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あるいて・みつける

歩く速さで見つけたものを、記録に残していきます。ゆっくりと歩けば、いろいろなものが見えてきます。

SMC Takumar 150mmF4

2023-08-21 06:52:16 | タクマー・レンズ

タクマーの150㎜レンズは、流石に元祖タクマーでは見かけないのですが、スーパータクマーの初期から存在していた感じです。スーパータクマーのレンズでは初期型とその後SMCタクマーやSMCペンタックスレンズまで使われた後期型が存在します。105㎜レンズから150㎜レンズまでは、15㎜毎にレンズが設定されていますので、他社のレンズ設定ではあまり見かけないような印象です。

実際150㎜レンズを使うと、135㎜レンズでは少し物足りなかった画角も望遠レンズらしくなって、圧縮効果とボケ味もかなり良くなりますので、取り回しの良い望遠レンズとして使うことが出来ます。200㎜望遠レンズになると、どうしても大きさや重さが増えてしまって、加えて最短撮影距離も伸びますから、150㎜レンズがコンパクトな望遠レンズとして認知されていたような感じです。

SMCタクマー150㎜F4は、多少暗いながらも後ボケが柔らかくて、とても扱いやすい望遠レンズです。SMCバージョンになって多層コーティングが施されていますので、多少は逆光に強いのですが過信は禁物な発展途上のレンズです。最終バージョンとなるMレンズでは、コーティングとレンズ構成の改良が施されて現代流の写りになるのですが、タクマー150㎜も独特の味わいを持っていますので、色々取り換えて写しています。

レンズの構成自体は昔ながらの全群繰り出し式のレンズですから、収差の影響も多少出てきます。これが現代のズーム・レンズになると非球面や分散レンズを使ってくっきりとした画になるのですが、どうしても収差の影響から逃れる事は出来なくて多少柔らかい雰囲気に写ります。しかし、200㎜レンズ程に収差の影響を受けませんから、しっかりと絞り込んでレンズの中心部を使う様にすると、はっきりとした画になります。

今ではズーム・レンズの焦点域に入るレンズですから、150㎜望遠レンズも綺麗に淘汰されてしまったという感じです。しかし、タクマーからペンタックスMレンズに至るレンズは各々独特の個性を持っているという感じです。加えてクローズアップ・レンズとの相性が非常に良い事も隠された特徴です。とにかく昔のレンズは1本持っていれば色々な場面で使いたい訳で、さっと取り付けて望遠マクロレンズになりますから、結構便利です。

梅雨が長引くと思っていたら、梅雨末期のゲリラ豪雨に悩まされた後で、いきなり夏の天候になってしまいました。夏の陽射しは強くてコントラストも高くなりますから、SMCコーティングの施されたタクマーで撮影すると、すっきりとした画像になります。春と違ってパキパキの硬い雰囲気ですから、この季節はSMCタクマーがとても合うという感じです。

夏の撮影行は日中に行うと熱中症になりそうで、どうしても朝早い内かそれとも夜という感じになります。朝ご飯の前に少し歩き回って撮影してくるのが一番良いという感じで、歩き回る範囲は少し狭くなるのですが、その分夏に咲く草花は場所が限られていますので、狙いをつけて撮影してくるという感じです。

ひとしきり歩き回って、夏の花もこれからという感じで、梅雨時期の花がまだ咲いていますから、ヤブカンゾウやムラサキシキブなど、少し遅れましたが記録として残していきます。もう少しすれば色々な夏の花が強い日差しの下で咲き出しますので、楽しみにしながら待っているという感じです。

それでは、先月下旬に撮影した写真から掲載します。

PENTAX K-1 SMC Takumar 150mmF4

撮影データ:1/125sec F5.6 ISO200

夏真っ盛りの時に花を開くくずの花ですが、まだ咲いている花の数が少なくて、甘い香りはこれからという事になります。咲いている期間がかなり短くて、出会えたのはかなりラッキーという事になります。

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Auto Takumar 85mmF1.8

2023-07-26 06:51:28 | タクマー・レンズ

今では幻の雰囲気になってしまった銘玉オートタクマーで、それでも時々中古品としてヒットするのですが、目玉の飛び出るような高額の値段が付いています。ペンタックスさんもタクマーシリーズの中で一番力を入れていたレンズで、85㎜レンズシリーズはガラスの塊のような重いレンズです。

