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あるいて・みつける

歩く速さで見つけたものを、記録に残していきます。ゆっくりと歩けば、いろいろなものが見えてきます。

ディジタルでモノトーン

2016-11-06 17:25:08 | 撮影の方法
黒白フィルムを久しぶりに使って、力強いトーンの切れ味にやはりフィルムと愉しんだわけですが、ディジタルカメラでもモノトーン、すなわち黒白撮影モードがあります。何回かは撮影しているのですが、思ったようなトーンが出せずにカラー撮影になってしまいます。現像ソフトウエアでも黒白モノトーンへの変換テイストがありますので、カラー画像を変換するのですが、やはり思ったようにはなりません。

ネガフィルムのラチチュードはディジタルカメラの数倍は広い訳で、黒つぶれや白とびに見える部分から諧調が湧き出してくるように撮影できます。漆黒や真っ白の表現も出来る訳で、これが画像にダイナミックさとメリハリを付けてくれますので、印象としてはかなり違った雰囲気になると感じています。

ディジタルではトーンの幅が狭くなる分、白とびや黒つぶれになりやすいのですが、コントラストの高い構造物を撮影するときには、このダイナミックレンジの狭さが幸いして、メリハリのあるはっきりとした画作りになります。しかし、このような場面でもランダムに並んだ粒子感は得にくい訳で、この点から言ってもフィルムの優位性は今でも崩れていないと考えています。

余り得意ではなくとも、ディジタルカメラで黒白フィルム表現が出来れば、表現の幅も広がります。カラー撮影のときでは、ホワイトバランスやトーンのダイナミック・レンジを変化させることで、フィルムにある程度近づけた表現が可能ですし、3色の色センサを独立して使うカラーモードのほうがはっきりとしたノイズが出てきますので、フィルムに似せたような表現で愉しむことも出来ます。

ディジタルカメラで黒白表現を行うと、センサ全体で黒と白のトーン表現をしますから、粒子感が出難いわけで、仕上がりがのっぺりとした感じになってしまい、現像ソフトウエアで後からノイズを増やす操作をして仕上げる操作も必要になってきます。規則的に並んだノイズは目に付きやすいのですが、フィルムのノイズはばらばらになりますので、力強さや穏やかさの表現も自在に出来ると考えています。

今回はペンタックスQを用いて、フィルムとの比較を行ってみることにしました。撮影モードの中にモノトーンの項目がありますので、それを用いて撮影します。しかし、RAW出力ではそのままセンサーからのデータが出てしまい、カラー画像となってしまいますので、JPEG出力モードにして黒白画像に変換してから記録するようにします。

フィルムで撮影した場所を思い出しながら、撮影していきます。出来上がった画像を比較すると、グラデーションとノイズの差が出てきて、パンチ力の不足がディジタルの画像に出てきます。ある程度は現像ソフトウエアで改善できますが、それでもまだ物足りないといった感じです。

これからやってくるのはモノトーンの冬の世界、色々試しながら愉しんでみようと思っています。

それでは、先月下旬に撮影した写真から掲載します。


PENTAX Q7 Standard Prime 8.5mmF1.9
撮影データ:1/320sec F5.6 ISO100
雨が降り続いていたら、公園の芝生にきのこがひょっこり顔を出しました。しばらくすると無くなってしまいますので、今のうちに撮影しておきます。
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Pentax SpotmeterⅡ

2016-10-04 06:40:08 | 撮影の方法
台風の接近で、一日中雨の天気。秋の長雨と言う感じですが、撮影行に出かけることが無い日は、主にカメラのメンテナンスと機材の確認を行ったりしています。やはり撮影行に出かけると、体を動かしてストレス解消になりますから、撮影行には出れなくとも近所のスーパーへ徒歩で買い物に言ったりして、運動をしていると言った感じです。

今日はカメラや露出計の電池でも確認しましょうと、ペンタックス・スポットメーターⅡを出してきました。今では水銀電池は売っていませんので、電池室を現在のアルカリボタン電池に対応できるようにして、006Pの9V電池と一緒に使っている優れもの露出計です。幸い光学系には問題が無く、いたって普通に使えますので電池部さえ直れば儲けものの露出計でした。

