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あるいて・みつける

歩く速さで見つけたものを、記録に残していきます。ゆっくりと歩けば、いろいろなものが見えてきます。

春は望遠で

2017-03-28 21:38:10 | 撮影の方法
まだ雪があるころは、外を歩き回るのも近場が多くて、割と大きな木のすぐ近くまでいく事が出来ますから、使うレンズは広角か標準レンズが多かったように感じています。雪が溶けて暖かくなってくると、遠くの山や景色に視線が向かうようになってきて、望遠レンズの出番が増えてきます。

人の入り込めないような場所に咲いている花もありますから、望遠レンズの有り難味がじわりと判ってくる様になります。しかし携行性の問題もありますから、歩く距離と撮影する内容でレンズを決める事になります。今回の撮影は、咲き始めたおうれんの花を撮影するために薄暗い森の中へ入りますので、大口径望遠レンズが有利になります。

結局初代タクマーの大口径レンズを使うにしても、今では300mmF4と200mmF3.5の2種類がありますので、ワーキング・ディスタンスが長く取れるタクマー300mmF4を選びます。現代のレンズは最短撮影距離が相当短くなっていますが、初代タクマーはいずれのレンズも長く、300mmF4レンズでは5.5mと抜群の長さになります。

雪は少なかったのですが、寒い日が多くて車のタイヤもなかなか替えれずにいました。4月も近くなってくるといよいよ春本番な訳で、小さな花から順番に咲いていきますし、撮影行で歩く距離も長くなってきます。今までは同じ景色なのでなかなか遠いところまでは足が向かない感じでしたが、思い出しながら足を伸ばす事になってくるようになります。

近いところをそれなりに撮影するには広角や標準レンズ、逆に遠くを見るようになってくると望遠レンズな訳で、カメラ片手にゆっくりと歩いて景色を切り取っていくのがこの頃の撮影となります。身近に咲く草花の撮影は広角や標準レンズ、そして出歩いたときには望遠レンズを使う感じです。圧縮効果でダイナミックに凝視したポイントを切り取ると、自然に引き算の構図になりますから、満足感が高くなります。

昨年暮れに購入した初代タクマー300mmF4も、ようやく活躍の場が出てきた感じです。大きくてぼってりしていて最も重たいレンズですが、この形も有ってとかく人目を引く感じです。このレンズを使って撮影していると、撮影者自身もダイナミックに見えてしまいそうな程の巨漢レンズですが、独特の世界観を持ったレンズですから、癖を良く把握して背景を選んでおくと満足できる画になります。

春はやはり望遠レンズ、木々の梢に花も咲き始めましたので、狭い画角で上手く空や背景のがさつきを消していって、目標の一枚を仕上げます。モノトーンの一様な世界から、変化のある模様の季節へと季節が進んでいきますので、それに合わせるようにレンズも替えていきます。単焦点レンズ場狩持っている我が身ですが、次の休みの日に持っていくレンズを思い浮かべる事も楽しくなってきているこのごろです。

それでは、今月中旬に撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 Takumar 300mmF4
撮影データ:1/125sec F8 ISO200
春先に真っ赤な葉で紅葉するのが南天の木で、思わず目が留まります。これから新芽が伸びて緑の葉が翌年の春先まで続きます。
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奥行きの表現

2016-12-22 20:28:27 | 撮影の方法
フィルムや撮像素子の大きさで被写界深度が違ってきて、小さなフォーマットの撮像素子では広角レンズが望遠レンズにはや変りする訳で、望遠レンズの割には深い被写界深度で色々な部分がはっきりと見えてしまいます。主に使っているのが35mmフォーマットかAPS-Cサイズなので、ボケ量も程々な感じですが奥行きの表現を行おうとすると、レンズを選ぶことになります。

ピント位置の解像感は絞り開放からかなり出ていて、且つあまり絞り込まないようにして撮影しますから、優雅なボケ味と相まって奥行きの表現が容易くなります。しかし、立体の表現になると少し不満足な感じで、より大きなボケ味を求めるようになります。APS-Cサイズよりはフルサイズのフォーマットのほうが満足できる訳で、フィルムも使いながらボケ味を堪能しているといったところです。

