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あるいて・みつける

歩く速さで見つけたものを、記録に残していきます。ゆっくりと歩けば、いろいろなものが見えてきます。

SMC Macro Takumar 50mmF4

2022-09-14 06:50:25 | タクマー・レンズ

初代タクマーの時代からずっと作り続けられている50㎜マクロレンズで、初代は等倍まで寄れるレンズでしたが、スーパータクマー時代になって自動絞り機能が付加されると、ダブルヘリコイドの機能が無理になってしまって、0.5倍までの拡大倍率になったのですが、基本のレンズ構成はテッサータイプのまま変わらずにずっと続きました。

この時代の標準マクロレンズというと、アリ地獄のような前玉位置に特徴があって、他もメーカのレンズも大体は同じ格好をしていました。やはりテッサー構成をとっているメーカも多くて、アリ地獄の底にちょこんとレンズが鎮座しているという感じです。とにかくレンズ全群を大きく伸ばす必要があったがために、このような格好になったという感じです。

元はといえば文献複写用の用途が多かったように感じています。何しろこのレンズ用のコピー台までありましたので、昔のコピー機がなかった時代は、マイクロフィルムで保管していましたから、さもありなんというところです。当時はA4やA3の普通の紙のようなコントラストの高い印画紙まで売られていました。

そもそもテッサー構成のレンズですから、解像度がすごく高い訳で普通の撮影用としても重宝されたという訳です。しかし、当時のマクロレンズは全群繰り出しのレンズでしたので、マクロ域と遠景域で多少はレンズ位置を調整しないことには、満足する結果を得ることができません。このため、マクロタクマーもマクロ域で最良の結果が出るように調整されています。

今となってみればフローティング機構がありますので、微妙にレンズ位置を変えてすべての撮影域で良好な結果を得ることができるのですが、マクロタクマーはマクロ域に絞り込んで性能を上げているという訳です。このため、標準レンズの代わりとして使おうとすると、いろいろ不都合が出てくるという事になります。

元々コントラストが高いテッサー構成なのですが、輪郭を強調するようなレンズに仕上げてあります。マクロ域の撮影時はどうしても輪郭が崩れてくるのですが、あえて輪郭を強調することによって、マクロ域でふにゃふにゃの画像になることを避けているわけです。このため、遠景域では輪郭が強調されすぎて、2線ボケやコピー機のような仕上がりになることがあります。

このためにSMCタクマー55㎜F1.8があるという訳で、当時はいろいろこまめにレンズを交換しながら撮影を行っていましたから、あまり苦にならなかったという事になります。しかし、マクロ機能が付いた標準ズーム・レンズが出てくると、次第に需要も減ってきて一時は消滅かとも思いましたが、何とか現代レンズの中で生き延びている感じです。

お盆休みに入って、連日の酷暑が戻ってきたという感じなのですが、お盆過ぎにならないと涼しさが感じられないという連日の酷暑です。このため、夏の盛りに咲く花ももうそろそろ終わりに近づいてきて、残っている花が少なくなってきてしまいました。この時期にいっぱい咲いて実を残すカボチャやゴーヤは元気に花を咲かせているのですが、秋の花はまだ先といった感じです。

プランターで育てているヤブツルアズキも、今はつるを伸ばすのに一生懸命といった感じで、花が咲き始めるのはもう少し先といった感じです。道端で繁茂するヤブツルアズキはどうなっているかという感じで、撮影行に出かけてみるとまだ繁茂している真っ最中で、群落は見つけたものの花はまだという感じです。

お盆休みの間はずっと晴天が続きそうですので、酷暑も続きますから撮影行も短めの時間で、場所の目標を決めてさっと出向いてくるといった感じです。コロナ禍の真っ最中ですので、お籠り状態という訳で過ごそうと考えています。

それでは、先月初めに撮影した写真から掲載します。

PENTAX K-1 SMC Macro Takumar 50mmF4

撮影データ:1/640sec F5.6 ISO200

ようやく夏の暑さになってきて、道端のヘクソカズラも花を開き始めたというところです。これから秋本番まで花が咲いて、葉が落ちた後はつやつやの実で楽しませてくれます。

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SMC Takumar 135mmF2.5(後期型)

2022-09-08 06:50:15 | タクマー・レンズ

最後まで生き残っていた大口径望遠レンズで、他メーカのレンズは135㎜F3.5から135mmF2.8に変わって、F2.5の存在意義が薄れていましたので、Mレンズまではペンタックスさんも展開を続けたという感じです。その後は135㎜F1.8の大型レンズに変わっていくのですが、ズーム・レンズの波に押されて消えて行ってしまいました。

