六さんのフィルムにはヘキサノンが一番良い取り合わせになります。

最良の取り合わせにはなるのですが、何しろフジカのカメラを中古品で購入しようとすると、なかなか見つからない感じです。メジャーどころのニコンさんであれば容易く見つかりますが、フジカとなるとそう簡単に見つかりません。やはりメジャー・メーカ以外のカメラはそれほど多くの数を販売していたわけではないので、手に入れようとすると意外に難しいわけです。

一番手っ取り早いのが、レンズ単体を探す事よりもカメラとのセットで購入する事で、一般的な標準レンズと135mmあたりの望遠レンズが一緒になったカメラ・セットで購入してきます。意外とカメラ屋さん以外の中古品店で見かける事もありますので、根気良く探すと実働してカビのほとんど無いレンズが付いたカメラを見つける事が出来ます。

このレンズもフジカST-605Ⅱに付けられて、撮影できるカメラセットとして売られていました。結構安い値段でしたので実質上のレンズ価格はほとんど無いような感じです。しかし、取り付けられているフジノン・レンズは写りはピカイチで、しかも開放絞り値が2.2と絞り開放で使用してもそこそこ解像度は出ています。

入門者向けのレンズな訳で、絞り込むと背景が急に硬くなっていきますが、それもファインダー像をよく見て撮影すると、通常のF1.8クラスのレンズと遜色が無いような背景ボケを作る事ができます。しかし、このままではマウント面にフジカ特有の絞り値伝達用の突起がありますので、削り取ってM42カメラ用としてどのカメラも使えるようにしています。

ディジタル一眼レフ・カメラのK-5にも、マウントアダプタを介して取り付けることができますので、装着するとあまり肩肘の張らない撮影が行えるお気楽カメラに変身しますので、ストレスがあまりかからない撮影が行えて便利です。加えてフジノン・レンズは色の偏りが少ない優秀レンズですから、白い被写体のグラデーションがきれいに出てきます。

フジノンレンズを装着すると白い被写体を良く追いかけるようになります。白から灰色にいたるまでのグラデーションがきれいに出てきますので、一度使うと病み付きになります。梅雨の中休みのような晴れ間が広がった休日は、フジノン・レンズの出番となりました。

それでは、今月中旬に撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 Fujinon 55mmF2.2
撮影データ:1/125sec F5.6 ISO200
モントブレチアの花が咲き始めると、暑い夏がやってきたという感じで、お盆の頃には咲き終わってしまいます。梅雨の終わりごろから咲き始めますので、これからの季節の被写体になってくれます、
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Komura 135mmF2.8(Asahi Pentax SP)

2017-06-16 16:00:10 | 国産レンズ
久しぶりのコムラー・レンズで、写りの良さと低廉な価格を実現していた三協光機のM42レンズです。しかし、プリセット絞りを長い間採用していましたので、オート絞りのカメラが増えていく中で取り残されたようになってしまい、自身が大学生の頃にはすでに倒産してしまって興味はあったけれど購入できなかった悔しいレンズになります。

35mm判のフィルムカメラ用レンズとしても、結構知名度がありましたが、多くの方からこれは良いよと教えてもらったのが中判用レンズで、当時はメーカ純正レンズよりもはるかに安い価格設定でしたので、お世話になったカメラマンの方の話も良く聞く事ができました。

コムラーのレンズと言うとプリセット絞りのレンズがほとんどであり、カメラの中古品棚を見ても一番多く見つける事が出来るのが135mmF2.8のレンズです。プリセット絞りのレンズと言うこともあって、価格はびっくりするくらいに安く、中にはジャンクレンズとして破格の値札が付けられて売られていたりします。

1個目のレンズは絞りの止めピンが使用中に外れてしまって、急遽ジャンクレンズを買いあさって、3個のユニットに分けて良いとこ取りをしながら2個のレンズを作ってしまいました。絞り羽根のピンが外れた部分は、もう一度接着剤をつけて差し込みなおし、現状復帰しています。3個のレンズができそうなのですが、内1個のレンズはレンズ・エレメントの接着部分がバルサム付けされていませんでしたので、接着を諦めてユニット単体を再度組み直して保管してあります。