フィルムの大きさが大きくなれば、より背景が大きくボケてきて奥行きの表現が容易くなります。現在は中判のフィルムカメラの中古品がそこそこの価格で入手できますので、現像の手段が確立できれば堪能できるという感じです。近くのカメラ屋さんで1日の間で現像を行ってもらえる環境はありがたく、また黒白フィルムであれば自家現像を行えますので、環境さえ整えば薦められるといった感じです。

年末には望遠ズーム・レンズや魚眼レンズ、そして大口径望遠レンズと色々な35mmフォーマットや110フォーマットのレンズを入手できましたので、中判フィルムからは少し遠ざかっていたという感じです。しかし、中判フィルムの味わいは一度経験するとはまり込んでしまう凄さがありますので、しばらくするうちに中判フィルムを使って撮影行に出かけたい衝動に駆られるようになります。

手っ取り早く中判の雰囲気に浸りたい時には、ヤシカDがあります。ズーム・レンズも付いていないしAEの機構も付いていないフル・マニュアルのカメラですが、ネガフィルムを用いるようにすると露出表を見ながら簡易に露出設定を行っても、そこそこ無難なネガ濃度を得ることが出来ますし、シビアなポジフィルムを使う時には露出計で色々な部分を測りながら露出決定を行えばよいので、操作自体の煩雑さはあまり感じません。

ゼンザブロニカはしっかりとした画像を得ることが出来るのですが、大きくて重たいカメラですから、ここぞの撮影用として使います。今では中古価格が下がってしまって、結構容易に買う事が出来るカメラになりましたので、フィルムが販売されているうちのお楽しみ用として使っています。今回の休日は雪交じりの雨の休日でしたから、玄関先や庭の被写体を狙います。やはりこのような時はヤシカDが使いやすい訳で、短い撮影行ですから12枚のコマ数もそこそこ使いきれる感じです。

雨に濡れないように、晴れ間が出てきた時を狙って撮影を行います。これからは冬型の天気が続くために、雪雲が通り過ぎた時の晴れ間を狙う撮影行が続きます。春が待ち遠しくなる感じですが、雪の中の被写体も結構多くて、色々撮影しながら堪能したいと考えています。

それでは、今月半ばに撮影した写真から掲載します。


Yashica-D Yashikor 80mmF3.5
撮影データ:1/100sec F8 Fujicolor PRO160NS
蝋梅の葉が落ちていっぱいのつぼみが見えてきました。これから雪が消える頃までゆっくりと咲いていきます。
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フードの効果

2016-12-16 20:32:12 | 撮影の方法
SMCタクマー、ニッコールHオート、元祖タクマーと増えていった大口径300mm望遠レンズですが、すべてのレンズがフードを内蔵しています。使用時にはフード部分を伸ばしますが、少し小さめで短いフードに不安がありました。やはり望遠レンズは前玉が大きくて先端に来ていますから、昔レンズのコーティングでは斜光の影響を受けてしまって、直ぐにうっすらとフレアが掛かってしまいます。

そこで、ファインダー像を見ながら手を使って斜光が当たっている部分を陰らせると、とたんにクリアな画像となります。やはり望遠レンズには懐が深くて大きなフードが必要であることを痛感しました。以前SMCタクマー300mmF4で同様な試みを行いましたが、比較的新しいレンズですのでレンズの曲率を大きくして全長を短くしてあるためか、思ったような効果が得られなかった記憶があります。

確かにフレア自体は減っているのですが、その分無理をしているような感じでどうしても柔らかな感じに写ってしまいます。丁寧に入射光を曲げて行かないと、レンズ玉の大きさが大きな分収差フレアが起こってしまって、鮮明度が失われると考えています。その点から行くと元祖タクマー300mmF4は、レンズの構成が昔レンズそのものですから大きくて長く、そして重たい雰囲気を残しています。

購入時の試写で付属フードの効果はあまり感じられませんでしたが、無理をせずに光の収束を行っているおかげで、ピントの芯は出ていることが判りました。後はうっすらと出てくるフレアの影響を未然に防ぐことによりはっきりとコントラストが付いた画像を手にすることが出来ると考えていました。

