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あるいて・みつける

歩く速さで見つけたものを、記録に残していきます。ゆっくりと歩けば、いろいろなものが見えてきます。

SMC Pentax-M 150mmF3.5

2022-02-18 06:52:11 | ペンタックスレンズ

メーカ製レンズの中で、注目されて長期間製造されているレンズも多いのですが、あまり注目もされないのだけれど長期間製造されているレンズがあります。スーパータクマーの時代から綿々と製造されているレンズが、このSMCペンタックスM150mmF3.5で、その後はズーム・レンズに飲まれて姿を消してしまいましたが、長期間生産されていたレンズです。

元来F4の少し暗いレンズだったのですが、少しずつ改良が施されていてMレンズではF3.5と、少し明るくなっています。同時に小型化も行われていて135㎜F3.5のタクマーよりも少し小さくなって取り回しの良さが売りのレンズです。しかし、この時代にはすでにズーム・レンズが幅を利かせてきていますので、小型になったとはいえ単焦点のレンズはかなり疎まれたのではないかと思います。

フードは内蔵されていて便利になっているのですが、やはりコントラスト低下が少し見られるなど非力なフードでもあります。このため、タクマー時代のフードを取り付けると格好も性能も良くなって満足できると言う事になります。35㎜判カメラ用の150㎜の単焦点レンズは結構珍しくて、自身もフードの記述を見て存在に気付き、色々探して購入したという次第です。

これが中判カメラになると、150㎜の焦点距離は35㎜判換算で80㎜相当と、ポートレイト・レンズの範疇に入ります。このため150㎜望遠レンズは結構メジャーな存在で、色々なメーカがライン・アップに入れていると言う事になります。ペンタックスさんは中判カメラも製作していますので、150㎜レンズが35㎜判カメラ用として、ライン・アップの中に入ったとしても不思議ではありません。

また、Mレンズまでの間は非球面レンズや分散レンズという考えが少なかったのも、150㎜レンズが存在している理由になっていると考えています。何しろ200㎜レンズとなると収差との戦いになるわけで、コントラスト低下や収差フレアが良く出てくるようになります。では、収差の影響が少ないレンズと言う事になると、もう少し焦点距離を短くして前玉を少し小さくしないといけない感じです。

135㎜レンズよりも少し望遠で、収差の影響を受けにくいレンズと言う事になると、150㎜レンズの価値があったのではないかと思います。なるべく絞り解放からにじみが少なくなるようにと、F4の暗さになってスタートしたと言う事になります。現代では非球面レンズも分散レンズも有りますので、200㎜以上のレンズもしっかりとした画になってくれるのですが、当時とすれば収差の影響を受けにくい、最大の焦点距離を持つ望遠レンズという位置付けであったと思います。

大寒の季節に入ると雪だらけで寒いと思っていましたら、晴れの日が多くなってきてあまり雪も降らず、撮影行に出掛けられるようになってきました。コロナ禍の中でも外歩きはやはり気持ちが良いものです。まだ春一番の花は咲きだしていないのですが、少し遅めに咲きだした蝋梅の花や、膨らんだつぼみは結構被写体になってくれます。

少し短くて、望遠レンズを持っていないような気持ちにさせてくれる面白いレンズなのですが、反面手振れも心配ですから慎重にホールドして撮影を行っていきます。少し寒いとはいえ日が射すと暖かな陽光で、春の訪れを実感させてくれる休日になりました。

それでは、先月下旬に撮影した写真から掲載します。

PENTAX K-1 SMC Pentax-M 150mmF3.5

撮影データ:1/640sec F5.6 ISO400

もうそろそろと思っていたら、かなり遅れて早咲きのマンサクが咲き始めていました。例年より2週間ほど遅そうで、これでやっと春が来るという感じです。

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135㎜のMレンズ

2021-11-27 06:51:22 | ペンタックスレンズ

タクマーの写りがそこそこ良いがために、なかなか購入しようという気にならなかったSMCペンタックスM135㎜F3.5ですが、購入してみるとかなり小さな外観になっており、おまけにフードまで内蔵されていますので、ペンタックスさんもかなり力を入れて設計したという感じです。

全長がタクマーの105㎜レンズ位ですから、よく頑張って小さくしたという感じです。全長を短くするとどうしてもレンズの曲率を稼ぐ必要がありますので、レンズ自体がぼってりと膨らんでくるのですが、旧来タクマーと同じフィルタ径が49㎜と、スレンダーな形状になっています。小さく・細くなっているのですが開放F値は同じになっています。

