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あるいて・みつける

歩く速さで見つけたものを、記録に残していきます。ゆっくりと歩けば、いろいろなものが見えてきます。

Zenza Bronica EC(Nikkor-P・C 75mmF2.8)

2018-04-03 06:55:00 | 中判カメラ
久しぶりのニッコールで、ゼンザブロニカECにベストマッチしているレンズは、このニッコール75mmF2.8になります。とにかく万能選手で、風景から近景までのさまざまなシーンを上手に捕らえてくれます。これ一本あればほとんどの撮影が行えますし、コンパクトなレンズですからカメラに取り付けたときのバランスも良く、手持ち撮影を行っても微ぶれが起き難い感じです。

街中スナップ撮影が中判カメラで行えるようになりますので、カメラの重さを気にしなければ十分に実用になります。もっと軽くて可搬性に優れるヤシカDもありますが、やはり撮影時の格好良さはゼンザブロニカという事になります。フィルム装填のときからフィルム自体が大きいので操作の満足感を味わう事ができますし、シャッター・ショックもある意味大きいので撮影している気分にさせてくれます。

中判フィルムをその日のうちに現像してくれるカメラ屋さんも、現代では少なくなって来ました。今では現像を行ってくれるカメラ屋さんが近くに無いと、なかなか手が伸ばせないカメラになりつつあります。中判フィルムも量販店では入手が難しくなりましたし、かといって中判ディジタルカメラはそれこそ車1台分ほどの価格ですから、おいそれと買う気にはなりません。

黒白フィルムで自家現像が行える環境が構築されていると、中判フィルムも安易に使えるのですが、現像廃液を処理してくれるカメラ屋さんが近くにない事には、なかなか自家現像を行う気分にもなりません。今の環境が長く続くように願うしかないのですが、将来はフィルムそのものも無くなってしまいそうで、それまでのお楽しみと割り切って使うようにしています。

このニッコールにクローズアップ・レンズを取り付けると、まさに等倍マクロの世界になります。フィルムの大きさが35mmフィルムの面積的に4倍はありますので、ファインダー上では割と小さく写ってはいるのですが、実際は35mm判フィルムの等倍以上に写り込んでいます。周辺画像は少し流れる感じですが、実際に使うのは画面中心であり、拡大トリミングを行う事で、満足できる画像を手にする事が出来ます。

今回は咲き始めた春の花を35mmフィルムの面積で、等倍近くまで大きく撮影しようという魂胆です。ファインダー像を見ると小さく見えるのですが、良く見ると等倍雰囲気で撮影されています。コツはクローズアップ・レンズの倍率をあまり上げないことで、No.1位の低倍率レンズを使う事と考えています。倍率の大きなレンズを用いると必然的に画角が狭くなり、三脚に装着してカメラを固定しないと微ぶれに悩まされます。

そんなこんなで、今回の被写体は満開になってきたまんさく、そして椿の花などです。120フィルムはコマ数が12コマと少ないので、考えて色々な被写体を一発勝負で写真に収めます。すでにディジタル一眼レフ・カメラで写真に収めていますので、特に印象に残った被写体をセレクトして撮影して行きます。

撮影後はカメラ屋さんで現像を行ってもらいます。半日ぐらいで現像が出来上がることに、いつも感謝の気持ちがいっぱいで、早速スキャナで取り込んで作品に仕上げます。趣味の世界といいながら中判カメラも面白くて、そして操作欲も十分に満足させてくれます。たまには中判カメラも良いものです。

それでは、先月中旬に撮影した写真から掲載します。


Zenza Bronica EC Nikkor-P・C 75mmF2.8(With Close-up #1)
撮影データ:1/125sec F8 Fujicolor Pro160NS
秋の深まりとともに紅葉していたクヌギの葉もそろそろ落葉して新しい新芽が伸びてきます。クヌギの葉が落葉すると、いよいよ春本番です。
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中判カメラの面白さ

2018-01-07 07:00:35 | 中判カメラ
中判カメラが2種類手に入って、俄然撮影が面白くなりました。それまでは35mmフィルムですから、まず大きさにびっくりで、撮影後に現像したフィルムをスキャナに取り込んで2度びっくりという事になります。ディジタルの1,600万画素機がはじめて出た頃には、中判フィルムと同等な評価をされる方も多くおられました。