そこで、自作フードの登場です。1L用の保存用プラスチック容器と、安価に分けていただいたφ82mm用のフィルターのガラスを外し、容器に穴を開けてフィルター枠を嵌め込んで接着します。後はパーマセル・テープで遮光をして出来上がり。なんとも簡単なつくりですが、この様なフードでも立派に機能します。外したフィルターガラスは持ち手をつけて持参ずれば、曇天時の青味消しに利用できるフィルターでしたから、再活用することにします。

早速晴れの日を見計らって、効果を確かめます。内臓フード使用時に比べてピントの山が掴みやすく、AFアシスト機能の合焦表示が良く出てきます。つまりフード装着によってフレアが除去されて、コントラストが上がっていることを示しています。近所の公園で数枚撮影して戻ってきてから画像の確認を行います。逆光ぎりぎりの条件でも撮影しましたが、わずかにゴーストが出た位でコントラストの低下は判らない程になりました。

これで、タクマー300mmF4後期型も現用レンズとなりました。後ボケに点光源を入れると二線ボケになりますので、あまりざわざわとした背景を持ってこないことも必要になりますし、現代レンズと違っていることを良く認識して使うレンズと考えています。離れた場所の被写体でも、ぐっと引き寄せて後ボケが柔らかく出ますから、被写体が浮き上がるように表現される優秀レンズです。

買ってよかった、よりも見つけることが出来て本当に良かったと思わせてくれるレンズです。大きくて、長くて、一番重たいレンズですが、良き相棒を自作したことで納得が出来る写りを提供してくれます。

それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 Takumar 300mmF6.3
撮影データ:1/200sec F8 ISO100
内臓フードでは柔らかく写ってしまった栗の紅葉ですが、うっすらフレアが取れたおかげで細かな部分まで良く見えてきました。これでタクマー300mmF4も自信を持って写せます。
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フードは必須

2016-12-14 19:11:25 | 撮影の方法
土曜日は雨と思っていたら、朝から快晴の青空です。11月も下旬になると冬型の気圧配置で、晴れている日が少なくなります。曇りや雨の日であれば、ペンタックスQが何かと小回りが利いて近所の撮影行にはもってこいなのですが、快晴の青空を見ると余り持ち出せないでいたタクマー300mmF4を使おうという気になってきます。

晴れた日の撮影はまだ行えていませんでしたので、少し遠くの場所へ行くことにします。何しろカメラと合わせて2kg超えの巨漢ですから、持って行くにも勇気が要ります。タクマー300mmF4はフードが内蔵されていますので、フードの効果も試してみたいと思っていました。また、曇りの日に撮影した感触では予想通りコントラストが低いレンズという事が判りましたので、コントラストの十分ついた屋外での撮影もやっておく価値があります。

順光で撮影している限りは問題が無く、さくさくと撮影が行えています。ピント合わせには苦労しないという感じで、ファインダー像も安定していて、特に不満を感じません。重いのが難点ですが、レンズを持って構えてみると不思議とバランスがよく、しっくりと体になじみます。ブレが少なく写せますので好都合な感じです。

フィルムでは三脚が必須ですが、手振れ防止機能がついたK-5では手持ち撮影が何とか行えます。コツは機能に頼らないようにしっかりと構えることで、ほぼぶれの無い画像を手にすることが出来ます。重たくて大きなレンズですから無理をしないでゆっくりとピントを合わせて撮影を行います。絞り込むと解像感が上がるのがファインダー像でも確認できます。F5.6~F8までの間でピークがあるみたいで、余りシャッター・スピードを下げない様にして撮影します。

やはり、逆光撮影となると弱いのが昔レンズで、フレアが相当出てくるといった印象です。うっすらフレアでも画面のコントラストが相当に下がってしまって、ピントを合わせるのが辛くなりますので、手でハレ切りをするのですが重たい巨漢のレンズですから、片手でカメラをホールドすると手振れを起こしてしまいます。やはり大きくて深いフードが必要と感じる撮影行でした。

撮影行から帰ってきてから、フードを自作します。カメラ屋さんで82mmのフィルターを安く買ってきてフィルターガラスを外し、保存用のプラスチック瓶を買ってきて穴を開け、フィルター枠をはめ込んで接着剤で固定します。このままですと透明ですから、パーマセルテープを貼り付けて遮光します。何とか出来上がって部屋から屋外の風景を撮影して見ます。