写りの方はどうだろうと試写を行ってみましたが、無難に写ります。しかし、全体的に小さくまとまっている望遠レンズですから、フィルム撮影の時には微ぶれを量産してしまうという感じです。やはり、ここまで小さくしてしまうと画角が狭いレンズですから、バランスというものも大切になってきます。

やはりある程度の長さと、持ち重りのする重量バランスが必要と言う事になります。結構軽いレンズでもあるがために、実際に撮影すると微妙なぶれを量産してしまいます。特にシャッター・スピードが1/125秒以下ではかなり苦しい印象で、手持ちのスナップ撮影ではハードルが高い様に思われました。

昔ながらのタクマー135㎜F3.5は、全長も長くて持ち重りのするレンズでもあるがために、重心がレンズ部分に移動してピントリング付近に来ますので、かなりぶれも抑えられると言う事になります。フィルム撮影を行っても失敗が少ないがために、かなり重宝して使っていると言う事になります。

そしてMレンズからは、レンズ軽量化と小型化のために構成が変わっています。従来はゾナー構成でもあったのですが、テレフォトのレンズ構成になっています。ただテレフォト構成にするとレンズ全長が長くなってしまいますので、レンズの曲率をきつくして有効長を短くしていると言う事になります。

このため、無理をしている描写になってしまって評判もあまりよくなかったであろうと思います。実際タクマーと比較すると描写が甘くなっており、F8位まで絞り込まないとシャキッとした描写にはなりにくい印象です。タクマーの方がゾナー構成でもあるがためにしっかりとした画像を得やすく、中古価格も逆転しています。

描写が少し甘くなってがっかりという感じなのですが、それもこれも買ってみない事には判らない訳で、勉強になったという感じです。しかし、旧来135㎜レンズに比べてかなり小さく、そして軽いレンズですからAPS-CサイズのK-5に取り付ければ旅行などの持参カメラとして十分に使える取り回しの良さがあります。

ディジタルカメラの方が融通が利きますから、ぶれ補正機能が付いたディジタルカメラで撮影する方が、絞り込んで撮影が行えて有利になります。丁度晴れの休日になりましたので、K-1に取り付けて撮影行に出掛けました。まだ暑さの残る休日で、あまり遠くまで足を運べなかったのですが、野に咲く秋の草花を撮影できて良かったと思っています。

それでは、先月中旬に撮影した写真から掲載します。

PENTAX K-1 SMC Pentax-M 135mmF3.5

撮影データ:1/30sec F4 ISO100

遠足の時の思い出になるヌスビトハギも、花が終わって実がいっぱいついています。服によく付くお邪魔虫の種ですが、今では懐かしい思い出です。

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SMC Pentax-M 135mmF3.5

2021-11-19 06:53:22 | ペンタックスレンズ

元祖タクマーの時代から、綿々と改良されながら生き延びているレンズだったのですが、元祖タクマーの時代からの最短撮影距離と解放絞り値は良くなることも無くて、Aレンズになるとさぞかしと思っていたら、135㎜F1.8とF2.8 の2種類になってしまって、グレード・アップが行われたという感じです。。

Mレンズの中でも135㎜F3.5のレンズは、当初からのゾナー構成からテレフォト構成に変わっています。Mレンズの時に小型化の波が押し寄せてきましたので、構成を変えてレンズの曲率を大きくすることで、全長もかなり短くしています。しかし、F値の改善までは至らなかったようで、同じスペックにとどまっています。

Mレンズからは収納型のフードが付いていますので、撮影のたびにフードを探す手間が省けて便利です。しかし、収納型のフードは多少非力な印象で、フレアを完全に取り切ってはくれません。逆光にも少し弱くなっていますので、あまり逆光雰囲気を狙わないようにすると好結果が得られます。

何しろタクマー時代から続く、ペンタックスさんの雰囲気が一番出ているレンズですから、今の新しいレンズと比べるのは酷というものです。しかし、旧来タクマーからの味わいにも捨てがたいものがあって、あまりパキパキにはっきりと描写しないしなやかな描写には好感が持てます。