しかし、素子サイズが35mmフルサイズか、それともAPS-Cサイズかといった感じで、中判カメラのフィルムであるブローニーやベスト判までの大きさは有りません。使うのは今までどおりの大きさのカメラで、雑誌グラビアに掲載されているような立体感とは少し違ったものでした。

ブローニー・フィルムも、プロの方が使うような紙遮光紙が巻いてあるフィルムです。金属パトローネに入っているわけではないので、一抹の不安感はありますが格好からするとプロの方みたいになりますので、多少の優越感があります。撮影後はスプールを巻き取り側にセットしておく事も大切な所作です。

二眼レフ・カメラであれば相当にコンパクトで、シャッターのショックも少ないですから、思った以上に満足する写真が撮影できます。しかし一般に出回っている中古品のほとんどはレンズ交換が出来ません。それでも一代を築いたカメラですから、持って歩くと相当に格好がよい感じです。

システムカメラとなるとレンズ交換が出来ますが、相当に重くて大きくなって、フォーカルプレーン・シャッターが搭載されていると、シャッターショックも相当に大きくなります。相当に練習しないと手持ちでの撮影も困難で、三脚を使うと三脚の剛性が気になってしまうので、今まで35mm判カメラで使っていた三脚では心許ないという事になります。

手持ちで撮影するように練習して、シャッター・スピードを早くする事に心がければ、ほぼ問題の無い画像を手にする事ができます。得られた画像は、35mmフィルムに慣れ親しんでいた自身からすれば異次元の世界みたいに感じます。注目している被写体が周りから浮き上がるように表現できますから、病み付きになるといった感じです。

多少絞り込んでも背景ボケはそう硬くなりません。点光源は絞りの角張りが出てしまうのですが、点光源をあまり入れないで撮影するようにすると、十分に絞り込んでいても満足できる背景ボケが得られます。35mmフィルムでF5.6位であった絞り量が、中判カメラではF11位の絞込み量となります。絞り込んでも絞り足りない感じで、被写界深度をある程度稼ぐ必要がありますから、うんと絞り込んで撮影する事になります。

正月休みの間で、晴れ間が覗く日がありましたので、チャンスとばかりにブロニカを持ち出します。晴れた日であればISO100のネオパンアクロスを使って、高精細な画像を得ることができます。ネオパンアクロスであれば、6×6判で3200万画素級の精細感を得ることが出来ます。フィルムサイズが大きいおかげで、助かっています。

素通しのファインダー像に満足して、スキャンした画像を見て満足できる感じです。休日の一日は満足した一日になりました。

それでは、昨年末に撮影した写真から掲載します。


Zenza Bronica EC Zenzanon MC 150mmF3.5
撮影データ:1/125sec F4 Rollei SuperPan200
お正月の準備が進む神社ですが、横の杜も良い雰囲気を出しています。黒白フィルムのトーンが良く出てきて、中判らしい仕上がりになりました。
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Zenza Bronica EC(Nikkor P・C 75mmF2.8)

2017-02-06 18:58:17 | 中判カメラ
たまには6×4.5判で撮影しようということで、ブロニカと標準レンズを持ち出してきました。ブロニカはフィルムを縦に送りますから、6×4.5判のフィルムバックを用いると横位置構図で撮影が行えます。素通しファインダーを用いた90度回転の縦位置撮影は、像の動きが上下逆になりますのでかなり使いづらく、横位置だけという感じであればフィルムの有効活用という使い方になります。

基本的にISO100の高精細フィルムを使う場合には、横位置で撮影しておいて後から縦位置構図でトリミングも何とかできる範囲ですが、流石にISO400フィルムで横位置で撮影したフィルムを縦位置でトリミングすると、粒子の粗さが目立ってきて画像が眠たくなってしまい、35mmフィルムと同じ雰囲気になってしまいます。特に冬の季節は日中でもかなり光量が不足しますので、必然的にISO400フィルムを使うことになります。

フィルムの面積を最大限活用してワイド四つ切りまでまで高精細に出力が出来れば、見応えのある雰囲気になりますから、最初からファインダー像をじっくりと眺めて周辺部まで取り込めるように撮影の時点でじっくりと構図を決めて撮影します。6×6判のサイズであれば大体この位と構図に少し余裕を持って撮影が行えるのですうが、6×4.5判のサイズではきっちりと撮影前にシーンと構図設定を行ってから撮影に望む感じになります。