雨が降っている天気でしたが、ファインダー像を見る限りでは暗部がしまってピントが合わせやすい感じでした。タクマー300mmF4は逆光環境は意外と強くてトーンが出てくる感じですが、斜光が入るとフレアが発生しやすくなる感じです。タクマー200mmF3.5と同様に深くて大きなフードを準備することで、今後の撮影が楽になりそうです。

フードが出来上がった日は雨模様の一日で、確認の撮影行は次の週にするとしましょう。実りの多い撮影行でした。

それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 Takumar 300mmF4
撮影データ:1/200sec F11 ISO100
落葉が進むすずかけの木ですが、葉が落ちるとまん丸の実が見えてきます。梢の先に有る実ですが、近くに引き寄せてしっかりと写せるタクマーの実力が出た一枚になりました。
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程々の被写界深度で愉しむ

2016-11-26 07:43:50 | 撮影の方法
標準レンズの場合は、F1.8の大口径レンズがスタンダードですから、暗い夜でもシャッター・スピードがある程度稼げて、フィルムカメラでも重宝するのですが、被写界深度も同時に浅くなってしまって、飲み会の時の写真などはピントを合わせた部分以外はすべてピンボケになってしまって、それならばフラッシュということになります。

135mmレンズでも同じことがあって、F3.5のスタンダード的なレンズはそこそこ被写界深度が稼げて満足できるのですが、F2.5やF2.8クラスの明るいレンズでは程々の被写界深度、F1.8クラスの大口径レンズは絞り解放で前後0.5mm位しかない場合がありそうです。その分ボケ量が大きくなって背景から被写体が浮き上がるように設定しやすいのですが、手持ちでは少し無理な状況になります。

一時期は海外に向けて輸出されていた135mmF1.8の巨大レンズにも興味がありましたが、なししろ大きくて重くてという感じで、夜景を撮影するには丁度良いかもしれませんが、夜にその様な巨大レンズを持ち出して撮影すると怪しまれそうです。何しろAPS-Cサイズのディジタル一眼レフ・カメラでは、85mmF1.8の大口径中望遠レンズがおおよそ130mmF1.8の手軽な大口径望遠レンズに化けてくれますので、それほど希求感が無かったという感じです。

ペンタックスさんのレンズではA☆の135mmF1.8レンズが有名で、何しろ高くて曇りの発生しやすいレンズですから、余り興味が向かなかったのが本音です。実写の写真も見せてもらいましたが、少し口径食のためにボケが変形していて、惜しい気がしました。大口径レンズもそれぞれに癖を持っていますので、自身の好みに合わないようであれば、持っていても使わなくなってしまいます。

その様な感じで、135mmF3.5のレンズでは後ぼけの硬さが気になりますし、もう少しボケ味がきつくないような、柔らかめの描写をするレンズを求めていたわけです。しばらくする
うちにコムラー135mmF2.8レンズを手に入れて、ボケ味と立体感に満足した感じでした。タクマーでもと探してみると、SMCタクマー135mmF2.5がありました。F2.8レンズと比べて少し明るいのが取り柄です。

タクマー135mmF2.5レンズにも、時代の変遷とともに色々な構成があることを知って、集め始めます。微妙な感じですが各々のレンズにはそれぞれ特徴があります。このようなときに希少品レンズのEBCフジノン-T135mmF2.5が手に入ったりするわけですから、M42レンズの底の深さには驚かされます。

結局、135mm大口径望遠レンズはF2.5くらいが丁度体にもなじんで、扱いやすくて満足できる画が出来ますから、その場の雰囲気に合わせてレンズをチョイスして撮影する事にしています。晴れている日が多くなった11月初旬は、やはり強い光の中で満足できる画を出してくれるフジノンをチョイスしました。

それでは、今月初めに撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 EBC Fujinon-T 135mmF2.5
撮影データ:1/400sec F5.6 ISO100
秋になると菊の花、色々な色と形があって道端に咲いている花を見ているだけでも飽きません。
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