昔ながらのタクマーとあまり描写が変わらない印象ですから、つい最近まで購入意欲がわかなかったレンズでもあります。構成が変わってもボケ味はほとんど同じですから、所有する昔ながらのタクマーを使えば良い話です。しかし、最後の改良が施されて、扱い易くなったタクマーともいえる訳ですから、1本くらいは持っておくのも悪くは有りません。

しかし、キット・レンズと言う事もあり、中古価格もかなり安くてかわいそうになってきます。どの中古ページでも必ず見かける普及品レンズですから、なかなか購買意欲も上がりません。しかし、綿々と改良が続けられた135mmF3.5レンズの、最終バージョンがMレンズでもあるわけで、購入しておこうという気持ちにはなっていました。

Webページで探ると、一杯中古品が表示されます。流石はメジャーなキット・レンズですから、その中であまり清掃や修正を必要としないレンズを選んで、取り寄せ依頼をしてしまいました。週の半ばに依頼をしたのですが週末には受け取り可能になっており、早速週末の休日に試写が行える嬉しい状況です。台風一過の晴天になった休日は、またとない休日の撮影行になった感じです。

秋の初めに咲く草花も一段落して、これから紅葉の季節までは花の少ない寂しい状態になります。朝晩一けた台の温度までが冷え込んでくると、いよいよ紅葉と言う事になるのですが、それまでの間は我慢するしかない状況で、丹念に道端の状況を確認して撮影を行っていきます。SMCペンタックスM135㎜F3.5は、旧来タクマーと同じ写りで少しほっとした感じです。

それでは、先月初めに撮影した写真から掲載します。

PENTAX K-5 SMC Pentax-M 135mmF3.5

撮影データ:1/320sec F5.6 ISO100

135mmF3.5レンズは質感も良く表現します。公園の水飲み場で蛇口を撮影しましたが、テカリやメッキの剥がれなど、モノの質感を上手に再現してくれます。

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SMC Pentax-M 200mmF4

2021-09-12 06:52:38 | ペンタックスレンズ

久しぶりに持ち出してきたという感じで、タクマー時代から綿々と生産されている200㎜レンズです。このレンズも、ズーム・レンズの普及によってスターレンズとなり、200㎜F2.8の大口径望遠レンズに姿を変えていきます。今までの200㎜F4レンズはズーム・レンズのテレ端に名を残すことになってしまいました。

ペンタックスさんもフルサイズよりはAPS-Cサイズのカメラをずっと作っていましたから、換算焦点距離が300㎜になる200㎜F2.8レンズをサンニッパとして使えるレンズとしてアピールしていました。これならリーズナブルで取り回しの良いサンニッパですから、購入される方も多いなと感じていた訳です。

しかし、この時代の200㎜F4レンズは、どこのメーカでも必ずライン・アップの中に取り入れていましたので、似たような外観をしたレンズがいくつも見つかります。レンズ構成はほとんどがテレフォト構成ですから、鏡胴径ぎりぎりまで大きくした前玉はすべて同じようないで立ちとなっています。

この様なレンズですから、同じような癖を持っているというのは想像通りで、収差フレアが出てきますし、何となく眠たい雰囲気になってしまうのは仕方が無いことかもしれません。偶然見つけたオートヤシノンの200㎜F4も、富岡光学の香りがするレンズなのですが、収差フレアを取るのが結構難しかった様子で、少し眠たいレンズになっています。

ペンタックスさんの場合は、ちょうどMレンズの時期にツアイスとの提携がありましたので、今までの少し眠たいレンズから一皮むけた描写をするレンズに変わってきています。それは収差フレアが少なくなっていることで、コントラストの低さが改善されていると言う事になります。レンズの構成枚数も変わっていますので、何等か手心が加わっていると言う事になります。

それと同時にMレンズですから小型化の要求もクリアしているという感じで、外観も従来からの135㎜F3.5のレンズに近くなっています。135㎜のような格好をしていて200㎜のレンズですから、撮影していると勘が狂う事もよくあるのですが、よくこの大きさに仕上げたなと思わせてくれます。フィルター径は49㎜にはならなかったようで、少し大きい52㎜径になっています。

それでも昔からの評判は結構残っているもので、このレンズの中古価格はびっくりするくらいに安いという感じです。何しろ135㎜F3.5のキット・レンズと同じくらいですから、同じようなキット・レンズとして大量生産されていたのではないかと考えています。結構画質は改良されていてお値打ちのレンズなのですが、昔からの200mmF4レンズですから、あまり食指が動かなかったのではないかと考えています。

