初代タクマーの時代からずっと作り続けられている50㎜マクロレンズで、初代は等倍まで寄れるレンズでしたが、スーパータクマー時代になって自動絞り機能が付加されると、ダブルヘリコイドの機能が無理になってしまって、0.5倍までの拡大倍率になったのですが、基本のレンズ構成はテッサータイプのまま変わらずにずっと続きました。
この時代の標準マクロレンズというと、アリ地獄のような前玉位置に特徴があって、他もメーカのレンズも大体は同じ格好をしていました。やはりテッサー構成をとっているメーカも多くて、アリ地獄の底にちょこんとレンズが鎮座しているという感じです。とにかくレンズ全群を大きく伸ばす必要があったがために、このような格好になったという感じです。
元はといえば文献複写用の用途が多かったように感じています。何しろこのレンズ用のコピー台までありましたので、昔のコピー機がなかった時代は、マイクロフィルムで保管していましたから、さもありなんというところです。当時はA4やA3の普通の紙のようなコントラストの高い印画紙まで売られていました。
そもそもテッサー構成のレンズですから、解像度がすごく高い訳で普通の撮影用としても重宝されたという訳です。しかし、当時のマクロレンズは全群繰り出しのレンズでしたので、マクロ域と遠景域で多少はレンズ位置を調整しないことには、満足する結果を得ることができません。このため、マクロタクマーもマクロ域で最良の結果が出るように調整されています。
今となってみればフローティング機構がありますので、微妙にレンズ位置を変えてすべての撮影域で良好な結果を得ることができるのですが、マクロタクマーはマクロ域に絞り込んで性能を上げているという訳です。このため、標準レンズの代わりとして使おうとすると、いろいろ不都合が出てくるという事になります。
元々コントラストが高いテッサー構成なのですが、輪郭を強調するようなレンズに仕上げてあります。マクロ域の撮影時はどうしても輪郭が崩れてくるのですが、あえて輪郭を強調することによって、マクロ域でふにゃふにゃの画像になることを避けているわけです。このため、遠景域では輪郭が強調されすぎて、2線ボケやコピー機のような仕上がりになることがあります。
このためにSMCタクマー55㎜F1.8があるという訳で、当時はいろいろこまめにレンズを交換しながら撮影を行っていましたから、あまり苦にならなかったという事になります。しかし、マクロ機能が付いた標準ズーム・レンズが出てくると、次第に需要も減ってきて一時は消滅かとも思いましたが、何とか現代レンズの中で生き延びている感じです。
お盆休みに入って、連日の酷暑が戻ってきたという感じなのですが、お盆過ぎにならないと涼しさが感じられないという連日の酷暑です。このため、夏の盛りに咲く花ももうそろそろ終わりに近づいてきて、残っている花が少なくなってきてしまいました。この時期にいっぱい咲いて実を残すカボチャやゴーヤは元気に花を咲かせているのですが、秋の花はまだ先といった感じです。
プランターで育てているヤブツルアズキも、今はつるを伸ばすのに一生懸命といった感じで、花が咲き始めるのはもう少し先といった感じです。道端で繁茂するヤブツルアズキはどうなっているかという感じで、撮影行に出かけてみるとまだ繁茂している真っ最中で、群落は見つけたものの花はまだという感じです。
お盆休みの間はずっと晴天が続きそうですので、酷暑も続きますから撮影行も短めの時間で、場所の目標を決めてさっと出向いてくるといった感じです。コロナ禍の真っ最中ですので、お籠り状態という訳で過ごそうと考えています。
それでは、先月初めに撮影した写真から掲載します。
PENTAX K-1 SMC Macro Takumar 50mmF4
撮影データ:1/640sec F5.6 ISO200
ようやく夏の暑さになってきて、道端のヘクソカズラも花を開き始めたというところです。これから秋本番まで花が咲いて、葉が落ちた後はつやつやの実で楽しませてくれます。