上下左右5度の測光範囲と思われ、ファインダー視野内の小さな円内に測光を行う部分を入れれば、その部分の光の強さが画面内のメータにLV値で表されます。名前の通りのスポット測光な訳で、被写体や背景など色々な部分をスポット的に計測できて、フル・マニュアルのカメラでポジフィルムを撮影するときの頼りがいのある露出計になります。

カメラの中古品店に行くと割合リーズナブルな価格で手に入れることが出来そうです。しかし、ジャンク品や飾り用として販売されている中古品は、電池室の腐食による接触不良が大半で、接点部分の磨き上げやアルカリ電池用のスペーサ自作で何とか動作するようになります。

落下などの衝撃でメータの針部分が外れたものは修理不可能ですが、ペンタプリズムの腐食はほぼ無い感じで、ジャンク品でもほとんど修理可能であろうと思います。しかし、フィルムを使うフル・マニュアルカメラを使う人が極端に少ないと思われ、買っても防湿庫の肥やしになりそうな感じです。そこでディジタルカメラをマニュアル設定にして、このスポットメータで計測した露出値にあわせて撮影すると、かなり思ったとおりのトーンが出せて、スポットメータも活用できるという訳です。

ポジフィルムであれば、ラチチュードが狭いので、LV値を見ていてプラスマイナス1位の範囲に被写体の明るさが入るような感じで計測します。そして高い値と低い値の真ん中が露出値になります。ディジタルカメラも同じ様に合わせこむことで、失敗が少なくなります。ネガフィルムの場合はラチチュードが広いために、LVの値の幅が5位あっても写りには影響が無いようです。

ネガフィルムの場合は、暗い被写体などは濃度が確保できませんので、高いほうと低いほうの値の差をとって、それを1/3にして低いほうの値に加えます。つまり少し明るめの露出になるようにしてネガ濃度を確保するようにすると、満足できる結果を得ることができます。ネガは心持ち明るめになるように露出を決定したほうが良い感じです。

しっかりと露出をあわせこめばトーンが粘ってくれますので、仕上がりの写真に期待が込められると言った感じです。この夏も結構使って、気がつくと電池も大分減っていました。受光部のキャップを外すと電池を消費しますので、計測が終わったらキャップを閉めておくことも大切な操作です。

しっかり撮影したいときに、ディジタル・フィルムを問わずに活躍してくれる、ペンタックスのスポットメータⅡは、針式の老兵ですが撮影の良き相棒となっています。

それでは、先月中旬に撮影した写真から掲載します。


Konica Auto S2 Hexanon 45mmF1.8
撮影データ:1/250sec F8 Fujicolor Superia X-Tra400
もうそろそろと思って足を伸ばして行ってみると、金色のえのころ草が実を付けていました。まだ穂の数が少ないので、これからが本番です。もう一度チャレンジできそうで、これからが楽しみです。
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プリセット絞りを活用する

2016-08-04 07:50:01 | 撮影の方法
タクマーの中古レンズを見ていても、気になるのはレンズの価格で各々のタクマーによって微妙に違います。そこそこ安いのがSMCタクマーレンズで、年代が若いほど中古価格も安くなっているようです。一番高いのが銘玉オートタクマーで、びっくりするような価格が付けられています。

元々生産数も少ないレンズですから、オートタクマーの価格が高いことも頷けます。また、ピントの心がしっかり出ていて、柔らかめに描写するオートタクマーですから、描写のファンも多い感じで、値段は下がりそうにはありませんし、何しろきれいなレンズが少ない訳ですから、安めのレンズを探すのも一苦労です。

しかし、それよりも昔の初代タクマーとなると、中古価格は逆に下がってしまってリーズナブルに揃えることができます。一番新しいSMCタクマーよりも安いことが多くて、少々驚きながら購入して、現用することになります。どうやらプリセット絞りのレンズはオート絞りに比べて使い方が煩雑で、難しいからと敬遠されているように感じます。

確かにフィルム撮影の場合は扱い方が煩雑になってしまって、三脚でも使わない限りはピントが合わせにくくなり、敬遠されるような感じです。ディジタルカメラの場合、ペンタックスのカメラは絞り優先AEが効きますのでファインダー像を見ながら絞り込んで撮影というスタイルになります。