一見するとすごく高価なレンズなのですが、前玉が大きい事と絞り羽根が余り丈夫ではないことから、前玉の傷や絞り羽根の動作不具合などの状況で、かなり安く売られているという感じです。しかし、元来のプレミア・レンズですからなかなか手が出ないと言う事になります。腐っても鯛と呼べるレンズで、いまだに人気の高いレンズです。

80㎜系大口径中望遠レンズは、古くは元祖タクマーの時代から有りましたので、タクマーのレンズを集めておられる方にとっては雲の上の存在レンズで、カメラ店で見かけたにせよ食指が伸びない高額レンズです。しかし、描写の質は今一歩という感じで、絞り解放付近では軟調な解像感の低い画像になってしまい、かと言って少し絞り込むと解像感は上がっても背景ボケのざわつきがかなり気になります。

SMCタクマーになると解像感はかなり改善するのですが、背景ボケとの兼ね合いで一番満足できるのが85㎜F2のMレンズと言う事になります。ツアイスのレンズにも85㎜F2のレンズが有るのですが、レンズ口径と明るさのバランスが良く取れている感じで、大口径中望遠レンズとすればMレンズの方がおすすめと言う事になります。

どうしても85㎜大口径中望遠レンズと考えてしまうと、価格のプレミア感から期待してしまうというのが本音です。しかし、多少難あり品でも手に入れてしまうと粗が目立ってしまって面白くありません。その点からすると105㎜タクマーが素直で実直な写りをしますので、105㎜レンズの方が好印象という感じです。

オートタクマー85㎜F1.8は、流石は繊細な線の細い写りをしますので、後ボケもかなり柔らかくて好印象のレンズです。この後のスーパータクマーとSMCタクマーになると解像感の方が優先されてきて、後ボケの雰囲気もあまりよくないのですが、銘玉オートタクマーと言われているだけあって、上品で繊細な写りを愉しむことが出来ます。

セミオート式の絞りなのですが、ピンを押し込む仕様のマウントアダプタと組み合わせると、絞り込み測光式のAEカメラとして使えるのが嬉しいという感じです。画面の調子や後ボケの具合を確かめながらシャッターが切れますので、満足できる画が作りやすくて気に入っています。しかし、85㎜レンズ自体、特性を重視した攻めのレンズでも有りますので、ざわつきのある背景を選ばないようにしています。

梅雨の天候が続いていたのですが、2週続けて休日が晴れの天候に恵まれました。ある意味今咲き誇っているアジサイの花も、雨の雰囲気の方が見栄えがするという感じです。それでもまだ花が萎びてはいませんので、これ幸いと撮影していきます。いよいよ梅雨も本番という感じで梅雨末期の大雨にならないか、びくびくしながら過ごしているという感じです。

それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。

PENTAX K-1 Auto Takumar 85mmF1.8

撮影データ:1/2000sec F2.8 ISO200

ここのところの暑さで、近くの畑のゴーヤもいっぱいつるを伸ばしてきて、気が付くと黄色い花を咲かせていました。これから雌花も咲きますので、盛夏の頃はごつごつしたゴーヤの実がいっぱいぶら下がるという事になります。

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SMC Macro Takumar 100mmF4

2023-07-20 06:50:10 | タクマー・レンズ

昔は文献複写によく使われていた、マクロタクマーやベローズタクマーなのですが、世の中にマクロ撮影が浸透するにつれて、望遠マクロレンズの需要も高まってきた感じです。望遠マクロレンズの利点はその最短撮影距離にあって、50㎜マクロレンズの2倍強の距離が取れます。

ワーキング・ディスタンスが長く取れると言う事は、被写体にそれほど近付かなくてもよい訳で、虫や小動物に逃げられないで撮影が行える事を指します。50㎜マクロレンズでレンズの先ぎりぎりまで被写体に近付いてしまうと、虫や小動物はびっくりして逃げてしまいます。同時に被写界深度もかなり薄くなってしまいますので、三脚で固定しない事には微妙なピント外しを量産してしまいます。

ベローズタクマーを使って撮影を行うと、ワーキング・ディスタンスも稼ぐことが出来て、楽にマクロ撮影を行うことが出来ます。しかし、ベローズを使うとなると結構重たい付属品ですし、加えてピント合わせもヘリコイド式ではなくて結構難しいという感じです。三脚にベローズ・ユニットを固定して操作しますが、手持ちでは結構難しいという感じです。

ヘリコイド式の100㎜マクロレンズ需要は、かなりあったのではないかと思います。その時に日本光学さんでは105㎜と150㎜のマイクロレンズが出ていましたので、個人的にも垂涎の的という感じでした。そしてタクマーのレンズシリーズで、最後発となるSMCマクロタクマー100㎜F4が発売されたときには、かなり売れたのではないかと思います。