135㎜というと昔の望遠レンズの花形的な焦点距離でもありましたので、誰しもがキット・レンズで持っているレンズというと、135㎜F3.5のレンズであったろうと思います。その後カメラが一眼レフになってしまうと、二重像合致式の限界が消え失せて200㎜F4のレンズに役目を譲っていくことになります。

徐々に135㎜F3.5レンズの存在意義が薄れていって、200㎜レンズの高性能化が進み、200㎜F2.8のにいにっぱと呼ばれる分散レンズや非球面レンズを搭載した、高性能レンズへと進化を遂げていきます。いわばこの時期のつなぎ役として作られていた感じのレンズでもあり、135㎜F2.5レンズとすれば、お勧めできるのがこの後期型レンズになります。

同時に大口径化をするときに、昔ながらのレンズで収差の限界がこの135㎜レンズであり、これより上の焦点距離になると、分散レンズや非球面レンズを搭載しないと、コントラスト低下による眠たい画像になってしまいます。当時の200㎜レンズは新しい花型レンズとして受け入れられたのですが、裏で綿々と収差の除去に関する苦悩が積み重ねられていったという感じです。

それでも大口径レンズに対するニーズは強くて、簡単に立体的な画像を得ることができますから、135㎜F2.5のレンズ需要は続いたということになります。しかし、タクマー135㎜F2.5はエルノスター構成をとっていましたので、どちらかというと甘い解像度になってしまうことは仕方がないといった感じです。かといって絞り込むと改善するのですが、今度は背景ボケが固くなって立体感が薄くなります。

これを改善したのがSMCタクマー135㎜F2.5後期型で、エルノスター構成からテレフォト構成に変わっていくということになります。200㎜レンズでは収差が出てくるのですが、135㎜レンズでは収差が少なくてはっきりとした画像を結びます。しかし、この改良がされた後でしばらくするとKマウントへの変遷が始まる訳で、良さがわからないままにSMCペンタックスレンズに変わっていったというわけです。

撮り比べてみると、線の細いしなやかな描写は変わらないのですが、収差の影響が減っていてよりはっきりと写るようになっています。これに加えてSMCコーティングと大口径レンズの良さが加味されて、しっかりとした立体感表現ができる様になっているという事になります。135㎜レンズの良さを理解して、他レンズの良い所取りをしたような仕上がりになっているという事になります。

気が付けば夏の花がもう終わりそうな勢いで、急いで撮影行に行ってきたというのが本音ですが、秋の草花まではもう少し時間があってなんとも言えない寂しい状況になっています。しかし、ヘクソカズラなど花が少し遅れているものもありますので、実りの時期を間近に控えた木の実を撮影するのも悪くないといった感じです。

やはり大口径望遠レンズですので、絞り解放付近から解像感が出ているのですが、被写界深度がかなり薄いレンズですから慎重にピント合わせと、解像している範囲を確かめながらシャッターを切ります。結構神経を使うのですが、立体感あふれる描写が得られますので、病みつきになるという感じです。もうすぐお盆休みで、暑さに負けないように頑張って早朝に撮影行に出かけているという感じです。

それでは、先々月末に撮影した写真から掲載します。

PENTAX K-1 SMC Takumar 135mmF2.5(後期型)

撮影データ:1/800sec F4 ISO100

夏といえば松葉牡丹という感じで、子供のころからいろんな場所ににあったのですが、今では育てる人も少なくなりました。いろいろな色合いがあって、この花を見ると夏休みという気分になります。

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SMC Takumar 50mmF1.4

2022-08-15 06:52:35 | タクマー・レンズ

アトムレンズとしてよく話題に上るこのレンズなのですが、タクマー・レンズ群の中で一番含有するトリウム量が多いレンズとしても紹介されています。スーパータクマー時代から、すでにトリウムレンズを採用していましたので、ノントリウムのレンズはスーパータクマーのごく初期に発売されていたぼってり系のレンズと言われています。

手持ちのPINフォト・ダイオードによる簡易放射線量計でも、大体1.4μSv/h位出ていますので、アトムレンズと考えています。手持ちのタクマーを測ってみた結果では、35㎜F2、55mmF1.8のタクマーから放射線が出てきていると言う事になります。55㎜F1.8のタクマーは一応検出するのですが、ほとんど検出できない感じで、トリウム含有量もかなり低いと考えています。

その中でトリウム含有量がかなり多いレンズとして紹介されるのが、この50㎜F1.4のタクマーで、中でもスーパータクマー50㎜F1.4は、かなり高い放射線量を示すアトムレンズです。しかし、SMCタクマー位から徐々にトリウム含有量を減らしているみたいで、期待感を込めて購入したのがこのSMCタクマー50㎜F1.4と言う事になります。