流石にサード・パーティの昔レンズですから、絞り開放では柔らかな画像になってしまって締りが有りません。このため、F5.6位までは絞り込むのですが、ほぼ円形絞りですからボケの角張りを気にすることなく、安心して絞り込む事ができます。少し絞り込んだときに点光源の丸ボケがウニのようになりますが、これも愛嬌といった感じです。

昔レンズのスタンスで、しっかりと絞り込んで撮影し、あまり近接撮影を行うよりも、しっかりと遠景撮影に的を絞るようにすると好結果が得られます。質実剛健に望遠サイドに的を絞った設計がされているレンズですから、近接撮影はマクロレンズに任せて中景から遠景を撮影するようにします。

今回の撮影行は、付属しているフードの効果を確かめようと、フィルムカメラで挑戦します。フードのけられを確認するときには、やはりフルサイズのフィルムが便利です。近所を歩き回りながら、少しはなれた木の上方に咲いている花を撮影して行きます。黒白フィルムを用いて撮影すると、帰ってから即現像とスキャニングが行えますので便利です。

コムラー135mmF2.8専用フードは、専用のステップダウン・リングが付いた変わり者フードですが、イメージサークルにぴったり合わせて作られていますので、斜光の除去効果は抜群でうっすらフレアもかからずに撮影が行えます。今回の撮影行でも十分に効果が確認できましたが、中古品を購入する際には付属のフードを確認しておくと間違いが無い感じです。

それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。


AsahiPentax SP Komura 135mmF2.8
撮影データ:1/500sec F11 Kodak Tri-X400
近接撮影ではあまり思わしくありませんでしたが、少し離れた所に咲いているやまぼうしの花は良く写ります。トライXは粒度が粗いためにあまり細かな部分まで写りませんが、雰囲気が良く出せて良かったと思っています。
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Chinon MC macro 50mmF1.7

2017-05-21 18:57:57 | 国産レンズ
春も本番になると色々な花が次々に咲いてきて、毎週の休日は確かこの花が開花の時期などと色々考えて撮影行に出かけています。大体は計画通りに撮影できるような開花時期が少し長めの花が多いのですが、中には数日といった花もあります。次の休みまでの間に咲いて散ってしまったという花もあるわけで、中には諦めて翌年となった花もあります。

ゴールデン。ウィークも過ぎてしまうと、咲いている花は初夏の花。光の強さは夏至の頃とほぼ同じで暗いレンズも活躍の場が出てくる感じなのですが、逆に今まで重宝して使っていた明るいレンズは、背景が硬くなってしまって無理に柔らかさを出そうとするとシャッター・スピードが足りなくなって苦戦します。

フィルムの場合は高感度フィルムからISO100の低感度フィルムを良く使うようになってきます。しかし、フィルムの場合は感度よりも粒度やグラデーションの勾配、そして色合いの変化を愉しみますので、とかく感度のほうが疎かになってしまって、実際に撮影しようとすると光量オーバーで撮影が出来ないという事が起こります。

今回のチノンMCマクロ50mmF1.7は、後ボケがきれいな優秀レンズです。外観はマクロスイターとおんなじ格好をしていますので、ほぼ同じ仕様と考えて使っています。普通の標準レンズの繰り出し量を少し多めにして、1/3倍までのマクロ撮影ができるようになっていますが、その分マクロ域では被写界深度が1mmほどに狭くなってしまって、ピント合わせに一苦労しますし、微妙なピント外しを量産する事になってしまいます。

マクロスイターはアポクロマート仕様。色ずれが少ないレンズですが、このレンズも色ずれが少なくて現代的な写りになります。昔レンズはとかく色ずれが結構気になったりしますが、ファインダー像からもすっきりと見えるさまは感動的で、すっきりと被写体が写り込みますから撮影も真剣になります。気になるのはこの季節にしては明るすぎるレンズと言うことで、フィルムカメラよりもシャッター・スピードが稼げるディジタル一眼レフ・カメラの使用が適しています。