背景に輝点や複雑な模様を持ってくる時には、絞りを明け気味にしてボケ量を増やし、逆に一様な背景が得られる時には、少し絞り込んで解像度を上げます。それでも絞り優先AEが付いていますので、ピントを合わせて絞り込みながら即撮影というパターンになります。現代のディジタルカメラで見直されてきたレンズと表現できますから、ダイナミックに絞りを変えて撮影が出来ます。

加えて初代タクマーはプリセット絞りですが、オートではない絞りでもあるために、絞り羽根の枚数が多くて、ほぼ円形の形状で絞り込まれます。簡単に丸ボケを作ることが出来ますから、現代のほぼ円形絞りの構造と少し違って真円に絞りまれる訳ですから、コストパフォーマンスも最高です。

もっと使われても良いように感じていますが、現実はオート絞りのほうが使い勝手が良く、疎遠になっているような感じです。初代タクマーはオートタクマーとほぼ同じ青色のコーティングが施されていますので、写りの点でも確かなものがあります。描写の点で初代タクマーは結構善戦しますので、望遠軽ライン・アップが目を引く感じですが、使い出すとそれほどストレスを感じません。

思い切ってディジタルカメラ専用レンズとして使っています。自身のレンズも望遠レンズの初代タクマーがほとんどですから、フィルムを使う場合は三脚に乗せることになり、あまりプリセット絞りの不便さが感じられないためかもしれません。

それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 Takumar 200mmF5.6
撮影データ:1/125sec F11 ISO200
早いもので8月になる前に宵待ち草が花を開きました。日中はうだるような暑さですが、朝晩は涼しく、この花を見ると涼しさがもらえるような感じです。
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その場をまとめるカメラ

2016-07-23 14:50:01 | 撮影の方法
カメラを使っていて、一眼レフ・カメラは前景と背景がきれいにボケてくれて、狙った被写体を浮き上がるように描写してくれます。ある程度背景も含めてきれいに撮影しようと思えばコンパクトカメラがありますから、ディジタルもアナログも使い分けながら、撮影を行っています。

最近気づいたのが写ルンですの良さで、被写界深度を深くしたい場合は広角レンズの出番なのですが、これが標準レンズのような画角で実現できる訳で、その場の見えている雰囲気をごっそりまとめて撮影したい時に有り難味を感じます。ネガフィルムが持つラチチュードの広さを有効に活用していますから、グラデーションの幅の広さも出てきて満足できる結果が得られます。

最短撮影距離がおおよそ1mで、近寄って撮影するよりもその場で見えている全体の雰囲気を表現します。何しろ絞りもシャッター・スピードも固定のカメラですから、無理をしないでスナップ撮影に専念できる有利さがあります。思いついたらピントも合わせる必要が無くて、フィルムを巻き上げて即撮影という感じです。

見えている範囲の内容をきっちりと描写しますので、注目している被写体よりも周りの雰囲気と被写体の兼ね合いを考えながら、全体的な構図を考えて撮影します。前後ボケがある場合には見えて欲しくない部分をわざとぼかすように出来て便利ですが、視野内のすべてが見えていますから、入れたくない部分を避けて撮影することになります。

ファインダー内に見えているものをしっかりと見ながら、自身が動いて取捨選択を行う必要がありますが、撮影枚数が有限で27枚撮影ですから1シーン1コマの撮影になる訳で、ゆっくりと時間をかけて1つのシーンをものにします。結果としてシャッターボタンを押すだけに簡単カメラですが、一眼レフ・カメラよりも時間が掛かったりしています。

その様にして撮影された写真は、フルサイズのフォーマット一杯に思いが込められていますから、単純にそのままスキャンしてそのまま出力しても満足できる画になっています。トリミングを行っても短辺の大きさ分のスクウェア・フォーマット位で、拡大トリミングでは粒子が判るほどに大きくなって解像感が得られなくなります。

制約事項が多くて、一眼レフ・カメラほどに多くの撮影手法を取ることができないレンズ付きフィルムですが、この制約事項を逆手に取って撮影すれば雰囲気満点の写真が手に入るといった按配です。撮影結果はあまり細かな部分まで気にしないで、おおらかにその場の雰囲気を再現するようにすると、フィルムの良さが出てきて満足できる結果が得られるといった感じです。しかし、薄暗い曇りの日ではあまりぱっとしない結果になりますから、やはり撮影は晴れの日を選んだほうがコントラストも適度について満足できます。