しかし、本当にノントリウムのレンズに変わったのが、SMCペンタックスMレンズからみたいで、購入したSMCタクマー50㎜F1.4も薄いながら変色が見られます。スーパータクマーの夕暮れ色ほどではないのですが、何となく不気味です。放射線量は0.5μSv/h位なのですが、しっかりと昼間に撮影しても夕方のように写ります。

それならばと紫外線照射を行って見たところ、かなり色付きが薄くなってほとんど気にならない位になりました。以降スーパータクマーよりも使う率が多くなったのですが、やはり50㎜F1.4のレンズは少し無理をしている感じがあって、写りの方もあまり好みではありません。優等生すぎる写りで何かしら写りに余裕がないといった感じです。

55㎜F1.8の普及品標準タクマーが、ある意味線の細いしっとりとした写りを提供してくれますので、ある意味性能を追いかけすぎたレンズは、写りはとても良いのだけれどどことなくぎごちない印象を受けるのかもしれません。すごく性能は良くてしっかりと解像してくれるのだけれども、何かしっくりとこない印象を受けるのかもしれません。

梅雨明けにはなったのですが、湿度のほうは思ったよりも下がらなくて鬱陶しい雰囲気になっています。朝晩は少し気温も低くなっていますから、撮影行にも出かけやすいという感じです。ヤブツルアズキの種蒔きを行った次の週は朝早めの涼しいうちに撮影行へ出かけることにしました。気温が上がると一気に不快指数が上がる感じなのですが、気温が上がる前に行動することでばててしまう事を防ぐ感じです。

最近のカメラはホワイトバランス性能が格段に向上していますので、ほんの少し黄変の残るSMCタクマー50㎜F1.4を装着しても、普通のレンズを装着した時のように色味がおかしくなることが有りません。フィルムの時は後からの色合わせに苦労するのですが、ディジタルカメラの技術の進歩を痛感した撮影行になりました。

それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。

PENTAX K-1 SMC Takumar 50mmF1.4

撮影データ:1/800sec F2.8 ISO100

先週花芽を伸ばしていたヤブカンゾウも、1週間ほどの間に満開になってきて、いたるところで咲いています。この花が咲きだすと長い梅雨が明ける感じなのですが、今年は少し早すぎて面食らっているようです。

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SMC Takumar 120mmF2.8

2022-07-30 06:50:20 | タクマー・レンズ

他のメーカにはない焦点距離のレンズで、ペンタックスさんのお家芸のようにもなっているレンズです。おおよそレンズの焦点距離というと、ある特定の値になっている訳で、35㎜や50㎜、そして85㎜や135㎜と、ある意味メジャーと言える焦点距離になっています。カメラを持った当初はこのようなものと思っていたのですが、今となってみると不思議です。

ライツが35㎜フィルムカメラを作った時に、設定した焦点距離という感じで、当時は一眼レフ構造は有りませんでしたので、右と左の2重像合致方法でピント合わせを行っていたと言う事になります。その時には人間の視野角を考えて、おおよそ半分の範囲と言った感じでレンズの焦点距離が決められていった感じです。

しかし、望遠レンズとなると2重像合致を行おうにも変化範囲が狭くなりすぎて、ある意味目視確認ではなかなかピント合わせが出来ないという感じです。このため最長の目視確認が行える焦点距離が135㎜となった訳で、135㎜を超える望遠レンズがなかなか存在しなかったと言う事も頷けます。

ペンタックスさんはこのブランドの名前通り、最初から一眼レフ・カメラを作っているメーカです。即ち2重像合致のピント合わせを行っていませんので、元から135㎜が望遠レンズの限界と言う事は存在しなかったと言う事になります。加えて中判カメラ製造もかなり昔から行われていた訳で、中判レンズの情報もふんだんに存在します。

元から制約のないレンズ設計でもあった訳ですから、どのような焦点距離のレンズでも作れたと言う事になります。しかし、世の中でありふれた焦点距離も有る訳で、合わせておかない事には写りの雰囲気をユーザが想像してくれない事になり、あまり奇抜なものを創っても警戒して買ってくれないと言う事になります。

それならばと、理由を付けて焦点距離を設定した感じです。SMCタクマー120㎜F2.8は、手振れを起こさないぎりぎりの焦点距離として設計されています。世の中焦点距離分の1よりも短いシャッター・スピードであれば手振れを起こしにくいと言われていましたので、少し明るくて1/125秒のシャッター・スピードの設定が出来るレンズは、注目されたのではないかと思います。