細かな部分までよく写せて、解像度も高いレンズなのですが、反面力強さに欠ける描写となりますので、ノイズを足したり暗部をもう少し落し気味にしたりすることで、満足できる仕上がりにしていく事も大切です。現像ソフトウエアのシルキーピクスも、新しいバージョンになって明瞭度のスライダーが準備されました。暗いほうのトーンを少しさげていく調整なのですが、このレンズにぴったりの調整機能であると思っています。

藤の花の写真を撮影する初夏の頃になると、待ちかねていたこうぞの花が開いてきます。遠めに見ると咲いているのが判らない地味な花ですが、花火のように咲く花ですから花弁が陽に透ける様がきれいで、毎年この時期になるとそわそわして撮影行に出かけます。

五月晴れの青い空に映える草花を撮影するのは、気分もすがすがしくなってよい感じです。
それでは、今月初めに撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 Chinon MC Macro 50mmF1.7
撮影データ:1/250sec F5.6 ISO100
久しぶりに沢沿いにある公園に行ってみると、くるみの花が満開になっていました。あっという間に実がついて秋にはくるみの実がいっぱいになります。
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Zenzanon MC 150mmF3.5(Zenza Bronica EC)

2017-04-15 08:21:32 | 国産レンズ
手強いゼンザノンの150mmレンズで、モノコートのゼンザノンは線が細くてしなやかな描写、そしてマルチコートのゼンザノンは力強い描写が得意です。モノコートはノリタ光学、そしてマルチコートのゼンザノンは富岡光学と考えています。どのレンズもしっかりとした写りが楽しめる反面、手強い癖を持ったレンズです。

中判で150mmレンズは、35mm判換算で80mmほどの中望遠レンズに、そして前後ボケの柔らかさは絞り4段分ほどあけた感じになりますので、F1.8相当とピント位置以外はほぼボケた状態になります。まさにポートレイト・レンズのような、大口径中望遠レンズと同じ様になるわけです。この点からいくとゼンザノン100mmF2.8はほぼ標準レンズのように扱えますから、撮影が楽になります。

ボケ量が格段に大きくなりますし、何しろ150mmの望遠レンズです。しっかりと圧縮効果が得られる事に加えて前後数mmの被写界深度に悩まされる事になります。また、レンズ自体が持っている性能を調べてみましたが、ほぼ中景から遠景にかけて高い解像力を持っています。近接になると画像が柔らかくなりますので、近接撮影にはあまり向いていないレンズと考えています。

この頃のレンズは絞り込んで撮影するのが基本ですから、現代レンズのように絞り開放からある程度解像力を持っているわけではありません。しかも35mm判カメラ用レンズと違って絞り込んでいっても後ボケの柔らかさが崩れるわけではありません。ゆっくりとボケ量が少なくなりますので、F11以上は絞り込んでやらないと解像感が上がったようには感じません。

光量が十分に稼げるような環境下で無いと、ISO100の高精細中感度フィルムを用いる事が出来ずに、微妙なピンボケ写真を量産してしまう事になりますので、手持ちの撮影ではかなり苦しくなります。手持ちで撮影する場合は、ぶれ防止の意味からもシャッター・スピードを早くする必要がありますから、曇りや雨の状態ではあまり撮影する気力が湧かなくて、35mm判カメラに流れてしまいます。

中判カメラは三脚固定が基本ですが、剛性のあるしっかりとした三脚を用いないと1/30秒以下のシャッター・スピードでは、逆に大きすぎるシャッター・ショックのおかげでぶれが起きてしまいます。ミラー・アップなどの対策を講ずる必要がありますので、撮影が余計煩雑になってしまい、1枚のコマを撮影するのに多くの時間を費やしてしまいます。

ゼンザノン150mmレンズはしっかり写って中古価格も安い、ある意味コスト・パフォーマンスに優れたレンズですが、手強さをしっかりと持っているいぶし銀のような昔レンズです。今回はISO200のローライ・スーパーパンが手に入りましたので、解像度の確認を行う目的で風景を撮影して来ました。近接ではかなり画像が柔らかくなって、あまりぱっとしないゼンザノンMC150mmですが、風景ではしっかりとした画像となります。

