弘法筆を選ばずとはよく聞く話で、特に道具を指定しなくても、それなりに出来るということみたいです。しかしモノづくりでは、選んで使わないと何だか思わしくない仕上がりになりますし、けがをしたりして反省という事になってしまいます。そこでやっぱり筆は選ぶのですが、歳を重ねるにつれて選んで使う傾向が強くなります。
しかし、若いうちはそもそも選べるだけの物を持っていませんので、仕方がないので持ち合わせのものだけを使って仕事をしますし、別の場所に行って作業という事になると、その場にある有り合わせの道具を使って、何とかモノづくりをしたりします。つまりあまり持っていない若いころほど筆を選ばずの精神で、何とかやっていたという事になります。
写真の世界も最初のうちは標準レンズ一つしかありませんので、当然ながらそれ1本で撮影を行っているという事になります。そのうちに構図というものが段々判ってきて、近寄ったり離れたりしながら、何とかフィルムの面積いっぱいに被写体が写るように努力することになります。
そしてなけなしのお小遣いをはたいて、中古のレンズを購入すると、今まで苦労していた撮影が幾分行いやすくなってくるわけで、次はこのレンズにしようという事になってきます。仕事の世界も写真の世界もという訳で、歳を重ねるにつれて使う工具やレンズが洗練されて積み重なりますから、しっかりと筆を選んで使うという事になります。
適材適所で洗練されたレンズや工具を使う事で、失敗が無くなりますし自身の個性が出せるという訳です。結局は筆を選んで使っている訳なのですが、これだと新しい発見がない訳で、段々マンネリ化していってしまいます。時々筆を選ばずの精神で色々使って、新しい組み合わせにチャレンジしないことには、趣味の世界も面白くないという訳です。
最近良く行っているコーヒーの世界も、ついこの前までは仕事が忙しいので、朝はコーヒーメーカーという訳で、晩のコーヒーは面倒くさいからという事で、インスタントコーヒーにしていたりしました。昼のコーヒーは手軽に買える缶コーヒーかカップの自販機という感じで、飲めれば満足という事をずっと行ってきたわけです。
ここにきていろいろとコーヒー器具をそろえて淹れ出すと、コーヒー本来の味わいに気が付いて、色々行ってみながら現在進化中といったところです。コーヒー器具やその時の欲しい味わいがありますから、欲しい味わいにマッチする器具をそろえたりしながら、器具を買いそろえているという事になります。
以前はやかんでお湯を沸かして、そのままドリップしていたのですが、適温があるということも判ってきて、温度計をそろえたりポットも買ってきたりという感じで、だいぶん思い通りの味わいが出せるようになってきました。結構楽しいという感じなのですが、時々出張の時に飲んでいたインスタントコーヒーを思い出しながら、いろいろなコーヒーを楽しんでいるという感じです。
季節はもう秋という感じで、朝晩がめっきりと冷え込んできて、アイスコーヒーからホットコーヒーに変わりましたし、半袖半ズボンから長袖と長ズボンに変わったという所です。しかし、寝るときの毛布も1枚足しましたので、結構暑くて汗をかいてしまいますから、寝巻の上だけは半そでという感じで、調節をしているという感じです。
いよいよ回り中の木々も紅葉が始まってきて、緑一色の世界からカラフルな世界に変わろうとしてきています。秋になると収穫の季節という感じで、いろいろな食材が豊富に出回ってきて、食欲の秋といった雰囲気になります。夏の間は敬遠していたお鍋やおでん、そしてシチューも復活という感じで、アツアツの煮たものが恋しい季節になりました。この季節にぴったりと合ったレンズをセレクトして、撮影行に出かけているといった感じです。
それでは、今月中旬に撮影した写真から掲載します。
PENTAX K-1 SMC Takumar 105mmF2.8
撮影データ:1/4000sec F5.6 ISO200
柿の実が色づくころ、柿の葉も紅葉を始めます。柿の葉の少し緑の模様が入った紅葉がとてもきれいで、毎年この頃になると探し回るということになります。