このレンズにはもう一つ特徴があって、質感描写にすぐれると言う事が有ります。105㎜と135㎜の良い所取りをしたような感じで、細かな部分までよく描写をします。しかし、大きな前玉からくる収差の影響は避けきれなかった様子で、全体的にコントラストの低い状態になります。少し絞れば改善するのですが、今度はボケの角が立ってきてあまり面白くは有りません。

SMCタクマーになってようやく発売された銘レンズですので、しっかりした描写まで改良が進んだのはSMCペンタックスM120㎜F2.8になってからと言う事になります。しかし、ズーム・レンズの波が押し寄せてくると、一気に消えてしまうといったはかない運命も持った、ある種かわいそうなレンズでも有ります。

それでは先月末に撮影した写真から掲載します。

PENTAX K-1 SMC Takumar 120mmF2.8

撮影データ:1/320sec F5.6 ISO100

春先に穂が伸びてきたと思ったら、今がチガヤの秋のようです。綿毛をまとった穂がいっぱい並ぶようになると梅雨の季節という感じです。

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Super Takumar 85mmF1.9

2022-05-15 06:50:57 | タクマー・レンズ

大枚はたいてようやく購入したポートレイト・レンズなのですが、おかげでレンズに傷やほこりも無くて美品の雰囲気のレンズになっています。中望遠レンズで大口径ですからボケ味も至って素直な感じです。この時期のポートレイト・レンズは各社ともに相当な意気込みを持って作られていますので、贅を凝らして作られている印象があります。

持ち重りのするレンズは、絶対に期待を裏切らない。この様な言われ方をしている時代のレンズですので、相当の期待感があります。しかし、結構無理をして設計されているレンズでもありますから、少し描写的には我慢しなければいけない部分が存在します。やはり85㎜レンズと言うと望遠レンズになり切れないジレンマがあって、それであれば105㎜や120㎜のレンズの方が良い描写をします。

もう少し後ボケが柔らかければと思う事もあるのですが、絞り解放で撮影するとピントが少し外れた部分にまとわりつくハロが気になりますし、かといって少し絞り込むとボケの雰囲気が途端に固くなってきて、トレード・オフの関係を思い知らされることになります。加えて絞り解放ではシャッター・スピードが追い付かなくなってきて、仕方なく少し絞り込むと言う事になります。

NDフィルター装着ではピント合わせもなかなか行い難くて、撮影時のストレスがかなり高くなります。1つのカットを撮影するのに色々考えて、時間をかなり使いますので気軽に撮影という気分になり難いレンズと言う事が出来ます。被写体と背景の離れ具合や背景のざわつきなど結構気にして写す必要がありますので、面倒くさい訳です。

絞り解放で近接撮影をすると被写界深度も1㎜以下になってしまう感じで、少しピントが外れた部分にハロが乗りますから、あまり満足できない仕上がりになるという感じです。解像度を上げてあるがために2線ボケ傾向も強くて、点光源が一様にボケなくて輪郭が付いたようになってしまう事があります。

被写体と背景の距離を十分に取って、点光源を入れないように努力することが必要なレンズで、その上で確保したい被写界深度になるように絞り込むと、満足できる雰囲気になってくれると言う訳です。結構時間と根気のいる作業なのですが、スナップ写真とは少し違った面倒臭さを味わう事になります。しかし、条件さえ満足すれば十分に満足できる画になってくれますので、チャレンジする気にさせてくれる銘レンズと言う事も出来ます。

季節のつじつま合わせが予想外のスピードで進んで、早くも桜が2分咲くらいになってしまいました。次週の休日まで桜の花が持つのか、結構微妙な天候ですので晴れている時を見計らって撮影行に出掛けます。咲き始めの花は結構ピンクの色が濃くて、見栄えのする印象なのですが少し絞り込んでも背景ボケが固くならないように、青空バックで撮影できる位置を探して撮影していきます。

今年の春は駆け足で過ぎていく。その様な感じで、毎週見える被写体が入れ替わっていくような感じです。今年も桜の花の写真が写せたと喜びながら、次の週は撮り損ねたカンヒザクラの花を追いかけるのも悪くは有りません。次の週は何を撮影できるのか、ワクワクしながら待つ気分になれる春が急に訪れた感じです。

それでは、先月初めに撮影した写真から掲載します。

PENTAX K-1 Super Takumar 85mmF1.9

撮影データ:1/1600sec F2.8 ISO200

サカキの花がようやく満開になっています。雪の降っている頃からつぼみを膨らませていましたので、ようやく満開といったところです。

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