しかし、このマクロタクマーも、基本のレンズ構成がベローズタクマーと思われ、貼り合わせレンズを用いている事から、バルサム剥がれの不具合が出ている固体を時々見かけます。SMCタクマーの終わりあたりから使用するバルサム接着剤が変わったと思われ、急にバルサム剥がれの不具合が顕在化するようになりました。

それでも自身が保有するレンズにはバルサム剥がれの不具合が有りませんし、ずっと使っていてそれらしい兆候も有りません。生産されたレンズの本当の最後期でSMCペンタックスレンズに変わる頃の個体に発生しているのではないかと考えています。それとレンズ構成から来ていると思われる逆光に対する弱さがあって、逆光下ではあまり使えないレンズになっています。

梅雨に入って、毎日がそぼ降る雨で暗い雰囲気だったのですが、休日は梅雨の中休みみたいな感じになって、夏を思わせるような晴れの良い天気になりました。まだ盛夏の様な暑さは無いのですが、少し湿気が多い不快指数満点の晴れの日になっています。それでも朝晩は少し涼しいといった感じで、撮影行も朝早めに行う事にしました。

エゴの花が終わってしまいましたし、ヤマボウシも今では緑色のかわいらしい実を付けています。これから夏に咲く花と言えばヤブカンゾウが有るのですが、まだ少し先といった感じで今が一番少ないといった感じです。例年この時期にザクロの花が咲くのですが、今年は少し早めに咲いて、見頃を過ぎてしまいました。しばらくは野ぶどうの花といった感じで、花を探し回る日が続きます。

それでは、先月中旬に撮影した写真から掲載します。

PENTAX K-1 SMC Macro Takumar 100mmF4

撮影データ:1/200sec F5.6 ISO100

アジサイの花も次々に咲いてきますが、今回の休日はお目当てのアジサイが咲いたという感じです。濃い目の紫のガクアジサイですが、きれいに写せてよかったというところです。

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Takumar 200mmF5.6

2023-05-19 06:50:55 | タクマー・レンズ

元祖タクマー時代から綿々と作られていた、昔ながらのタクマーです。同時期のレンズはいずれもオートタクマーやスーパータクマー、そしてSMCタクマーに変遷していったのですが、この200㎜タクマーはずっと生産が続いていて、刻印フォントもスーパータクマー時代のものが使われている最新式な元祖タクマーが存在します。

リリースされたレンズは高級品の200mmF3.5レンズと普及型の200mmF5.6という状況でしたが、このレンズの性能が思いの外良かったがために、オートタクマーやスーパータクマー時代まで生き延びて生産されていたと言う事になります。かなり息の長いレンズで、多くのカメラマンに愛好されていたと考えています。

絞り羽根の数が多い、典型的な昔レンズのプリセット絞りという感じなのですが、絞り込んだ形状がほぼ円形ですので、点光源のボケ形状が角張らずに自然に表現できます。しかしプリセット絞りと言うと、ピントを合わせた後で露出ボタンを押して絞り値をプリセットした後で、絞り環の可動部分を回して解放絞りにして、再度ピントを確認した後で絞り環をプリセット位置に持って行って撮影するという面倒さが有ります。

フィルムカメラでは、あまりにも面倒臭い露出設定になるがために、人気が無かった印象なのですが、オートAEカメラが出てくると絞り込みAEカメラで使えますので、被写界深度を確認しながらシャッターが切れて便利です。しかし、開放測光になれてしまうと面倒臭い作業になってしまう訳で、中古品が出てきてもそう高い値付けにはなりません。

それでもディジタル一眼レフ・カメラの普及でじわじわと人気が出てきた様子で、昔ながらの単層コーティングでも有るのですが、余裕のあるレンズ設計が功を奏しているという感じです。F5.6の普及型望遠レンズでも有りますので、大口径のF3.5バージョンと比べるとボケの柔らかさはそれほどでもないのですが、しっかりとした描写になっています。

スーパータクマーの時代に、200㎜レンズの統合が行われて200㎜F4のレンズになったのですが、かなり無理をしている印象は否めない様子で、引き続いて元祖タクマーの要望が続いていたと思われます。昔ながらの長くて重いレンズなのですが、その分描写性能は無理をしていないのでかなり良いという印象で、プリセット絞りの円形絞りが付加されていますので、使われる方も多かったと感じています。