今回は、中判カメラで庭先の花を撮影してみようと考えましたが、何しろ余り近寄れないレンズですから、クローズアップ・レンズの助けを借りて撮影を行うことにしました。クローズアップ・レンズはもう少し近寄りたいときに有効なレンズで、余り拡大倍率の大きなレンズを装着すると、被写界深度が極端に浅くなって、大き目の花であれば一部分にしかピントが合いませんので、倍率が少なめのNo.1レンズを選択します。

本当は接写リングのほうが効果はありそうな感じですが、すぐに脱着が行えませんのでクローズアップ・レンズに頼ります。拡大倍率が少ないときにはベローズや接写リングよりも簡単でそれなりの効果が得られるといった感じです。庭に咲く1cmくらいの大きさの蝋梅の花もそれなりに拡大して、引き算の構図も楽に行えますから重宝するといった感じです。今回はニッコールP・C 75mmF2.8を装着していますので、程々の被写界深度が得られて微妙なピント外しも少なくなります。

やはりブロニカには標準レンズが、一番重量バランス的に言ってもベストマッチする感じです。標準レンズ以外のレンズに、はなかなか目が向かなくなるのが中判カメラの特徴かもしれません。解像度が高いニッコール・レンズのおかげで、少し光量の不足する環境下でもマイクロプリズムが陰らずに使えることは便利です。

小一時間色々撮影してフィルムを現像に出し、次の日に仕上がったネガをもらってきてスキャナにかけます。ブローニー・フィルムを間1日で現像してくれるカメラ屋さんはありがたく、いつも助かっています。

それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。


Zenza Bronica EC Nikkor-P・C 75mmF2.8
撮影データ:1/125sec F5.6 Fujicolor PRO400H
1月が見頃になる蝋梅の花。もうそろそろ咲き出すつぼみが無くなってきました。蝋梅の花が終わるとまんさくの花に引き継がれていきます。
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たまには6×4.5判

2017-02-04 15:39:50 | 中判カメラ
いつもは6×6判の真四角サイズで撮影を行っているのですが、昔の中判カメラはほとんど6×6判であった訳です。化けペンが発売されてからは、6×4.5判や6×7判が主流となって、6×6判のフォーマットも少なくなりました。やはりテレビで見ている横長のフォーマットがしっくりくる訳で、違和感なしに鑑賞が行えます。

所有しているカメラで6×4.5判の撮影が出来るのがブロニカで、フィルムバックを交換すれば横位置フォーマットで撮影が行えます。普通の35mm判一眼レフ・カメラの格好をしている化けペンでは、フィルム送りの関係上縦位置撮影のフォーマットになってしまって、三脚撮影で何とか横位置になるのですが、大きさと重さの関係上手持ちでカメラを横向きにする気力が無いといった感じです。

ブロニカを横向きにして縦位置撮影も至極面倒くさい話です。この面倒くささから必然的に6×4.5判のフィルムバックは棚の隅に置かれる格好になってしまって、なかなか日の目を見ることがなくなってしまいました。それでもなじみの深い横位置撮影ですから、横位置一辺倒で撮影を行うようなときには出番が出てきます。縦位置だけだともっと出番が減ってしまう感じで、ブロニカの設計に感謝です。

今回の撮影行は雪雲の間を縫って撮影するスタイルですから、日ごろ見慣れた草花や構造物を撮影するわけです。あまり構図的にも変化はありませんので、横構図一辺倒で撮影する事にしました。6×4.5判用にフォーカシングスクリーンに6×4.5判のマーキングをしています。鉛筆で軽く印を付けてあるだけですが、中判カメラはこの様な融通が利くところがあって、自分専用のカメラみたいに使うことが出来ます。

庭の蝋梅の花が盛りを過ぎて、そろそろ花が少なくなってきましたから、高精細にマクロ撮影でも行おうと、クローズアップ・レンズを取り付けて近接撮影を行います。ISO400のフィルムでは35mm判カメラでかなり粒子のざらつきがきになりますが、中判のフィルム・サイズになると粒子自体の粗さが見えなくなりますので、簡単に高精細な画像を得ることが出来ます。