寂しいお盆休みだったのですが、健康ウオーキングも兼ねて撮影行に出掛けます。昼になると草木の花もしなびてしまいますので、熱中症の事も考えて朝早くに出かけていきます。帰ってきたらシャワーを浴びてさっぱりするという感じで、水太りも避けることが出来た休日となりました。夏の花は力強さを感じますので、力をおすそ分けしてもらえたという感じです。

それでは、先月初めに撮影した写真から掲載します。

PENTAX K-1 SMC Pentax-M 200mmF4

撮影データ:1/125sec F5.6 ISO400

昨年切り取られてしまって、今年はもうだめかと思った野ブドウの木ですが、別の場所の木が花を咲かせていました。これから実が実る秋が楽しみといったところです。

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SMC Pentax-M 150mmF3.5

2021-09-04 06:51:57 | ペンタックスレンズ

地道に改良が継続されていて、最後まであまり気にも留められなかった不運なレンズと言う事も出来る、ペンタックスさんの面白焦点距離レンズです。かなり昔から売られていたレンズなのですが、ベーシックな焦点距離から少し外れているために、私自身もつい最近まで知らなかったレンズでもあります。

どこからこの焦点距離を思いついたのか。色々諸説ありますが一番近いと考えているのは、当時中判カメラの中望遠レンズからやってきたのではないかと考えています。ペンタックスさんも化けペンを販売していましたので、レンズ・シリーズの中で一般的な150㎜レンズの情報を何かしら持っていたと言う事になります。

加えて135㎜から200㎜までの間に存在する、望遠レンズが少なかったと言う事もあります。使う側からすれば、200㎜望遠レンズとなるとかなり大きくなるので、あまり使う気にはならないし、かといって135㎜望遠レンズでは物足りなさも感じてしまう。その様な気持ちであったのではと感じています。当時150㎜レンズで記憶にあるのはマイクロニッコールの150㎜で、ワーキング・ディスタンスの確保が目的でもありました。

その様な中でタクマーの時代から綿々と作られているレンズでもあったのですが、標準的なレンズの焦点距離が認知されていましたので、150㎜レンズは目にも留まらなかったと言う事になります。私自身もフードの対応焦点距離表記を見て、初めて150㎜レンズの存在に気付いたわけですから、気が付いていなかったと言う事になります。

フィルムで使うと三脚が必須アイテムになりますから、200㎜レンズと同様に面倒臭さが気になります。しかし、ディジタル時代になるとカメラ側に手振れ補正機能が付いてきますので、このような望遠レンズでもぶれが少ない良好な画像を得ることが出来ます。言ってみれば手振れ補正機能がついて初めて注目された感じの有るレンズです。

しかし、Mレンズの時代になると次第にズーム・レンズの簡易性が広まってくることになります。このためにズーム・レンズの可変焦点距離範囲に存在するレンズは、Aレンズの時代からきれいに整理されてしまったというのが正直なところです。このために綿々と改良が続けられてMレンズの時代にF3.5まで明るくなったこのレンズも、早々に終焉の時期を迎えてしまったことになります。

それでも最終期になるMレンズでは、レンズの大きさがかなり小さくなって付属のフードまでつく改良になりました。かなり取り回しも良くなって、フードまでついていますから生産数も上がったのではないかと考えていますが、実際はそれほど生産数も上がらずに終焉の時期を迎えたという事になります。このため、中古品棚を見ても150㎜レンズはほとんど無くて、希少品の雰囲気を漂わせています。

夏本番の天候になって、ゴーヤやカボチャ、そしてひょうたんなどの花が目に付くようになってきました。蔓は良く伸びますので、直ぐに手の届かないところに花を付けると言う事になります。しかし、撮影するとなると135㎜では今一つ拡大しませんし、かといって200㎜では、取り回しに不便と言う事も起きます。この様な時に満足させてくれるのが150㎜レンズで、少し離れた場所の撮影に活躍してくれます。

それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。

PENTAX K-1 SMC Pentax-M 150mmF3.5

撮影データ:1/320sec F8 ISO200

むくげの花が咲きだすと夏を感じるのですが、どちらかというと普遍的で地味な雰囲気ですから、あまり題材にもなりません。八重咲のむくげを見つけましたので早速1枚撮影です。

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