一眼レフやコンパクトカメラの操作が面倒くさくなった時には、構図や雰囲気探しに専念できる写ルンですが良い結果をもたらしてくれる感じです。

それでは、今月初めに撮影した写真から掲載します。


写ルンです シンプルエース
撮影データ:1/140sec F10 ISO400
日陰で実を付けるえごの木です。粒子は粗くて少し不利な感じですが、日向から日陰に至る雰囲気をよく再現していて、まとめるのが上手いカメラと感心しました。
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感性オートマチック

2016-04-20 19:57:57 | 撮影の方法
何この表現と思われるかもしれませんが、フルマニュアルの昔カメラを使って、露出計なしで撮影するときに、この表現を用いていました。自分自身の感性が頼りの露出決定法なのですが、意外と狙い通りの露出になっています。他の人が見ると、そのような山勘みたいな露出で大丈夫なのといいたくなりそうですが、意外と大丈夫です。

現代のカメラは自動露出で、それこそ構図を合わせてシャッター押すだけの感覚で写真が撮れます。しかし、結果として一般的、平凡な写真しか撮れない様な感じです。自動露出の自動部分が利き過ぎている事と、今の時流の高感度センサーのおかげで、暗い場所でも日向のように写りますし、明るすぎる場所でも夕方のように写せます。

今この場の雰囲気を忠実に再現したいのに、なかなか上手く写ってはくれません。ローキーで暗く沈ませたいときに、普通日向の雰囲気で写ってくれますと雰囲気が台無しになってしまうわけです。逆にハイキーでうきうきとした雰囲気にしたいときに、少し沈んだ雰囲気になってしまうとこれもまた気分が乗りません。

そこで、自分自身の感性を大切にした撮影方法は何かと自問自答するのですが、それは自分自身の感性を前面に出した撮影ということになります。それでも理由も無しに決めていては、真っ黒や透明のネガフィルムを量産してしまうことになって、これもまた面白くありません。一定の決まりを設けて撮影することになるわけです。

まず、ラチチュードの広さを確保します。ポジフィルムやディジタルカメラはラチチュードが狭くて、この位という曖昧さを受け付けてくれません。実際に撮影すると真っ黒けや真っ白けになる範囲が広いようでは人間の感性に追いつけない訳で、ラチチュードの広さを確保するにはネガフィルムの出番になります。

次にカメラも、妥協を許せる簡単シンプルなカメラが有利になります。レンズが交換できないしズームも効かない位のカメラは、ある程度妥協して撮影することが基本になりますから、この位にしてみようと云う、曖昧決定が自然と行えるフルマニュアルカメラが有利になります。

カメラにフィルムを詰め込んだら、包装箱の露出表を良く見て、今の天候の状態と撮影する場所を良く考えて、一番適している絞り値とシャッター・スピードに合わせます。この設定がベースとなりますので、しっかりと覚えておいて、1枚を撮影した後はベースの値に戻しておきます。後は自身の感性で絞りやシャッター・スピードを少し上下します。この部分を少し沈ませたいからシャッター・スピードを早くしようとか、この部分だけの露出を明るくしたいから絞りを開こうという具合に自身の感性でセッティングします。

ちょうどはベース、ほんの少しは0.5段、少しは1段、多いは1.5段、雰囲気がガラッと変わる2段位に考えておいて、自身の感性を頼りに絞りやシャッター・スピードを移動します。暗いものは暗いように、明るい雰囲気は明るく再現されますから、満足感も高くなります。

傍から見るといい加減に合わせている様な感じがしますが、ネガをスキャンするとしっかり思い通りの明るさや暗さになっていますので、的外れではないような感じです。

それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。


Yashica-D Yashikor 80mmF3.5
撮影データ:1/20sec F5.6 Fujicolor PRO400H
白山市の西にある徳光海岸に寄り道しました。なぎさの強い光でテトラポットがシルエットになり、良い雰囲気で撮影できました。
コメント (2)
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