春になって晴れの日が多くなり、光量も稼げる時期になってきました。この時にならないとF5.6の普及版元祖タクマーは使えないという感じで、今までは200㎜F3.5の大口径バージョンを使っていたのですが、これからは選手交代という雰囲気で使っていきます。大口径バージョンに比べると流石にコンパクトさがウリのレンズですから、手振れ防止機能と併せてお手軽望遠撮影が行えます。

桜の時期でソメイヨシノが目立つ存在になっているのですが、桜の開花に合わせて色々な木々が花や新芽を開いていく時期でも有ります。結構被写体が増えてきている訳で、しかも手の届かない所に咲いていますから、望遠レンズを使ってぐっと近くに寄せて撮影します。春の休日はいろいろな発見があって楽しいのですが、撮影に忙しくなる休日になって充実している印象です。

それでは、先月初めに撮影した写真から掲載します。

PENTAX K-5 Takumar 200mmF5.6

撮影データ:1/320sec F11 ISO100

桜の開花に合わせてぽつぽつと咲き出したはなももの花ですが、ようやく満開になった感じです。この花が満開になると春本番という感じです。

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SMC Takumar 300mmF4

2023-04-29 06:50:52 | タクマー・レンズ

タクマーの300㎜レンズは、元祖タクマーからずっと続いているのですが、明るさはF4のままでずっと続いています。元祖タクマーはそれこそバズーカ砲のような大きくて重たいレンズだったのですが、スーパータクマーの時代からコンパクト化されて、ずんぐりとしたレンズに仕上がっています。

この位の長焦点レンズで、しかもF4の明るさを持つレンズを作ろうとすると、当然ながら前玉径がかなり大きくなります。前玉径が大きくなると必然的に収差の影響を受けてきますので、レンズ構成を検討しながらコントラストを上げるという処置が必要になります。このため初代タクマーはコントラストもそこそこ高くて、解像度も満足できる感じです。

しかしちょっと無理をした設計のためか、背景ボケが思ったよりも硬くて、背景の状態によってはざわつきがかなり気になるという感じです。やはり立体感表現になるとかなり分が悪くなる訳で、あまり作られなかった不運なレンズと言う事も出来ます。幸運にも初代タクマーを入手できたのですが、背景ボケの癖が有りますのであまり使われていないというのが現状です。

この背景ボケを何とかするために、スーパータクマーの時代からレンズの曲率を上げて全長を少し短くしたレンズに変わりました。前玉径は依然として大きいのですが、それでも少し小さくすることが出来て、明るさは変わらなかったのですがコンパクトで少し軽いレンズが出来上がったと言う事になります。

何しろ取り付けるカメラが当時はペンタックスSPかSPFという感じで、手持ちはほぼ不可能でしたから三脚座が付いています。しかし、このレンズで無理をしている状況が写りにも顕れてくるわけで、収差が増えて柔らかな雰囲気になってしまう感じです。後ボケは確かに柔らかくなったのですが、かなり絞り込まないと画質が安定しないレンズになってしまいました。

しかし、画像中央部付近のピントの芯は出ていますので、被写体を画像中心に置くようにして撮影すると、後からコントラストを現像ソフトウエアで上げると、見違えるように引き締まった画像になります。高画素タイプやAPS-Cタイプのカメラを使って拡大トリミングを行う様にすると、かなり満足できる仕上がりになります。

フィルム時代にはなかなか手ごわい望遠レンズだったのですが、ディジタル時代になると後から調整とトリミングが効きますので、遅ればせながら人気が出てきたという感じです。しかし、無理をしているレンズでも有りますから、撮影時や後処理で色々と手を加える必要があって、難しいと感じるレンズでも有ります。そのままでは満足できない仕上がりになりますので、一工夫が必要と言う訳です。

俄然春の雰囲気になってきたのですが、寒気の方も最後の意思表示という感じで、時折雨雲がやって来てみぞれが降ってくるという感じです。しかし、それ以外の時間は晴れて暖かくなりますので、天候を見ながら撮影行に出掛けたという感じです。春分の日まではもう少しという感じで、名残の寒気を見送りながら春を愉しんでいるという感じです。

それでは、先月下旬に撮影した写真から掲載します。

PENTAX K-1 SMC Takumar 300mmF4

撮影データ:1/125sec F11 ISO200

いよいよ春本番と思わせてくれる感じで、さんしゅゆの花が8部咲き位になりました。この後で葉が出てきますので、木が黄色の衣をかぶったようになります。

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