素通しの見易いファインダー画像は、ピント合わせも楽に行えますし、画面の隅々まで確認が行えますので、撮影時のストレスが軽減されてさくさくと撮影が進みます。良く中判カメラはファインダー像を見ただけで虜になる美しさとも言われますが、下手をすると撮影することを忘れてしまうくらいに魅力的な画像でもあるわけです。35mm判でもニコンFにウエストレベル・ファインダーを付けて撮影していることもありますが、これも素通しファインダーの見易さがあるからという感じです。

ファインダー像よりもラチチュードが狭くなるのがフィルムな訳で、この部分は見えているけどフィルムでは再現できないことを、自身に良く言い聞かせて撮影しています。中判カメラの素通しファインダーですが、撮影者を虜にする魅力を持っています。

それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。


Zenza Bronica EC Nikkor-P・C 75mmF2.8
撮影データ:1/125sec F5.6 Fujicolor PRO400H
雪の中で、庭先のひいらぎなんてんの木がつぼみを膨らませています。雪が消える頃に花が咲いて早春の暖かさを演出してくれます。
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ロクロクとロクヨンゴ

2017-01-19 19:02:15 | 中判カメラ
中判フィルムを使っていると、ヤシカDやブロニカの通常撮影サイズは6×6判、つまりロクロクのサイズです。真四角なサイズのために、35mm判フィルムに慣れている最初の内は、かなり広い部分が写せるという戸惑いがありました。それでも素通しのファインダーですから、構図も決めやすくてストレス無しに撮影しているという具合です。

最初の内は正方形のファインダー像が面白くて、6×6判オンリーで撮影していました。元来スクウエア・フォーマットが好みの自身ですから、好きなフォーマットにそのまま当てはまった訳で、6×6判オンリーでの撮影が続きました。現像後のスキャニングでも正方形でトリミングしますから、むしろ扱いやすくなった感じです。

その後中古品のWebページで、ブロニカECのフィルムバックに6×4.5判のサイズが有ることを知りました。フィルム送りのことを考えると横位置での撮影が出来そうで、フィルムの使用量も抑えられそうですから、購入に踏み切りました。フィルムバックを交換するだけで撮影が継続できますから、いざという時のリリーフ・エースとして購入した訳です。

縦のサイズが15mm小さくなっただけですが、これをスクウエア・サイズにトリミングすると4.5×4.5のサイズになります。古くはミニサイズの2眼レフ・カメラが使用していたフィルム・サイズで、フィルムの粒状性のことを考えると、少し不利な感じになります。やはり横位置長方形のサイズでトリミングしたほうが良い様に感じています。

写真コンテスト応募用として考えると、四つ切サイズが基本となりますので、6×4.5判の撮影サイズのほうが良いように感じますが、何しろ基本がスクウエア・フォーマットで、そのサイズで通していますから、特別の用途向けみたいに感じてしまいます。結果としてもう一個6×6判のフィルムバックを購入してしまう訳で、やはり正方形が好みです。

それ以外にも、スクウエア・サイズで撮影しておくと、後から縦位置や横位置の構図でトリミングが自由自在に行えるという利点があります。横位置画像を縦位置画像にトリミングすると、短い辺が縦位置になりますから画質低下が避けられません。その点正方形の場合は、撮影時に被写体の中心をファインダー像の真ん中に持って来れば、縦位置横位置自由自在にトリミングが行えます。

35mm判カメラの場合は、カメラ自体が小さくて軽いので縦位置や横位置構図が自由に出来ます。中判カメラではその重さとウエストレベルの左右逆像ファインダーということもあり、縦位置でも横位置でも撮影するといった通常撮影では、6×6判がカメラを横にする必要がなくて至極便利です。6×4.5判は集合写真などの横位置がほとんどの撮影用として使うようになりました。

6×4.5判、通称ロクヨンゴですが、普通の横に広がる風景の撮影では縦横の構図をあまり気にしなくても撮影できるので、撮影コマ数を増やすためにも使用したりしています。

それでは、今月初めに撮影した写真から掲載します。


Zenza Bronica EC Zenzanon 150mmF3.5
撮影データ:1/125sec F5.6 Neopan Acros100
庭先の沈丁花がつぼみを膨らませています。中判フィルムでは立体感が良く出てきて、出来栄えに満足することが多くなります。
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