小さく写っている部分も拡大すると細部まではっきりと描写されますし、トーンもはっきりと再現されます。高精細フィルムを使う事でゼンザノン150mmの良さが改めてわかったような気がします。

それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。


Zenza Bronica EC Zenzanon MC 150mmF3.5
撮影データ:1/500sec F9 Rollei SuperPan200
解像度の確認は送電線の鉄塔を使うと判りやすくてよい感じです。後ろの山の残雪も結構表現されていますので、レンズの解像度は相当に高いことを実感します。
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Zenzanon MC 150mmF3.5(Zenza Bronica EC)

2017-04-05 19:30:25 | 国産レンズ
昨年暮れに購入した中古品で、150mmF3.5はモノコート品とマルチコート品の2本になりました。ゼンザノンの安い中古レンズは150mmしか有りませんので、購入しやすいレンズで揃えたわけです。何しろブロニカのカメラ自体が希少ですから揃えていくのも一苦労で、その点から言うと化けペンやマミヤのカメラの方が揃えるといった観点からは有利です。

MCバージョンのゼンザノンを手にして、最初に思った事はレンズ構成が全く違っていることで、レンズ自体の鏡胴長さが2/3くらいに短くなっています。これでカメラを構えたときの重臣位置がカメラ側に来ますので、撮影が行いやすい感じです。しかし、焦点距離からすると35mm判換算で80mmほどの中望遠レンズになりますから、手振れを起こしやすくなります。

富岡光学を思わせる発色に満足しましたが、ピント位置はしっかりと出ていてカミソリの刃のような浅い被写界深度になります。流石は富岡光学レンズと感心しましたが、旧来から手に入れているM42レンズの富岡レンズも同じ様に、カミソリの刃のような浅い被写界深度を持っています。絞り込めば被写界深度は深くなるのですが、今度は点光源の形が角ばりますので、なんとも扱いにくい側面を持っています。

モノコートのゼンザノンも同じ側面を持っていて、ノリタ光学のルーツは東京光学なわけで、両方のレンズは共に扱いにくいのだけれど、練習を重ねればしっかりと撮影できるコマが少しずつ増えていきますので、毎回挑戦と言う気にさせてくれる不思議なレンズです。中判の大きさであれば、ISO400の粒度が粗いフィルムを使ってもあまり粒子感が出てきませんので、高精細な画像が得られる替わりに細かなぶれやピント外しが気になりますので、殊更撮影時に気を遣います。

マルチコートの特徴は出ていて、逆光環境でも何とか持ちこたえるタフなレンズに見えますが、それでも昔のレンズです。順光の撮影をメインにして撮影しないと、うっすらフレアやゴーストに悩まされますので、しっかりとフードをつけて無理をしない撮影が基本になります。出来上がりに期待できる優秀レンズでも有りますから、撮影時の手抜きはご法度という感じです。

久しぶりの晴天に恵まれた休日は、絶好のゼンザノンを確認出来る日になりました。レンズの癖をつかんでいくチャンスでもありますので、一コマ一コマに時間をかけてじっくりと撮影していきます。周りの状況もよく観察して覚えこみ、現像上がりの結果がその通りになっているか確認します。成功コマも多くなって満足できる仕上がりになり、嬉しく思った反面無理をして撮影したコマは、やはりあまり面白くない出来になってしまいました。流石は手強いレンズです。

ゼンザノン150mm、モノコートとマルチコートどちらのレンズも手強いレンズで、写りはピカイチになるレンズです。これからも挑戦して行こうと思います。

それでは、今月中旬に撮影した写真から掲載します。


Zenza Bronica EC Zenzanon 150mmF3.5
撮影データ:1/250sec F8 Kodak Portra400
暖かくなってくるととさみずきも花を開き始めます。先端が赤い黄色の花は愛嬌たっぷりです。
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